『ザ・ミリオン・シングス・ザット・ネヴァー・ハプンド』
ビリー・ブラッグ
Guitar:ビリー・ブラッグ(vo, g)、ロメオ・ストダート(g)、他
いぶし銀のボーカルが沁みるカントリー・ロック作品
ウディ・ガスリーやパブロックからの影響で知られる英国のSSW、ビリー・ブラッグ。本作はいぶし銀のボーカルを軸にしたソウルフルなカントリー・ロック・アルバム。
ストラト・ライクな枯れたギター・トーン、柔らかなアコースティック・ギターの響きに癒やされる。
『DIARY KEY』
Base Ball Bear
Guitar:小出祐介(vo, g)
切なさを倍加させるギター・サウンド
結成20周年を迎える男女混成3ピース・バンド、BBBの9thフル。
疾走感に溢れた「DIARY KEY」を筆頭に、切なく胸打つエモーショナルなロック・サウンドが印象的な1枚だ。
ラップをフィーチャーした「生活PRISM feat. valknee」は、キラめいた音色のタイトなギターがナイス!
『突き動かされてく僕たちは、』
カネヨリマサル
Guitar:ちとせみな(vo, g)
儚くも力強く青春を鳴らすギター・ロック
大阪を拠点に活動する3人組ロック・バンドの3rdミニ・アルバム。
切ないアルペジオと歌い出しから始まる「南十字星」、軽快なクランチが切なさと疾走感を演出する「いつもの」、伸びやかなギター・ソロが聴ける「ネオンサイン」など、ギター的な聴きどころが多数ある1枚だ。
『テアトロ・ディーラ Vol.Ⅰ』
マネスキン
Guitar:トーマス・ラッジ(g)
イタリア出身硬派ロック・バンドがブレイク中!
伝統ある“ユーロビジョン・ソング・コンテスト”の2021年大会で優勝、ブレイク中のイタリア出身バンドによる2nd作。
イタリア語詞が新鮮だが一部英語詞曲もアリ。サウンドは硬派&ストレートなギター・ロックで、リフからソロまで絶妙なクランチ~オーバードライブが痛快!
『メタリカ・ブラックリスト』
V.A.
Guitar:セイント・ヴィンセント/リヴァース・クオモ/マック・デ・マルコ、他(g)
メタリカ愛に溢れた53組が集結! 超豪華カバー盤
通称『ブラック・アルバム』こと『メタリカ』の30周年を記念して発表されたカバー盤。
セイント・ヴィンセントやウィーザー、マック・デ・マルコ、ビッフィ・クライロ、フィービー・ブリジャーズなど、53組の実力派アーティストが垣根を超えて多彩なアレンジを聴かせる豪華な1枚だ。
『ピンキーズ・ブルース』
スー・フォーリー
Guitar:スー・フォーリー(g)【ゲスト】ジミー・ヴォーン(g)、他
テキサス・ブルースへの強い愛情
ブルース・ギター・ウーマン、スー・フォーリーの最新作は場末のブルース・クラブに足を踏み入れたような痛快なブルース・アルバム。
ドラムはダブル・トラブルのクリス・レイトンで、ジミー・ヴォーンも1曲参加。
フレディ・キングばりの力強いギター・プレイと豪快なトーンに感服。
『ガーラ』
DADARAY
Guitar:【ゲスト】木下哲/真壁陽平/キダ モティフォ(g)
グルーヴィでアーバンなポップ・チューン
ゲスの極み乙女。のベーシストこと休日課長が率いる、女性ツイン・ボーカル3人組ユニットの2ndフル。
冒頭曲の「Ordinary days」から、アーバンで洗練されたポップ・チューンが目白押しだ。「恋してばかり」のメロウなオブリなど、ギターもめちゃグルーヴィ!
『クール』
コリーン・グリーン
Guitar:コリーン・グリーン(vo, g)
ローファイな音像に花咲くイノセントな歌声
LA出身の女性インディー・ポップ・ミュージシャン、コリーン・グリーンによる3rdアルバム。
歪んだギターと気怠くイノセントな歌声のコントラストが美しい。
プロデューサーはザ・ストロークスを手掛けたゴードン・ラファエルで、アルバムを通底するローファイな質感もクールだ。
『ヘイ・ホワット』
ロウ
Guitar:アラン・スパーホーク(vo, g)
ノイジーな音像を打ち破る圧巻のハーモニー
スロウコアの草分けとして知られるUSインディー・ロック・バンドが13thフルを発表。
ノイジーで実験的なサウンドをベースに、ボーカルがその混沌を打ち破っていくさまは圧巻だ。
「Days Like These」のギターは、シンプルながらカタルシスを生む絶妙なアレンジ。
『FREEDOM ONLY』
GLAY
Guitar:TAKURO/HISASHI(g)
圧倒的オリジナリティを放つメロディアスなプレイ
GLAYの16枚目となるオリジナル・アルバム。エレクトロ系のフレイバーも香る「BAD APPLE」など、自由な発想に満ちたロック・チューンが並ぶ作品だ。
その多彩な楽曲の中でも、ハモりを織り込んだメロディックなギターが、揺るぎないオリジナリティを演出している。
『血を嫌い肉を好む』
ドミコ
Guitar:さかしたひかる(vo, g)
トランス感満載のフリーキーなサイケ・ロック
ギター・ボーカルとドラムからなる2ピース・バンド、ドミコの4thフル。
中毒性のあるサイケでフリーキーなバンド・サウンドが印象的だが、「猿犬蛙馬」の骨太リフなど、弩級のロック感も見逃せない。「とけました」のブルージィなギター・ソロは、ルーツを感じさせる名演だ。
『From the C』
SPiCYSOL
Guitar:KENNY(vo, g)、AKUN(g)
波のビートで奏でられたメロウ・グルーヴ
“The Surf Beat Music”を掲げた茅ヶ崎在住の4人組ロック・バンドによるメジャー1stフル。
ロック、ファンク、R&Bなど、幅広いバックボーンを感じさせる、メロウなグルーヴが心地良い。「あの街まで」で聴ける複音のギター・プレイは必聴モノである。
『INNOCENCE』
ACIDMAN
Guitar:大木伸夫(g)
エモーションに満ちた熟練のバンド・アンサンブル
結成25周年に突入したACIDMANの12thアルバム。
グルーヴィな「Visitor」、アコギで聴かせる「素晴らしき世界」など、エモーショナルな歌を引き立てるアンサンブルに巧みさが光る。「innocence」では、オクターブ奏法で感動的なグッド・メロディを紡いでいる。
『Carnegie Hall 1970』
ニール・ヤング
Guitar:ニール・ヤング(g)
情念こもる至高のアコギ弾き語り
生ける伝説、公式ブート第一弾。70年12月4日のNY公演を収めたものだが、これが悪いわけがない。
この人を聴くと、ギター弾き語りという表現の凄みに驚くばかりだ。あまりに生々しいタッチでD-45の6本の弦を自在にはじき、心と歌と演奏が激しく共鳴し合う。
弾き語りをする人は聴くべし!
『ア・ビギナーズ・マインド』
スフィアン・スティーヴンス &アンジェロ・デ・オーガスティン
Guitar:スフィアン・スティーヴンス/アンジェロ・デ・オーガスティン(g, etc.)
静謐な美しさを湛えた透明感溢れるアルペジオ
USインディー・レーベル、アズマティック・キティ所属のソングライター2人によるコラボ・アルバム。
全編通してハーモニーが素晴らしく、特に「Reach Out」でのレイヤーを増やしながら歌声と弦楽器が渾然一体となる展開は圧巻だ。透明感のあるアルペジオも静謐で美しい。
『マイ・モーニング・ジャケット』
マイ・モーニング・ジャケット
Guitar:ジム・ジェイムス(vo, g)、カール・ブローメル(g)
恒久的な休止を乗り越えて完成したセルフ・タイトル作
グラミー賞ノミネートを果たした前作から6年。恒久的な休止を乗り越えて紡ぎ出されたセルフ・タイトル作。
アメリカのバンドながら、ジェネシスやピンク・フロイドあたりを思わせるスペイシーな音作りが印象的。エフェクティブなギター・プレイにもそのあたりからの影響を感じさせる。
※本記事はギター・マガジン2021年11月号にも掲載されています。