GM DISC REVIEW 2021 Octoberギタマガおすすめの新譜をご紹介! GM DISC REVIEW 2021 Octoberギタマガおすすめの新譜をご紹介!

GM DISC REVIEW 2021 October
ギタマガおすすめの新譜をご紹介!

『ザ・ミリオン・シングス・ザット・ネヴァー・ハプンド』
ビリー・ブラッグ

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ COOKCD802J ¥2,530 発売中 全12曲

Guitar:ビリー・ブラッグ(vo, g)、ロメオ・ストダート(g)、他

いぶし銀のボーカルが沁みるカントリー・ロック作品

 ウディ・ガスリーやパブロックからの影響で知られる英国のSSW、ビリー・ブラッグ。本作はいぶし銀のボーカルを軸にしたソウルフルなカントリー・ロック・アルバム。

 ストラト・ライクな枯れたギター・トーン、柔らかなアコースティック・ギターの響きに癒やされる。

『DIARY KEY』
Base Ball Bear

ビクター VICL-65575 ¥3,300 10/27 全11曲

Guitar:小出祐介(vo, g)

切なさを倍加させるギター・サウンド

 結成20周年を迎える男女混成3ピース・バンド、BBBの9thフル。

 疾走感に溢れた「DIARY KEY」を筆頭に、切なく胸打つエモーショナルなロック・サウンドが印象的な1枚だ。

 ラップをフィーチャーした「生活PRISM feat. valknee」は、キラめいた音色のタイトなギターがナイス!

『突き動かされてく僕たちは、』
カネヨリマサル

D.T.O.30. DTOT-1009 ¥1,760 発売中 全6曲

Guitar:ちとせみな(vo, g)

儚くも力強く青春を鳴らすギター・ロック

 大阪を拠点に活動する3人組ロック・バンドの3rdミニ・アルバム。

 切ないアルペジオと歌い出しから始まる「南十字星」、軽快なクランチが切なさと疾走感を演出する「いつもの」、伸びやかなギター・ソロが聴ける「ネオンサイン」など、ギター的な聴きどころが多数ある1枚だ。

『テアトロ・ディーラ Vol.Ⅰ』
マネスキン

ソニー SICP-6402 ¥2,640 発売中 全9曲

Guitar:トーマス・ラッジ(g)

イタリア出身硬派ロック・バンドがブレイク中!

 伝統ある“ユーロビジョン・ソング・コンテスト”の2021年大会で優勝、ブレイク中のイタリア出身バンドによる2nd作。

 イタリア語詞が新鮮だが一部英語詞曲もアリ。サウンドは硬派&ストレートなギター・ロックで、リフからソロまで絶妙なクランチ~オーバードライブが痛快!

『メタリカ・ブラックリスト』
V.A.

ユニバーサル UICY-16007/10 ¥7,920 発売中 全53曲

Guitar:セイント・ヴィンセント/リヴァース・クオモ/マック・デ・マルコ、他(g)

メタリカ愛に溢れた53組が集結! 超豪華カバー盤

 通称『ブラック・アルバム』こと『メタリカ』の30周年を記念して発表されたカバー盤。

 セイント・ヴィンセントやウィーザー、マック・デ・マルコ、ビッフィ・クライロ、フィービー・ブリジャーズなど、53組の実力派アーティストが垣根を超えて多彩なアレンジを聴かせる豪華な1枚だ。

『ピンキーズ・ブルース』
スー・フォーリー

BSMF BSMF-2749 ¥2,640 10/22 全12曲

Guitar:スー・フォーリー(g)【ゲスト】ジミー・ヴォーン(g)、他

テキサス・ブルースへの強い愛情

 ブルース・ギター・ウーマン、スー・フォーリーの最新作は場末のブルース・クラブに足を踏み入れたような痛快なブルース・アルバム。

 ドラムはダブル・トラブルのクリス・レイトンで、ジミー・ヴォーンも1曲参加。

 フレディ・キングばりの力強いギター・プレイと豪快なトーンに感服。

『ガーラ』
DADARAY

ワーナー WPCL-13324 ¥3,300 発売中 全13曲

Guitar:【ゲスト】木下哲/真壁陽平/キダ モティフォ(g)

グルーヴィでアーバンなポップ・チューン

 ゲスの極み乙女。のベーシストこと休日課長が率いる、女性ツイン・ボーカル3人組ユニットの2ndフル。

 冒頭曲の「Ordinary days」から、アーバンで洗練されたポップ・チューンが目白押しだ。「恋してばかり」のメロウなオブリなど、ギターもめちゃグルーヴィ!

