ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。第6弾は、自分のバンドが大ブレイクし、なぜか母校の体育館で凱旋公演を行なうというお話。これはなかなかあり得ないシチュエーションです。しかし、バック・バンドなしに、前奏をひとりで演奏するというような状況に出くわす可能性はなきにしも非ずです。
【シチュエーション6】
母校での凱旋公演!
全校生徒の前でソロ・ギターを演奏する。
現場の風景
- バンドが大ブレイクし、母校に凱旋。
- 校歌のコード進行は“C-G-F-C”。
- 校歌の前奏としてひとまわし分、ギターを演奏することに。
バンドが大ブレイク! 爆発的人気の日々。そんなある日、1本の電話がかかってきた。
“市ヶ谷弦音高校の校長です。あなたは我が校の誇り!記念公演をお願いできないでしょうか?”。
弦音高校といえば我が母校。まさに凱旋公演だ!と思いつつ母校の体育館へ行くと、現役生徒との校歌合奏が予定に入っているではないか。
“校歌の前奏としてひとまわし分、ひとりで何か弾いていただけないでしょうか。そのあと、ブラバン部員が演奏に加わりますので”。
校歌のコード進行は“C-G-F-C”というシンプルの極致(Ex-1)。Ex-2のようにドレミの単なる弾きまくりだと物足りないだろうし、Ex-3のようにコード音だけというのも地味すぎる。複音とか混ぜて、コード進行を感じさせたいところだ。
本番までに若干の時間があったので、なんとかフレーズを作って仕込むことができた。そして演奏。無事に弾き終えた!と思ったら、横から先生が耳元でささやく。
“すいません、ブラバン部員がまだそろってないので、あと何まわしか弾いて下さい”。そのあとに続いた、コード感のかけらもないギター・ソロに体育館は底冷えがするばかりだった。
想像しただけでも寒気がするシチュエーションですが、このような状況を乗り切るには、いわゆるコード崩しのテクニックが必要です。詳しくは、本書&YouTubeでの実演動画にて。
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
---|---|
著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |