向井秀徳&吉兼聡(ZAZEN BOYS)Line 6 DL4 MkII Special Session!! 向井秀徳&吉兼聡(ZAZEN BOYS)Line 6 DL4 MkII Special Session!!

向井秀徳&吉兼聡(ZAZEN BOYS)
Line 6 DL4 MkII Special Session!!

Line 6が生み出したディレイ・モデラーの金字塔が進化を遂げ、DL4 MkIIとして生まれ変わった。それを記念し、DL4愛用者である向井秀徳と、ZAZEN BOYSの相棒=吉兼聡によるスペシャル・セッションが実現!!! 初対面となったMkIIモデルに創造力を刺激された2人の演奏、そしてそのインプレッションを語ったインタビューをお届けしよう。

取材=尾藤雅哉(ソウ・スウィート・パブリッシング) 動画制作=川村健司、石井キョショ 写真撮影=西槇太一

吉兼聡

弾いているだけで新しい発見があるので
夢中になっちゃいました(吉兼)

今回は複数台のDL4 MkIIを使って演奏をしていただきましたが、実機を使ってみた感想から聞かせて下さい。

向井 まずディレイの好きなところは、ギターを弾いている本人がくり返されるフレーズで“自分だけの世界”に没頭していけるところ。先ほど演奏している時なんかは足下ばかり見ていて、完全に“シューゲイザー”になってしまいましたからね。

吉兼 色んなモードを試した中で、自分が気になったディレイとリバーブを各チャンネルに設定して演奏したんですけど、どれもすごく良かったです。個人的には特に[Elephant Man]というアナログ・ディレイのモデリング・サウンドが好みでしたね。

向井さんはMkIIで新たに追加されたモデリングも試されていましたね。

向井 リピートされるフレーズに異なる音程が足されていく[Harmony]ディレイを使ってみたんですが、自分が意図した響きではないコード感が偶発的に生まれる瞬間がたくさんありましたね。そうして生まれたサウンドにまた自分が反応して……そうやってどんどん連鎖していくので延々と弾いていられますね。

 あとはGlitch。モジュレーションがかかったような独特の効果で、弾いていて凄い没入感がありました。各パラメーターはツマミで直感的にコントロールできるので、何かを思いついた瞬間に世界観をバッと変えられる。これは演奏していて楽しかったですね。

今回のセッションでは、向井さんが吉兼さんにアイコンタクトを送っている場面がありましたが、演奏に集中していて気づかない場面も印象的でした(笑)。

向井 そうなんです。こちらは“そろそろ終わるぞ~!”っていう合図を送っているのに、向こうは自分の演奏に気持ちよくなっていて全然気づかないという(笑)。

吉兼 弾いているだけでも新しい発見があるので、夢中になっちゃいましたね(笑)。出した音に触発されて自分のプレイも常に変わってくるようなエフェクターだと思います。

向井秀徳

DL4 MkIIには何かが生まれそうな
“ムード”がある(向井)

操作性についてはいかがですか?

向井 基本的にオリジナルのDL4をそのまま踏襲してる形になっていると思いました。私の場合、長年DL4を使ってきたので抵抗感なく使えましたね。

 例えば、液晶のパネルの数字でディレイ・タイムが表示されたり、その数値を変更していくような機種だと、何かアイディアを思いついてから数値を打ち込んでいる暇がない。その点、DL4はツマミを回せばすぐに効きますからね。そうやって耳で聴いた音に即座に反応していけるレスポンスの速さというのは、演奏する側にとって凄く嬉しいわけです。もちろんジャストで使いたい人は音符マークに合わせればすぐに設定できますからね。

 あと私はいろんな現場でLine 6の製品を使ってきたんですけど、たまにペダルを踏むスイッチのガード部分がはずれてしまうことがあって。でも今回はかなり頑丈になっているということで、そこもかなり嬉しいポイントですね。

今回、短い試奏時間ではありましたが、新しい表現が生まれてきそうな予感はありましたか?

向井 ありましたね。くり返されるフレーズに触発されて、自分の想像力がさらに大きく広がっていくような気がしました。“自分、こんなコード弾いてないのにな。今、誰が弾いたんだ?”みたいな。そういう偶然は楽しいですね。

吉兼 僕もセッションみたいな感覚で、色んなモードを試しているうちにフレーズや奏法など、いろんな表現が生まれそうな予感がしました。このディレイを使って表現できることは、たくさんありそうですね。

向井 当然、伝統のLine 6だけのオリジナル・サウンドっていうのは全部網羅されてるし、それはガシガシ使えると思うんですね。そして新しいモデリングに関しても、例えば既存の楽曲のエンディングをむっちゃドラマティックにしたい時に[Harmony]を使ったりしたら、“今、何が入ってきたんだ? シンセか?”、“いや、メンバーにシンセサイザーはいないっすよ”みたいな。そういう驚きを演出することもできる。

 あと今回、私のところで複数台のDL4 MkIIを同時に使わせてもらったんですけど、例えばギタリストが2人いる場合は異なるセッティングのDL4 MkIIを使ってディレイのアンサンブルを作り込んでいくのも面白いかもしれない。例えば2人で[Harmony]ディレイを組み合わせれば、より立体的な音像をギターで作ることができたりもするでしょうね。とても興味深いです。

セッションで吉兼さんは、歪みエフェクターと組み合わせて演奏されていましたね。

吉兼 ちょこっとディレイとリバーブと歪みを組み合わせて使ってみたんですけど、相性は凄く良かったです。すごくキレイに馴染んでくれましたね。

改めてDL4 MkIIは、どのようなプレイヤーにオススメですか?

向井 これはギタリストだけじゃなくていいんじゃないですか? 例えば三味線にかけても良いと思う。ラップスティール奏者やボーカリストにもいいんじゃないですか。色んな音色が入っているので、その中から自分が気に入るものを見つければいいと思います。

 あと私の場合、DL4はライブだけでなくレコーディングでアウトボードとしても相当使いました。そういう使い方をしていた人も喜ぶんじゃないでしょうか。この新しいモデルにはMIDIもついてるしね。

おふたりがディレイに求めるものとは?

吉兼 色んな効果で“遊べるか”がデカいですね。エフェクトをかけてみて、演奏してみて、そこからまた次のアイディアが生まれてくるっていう。それだけで想像力が大きく広がりますから。

向井 私の場合、何かが生まれそうな“ムード”ですね。時間軸が現実時間じゃなくなりますから。なのでディレイには、夢の世界に誘ってくれるようなムードを求めますね。

DL4 MkIIに“ムード”はありますか?

向井 あるね。夢の世界ですよ。

2人がセッティングしたDL4 MkIIのプリセットは近日公開!

Line 6
DL4 MkII

【スペック】
ディレイ・エフェクト数:30
リバーブ・エフェクト数:15
ルーパー最長Rec時間(フル/ハーフ):120秒/240秒(microSDで拡張可)
入出力端子:1/4″イン×2、XLRイン×1、1/4″アウト×2、EXPアウト、MIDIイン/アウト/スルー、USB、micro SD
電源:9V DCアダプター
サイズ:235(W)×114(D)×51(H)mm
重量:0.92kg

【価格】
希望小売価格:59,400円(税込) ※価格改定により2023年1月27日に記事内の記載を更新

【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン Line 6インフォメーションセンター TEL:0570-062-808 http://www.line6.jp
https://line6.jp/effects-pedals/dl4-mkii/