『クール』
コリーン・グリーン

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ HAR126CDJ ¥2,530 発売中 全10曲

Guitar:コリーン・グリーン(vo, g)

ローファイな音像に花咲くイノセントな歌声

 LA出身の女性インディー・ポップ・ミュージシャン、コリーン・グリーンによる3rdアルバム。

 歪んだギターと気怠くイノセントな歌声のコントラストが美しい。

 プロデューサーはザ・ストロークスを手掛けたゴードン・ラファエルで、アルバムを通底するローファイな質感もクールだ。

『ヘイ・ホワット』
ロウ

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ OTCD-6842 ¥2,640 発売中 全10曲

Guitar:アラン・スパーホーク(vo, g)

ノイジーな音像を打ち破る圧巻のハーモニー

 スロウコアの草分けとして知られるUSインディー・ロック・バンドが13thフルを発表。

 ノイジーで実験的なサウンドをベースに、ボーカルがその混沌を打ち破っていくさまは圧巻だ。

 「Days Like These」のギターは、シンプルながらカタルシスを生む絶妙なアレンジ。

『FREEDOM ONLY』
GLAY

ポニーキャニオン PCCN-00048 ¥3,300 発売中 全12曲

Guitar:TAKURO/HISASHI(g)

圧倒的オリジナリティを放つメロディアスなプレイ

 GLAYの16枚目となるオリジナル・アルバム。エレクトロ系のフレイバーも香る「BAD APPLE」など、自由な発想に満ちたロック・チューンが並ぶ作品だ。

 その多彩な楽曲の中でも、ハモりを織り込んだメロディックなギターが、揺るぎないオリジナリティを演出している。

『血を嫌い肉を好む』
ドミコ

ユニバーサル PRON-1038 ¥3,080 発売中 全11曲

Guitar:さかしたひかる(vo, g)

トランス感満載のフリーキーなサイケ・ロック

 ギター・ボーカルとドラムからなる2ピース・バンド、ドミコの4thフル。

 中毒性のあるサイケでフリーキーなバンド・サウンドが印象的だが、「猿犬蛙馬」の骨太リフなど、弩級のロック感も見逃せない。「とけました」のブルージィなギター・ソロは、ルーツを感じさせる名演だ。

『From the C』
SPiCYSOL

ワーナー WPZL-31908/9 ¥3,850 発売中 全10曲

Guitar:KENNY(vo, g)、AKUN(g)

波のビートで奏でられたメロウ・グルーヴ

 “The Surf Beat Music”を掲げた茅ヶ崎在住の4人組ロック・バンドによるメジャー1stフル。

 ロック、ファンク、R&Bなど、幅広いバックボーンを感じさせる、メロウなグルーヴが心地良い。「あの街まで」で聴ける複音のギター・プレイは必聴モノである。

『INNOCENCE』
ACIDMAN

ユニバーサル TYCT-60181 ¥3,080 10/27 全11曲

Guitar:大木伸夫(g)

エモーションに満ちた熟練のバンド・アンサンブル

 結成25周年に突入したACIDMANの12thアルバム。

 グルーヴィな「Visitor」、アコギで聴かせる「素晴らしき世界」など、エモーショナルな歌を引き立てるアンサンブルに巧みさが光る。「innocence」では、オクターブ奏法で感動的なグッド・メロディを紡いでいる。

『Carnegie Hall 1970』
ニール・ヤング

ワーナー 輸入盤 発売中 全23曲

Guitar:ニール・ヤング(g)

情念こもる至高のアコギ弾き語り

 生ける伝説、公式ブート第一弾。70年12月4日のNY公演を収めたものだが、これが悪いわけがない。

 この人を聴くと、ギター弾き語りという表現の凄みに驚くばかりだ。あまりに生々しいタッチでD-45の6本の弦を自在にはじき、心と歌と演奏が激しく共鳴し合う。

 弾き語りをする人は聴くべし!

『ア・ビギナーズ・マインド』
スフィアン・スティーヴンス &アンジェロ・デ・オーガスティン

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ AKR143JCD ¥2,750 発売中 全14曲

Guitar:スフィアン・スティーヴンス/アンジェロ・デ・オーガスティン(g, etc.)

静謐な美しさを湛えた透明感溢れるアルペジオ

 USインディー・レーベル、アズマティック・キティ所属のソングライター2人によるコラボ・アルバム。

 全編通してハーモニーが素晴らしく、特に「Reach Out」でのレイヤーを増やしながら歌声と弦楽器が渾然一体となる展開は圧巻だ。透明感のあるアルペジオも静謐で美しい。

『マイ・モーニング・ジャケット』
マイ・モーニング・ジャケット

ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ ATO0573CDJ ¥2,750 10/22 全11曲

Guitar:ジム・ジェイムス(vo, g)、カール・ブローメル(g)

恒久的な休止を乗り越えて完成したセルフ・タイトル作

 グラミー賞ノミネートを果たした前作から6年。恒久的な休止を乗り越えて紡ぎ出されたセルフ・タイトル作。

 アメリカのバンドながら、ジェネシスやピンク・フロイドあたりを思わせるスペイシーな音作りが印象的。エフェクティブなギター・プレイにもそのあたりからの影響を感じさせる。

※本記事はギター・マガジン2021年11月号にも掲載されています。