ソウル/ファンクを吸収した巨人リトル・ミルトン ソウル/ファンクを吸収した巨人リトル・ミルトン

ソウル/ファンクを吸収した巨人
リトル・ミルトン

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今回は、B.B.キング、ボビー・ブランドと並ぶモダン・ブルースの巨人=リトル・ミルトンが主役! 彼の「ストマン」は、スローなテンポの中にもファンキーさがにじみ出ているんです。擬似ストマン進行とでも呼べる半音スライドを絡めたコード・アプローチも、ジャジィさとブルージィさを両立させていてカッコ良い! さて、肩を揺らしながら出かける準備をしましょう

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


モダン・ブルースの巨人が
グルーヴィにキメる「ストマン」

60年代以降のモダン・ブルース・シーンではBBキング、ボビー・ブランドと並ぶ存在だった、リトル・ミルトン。

BBより10歳、ブランドより4歳若く、ふたりからも影響を受けつつ、よりファンクやソウル感覚を自然に取り入れた巨人である。ブランドとは65年の「ブラインド・マン」が競作となり、共にヒットさせた、という経緯も。

リトル・ミルトンによる「ストーミー・マンデイ」は、66年録音の『シングズ・ビッグ・ブルース』に収録されている。

もろにBB風なイントロから1コーラス、ギターを聴かせて歌へ。いわゆる“ストマン進行”ではないが、全体的にブランド・バージョンの色合いが強い。特に、ギター・ソロは、ウェイン・ベネット経由のTボーン・ウォーカー・フレーズという趣で、いきなり倍テンポでスタート。落としどころはどこか、と思うと何と10小節も倍テンをキープ。

ソロの後、3番の歌を2コーラスくり返すのだが、最後のコーラスでは自分のギターは大胆にコードを切って盛り上げ、それまでのサイド・ギタリストが、モダンなフレーズで絡んでいくのも、いい感じだ。

ちなみに、このセッションのドラムは、のちにアース・ウィンド・アンド・ファイアを結成するモーリス・ホワイト。

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