Live Report|ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO2022年4月10日 “Purple P△rty”@舞浜アンフィシアター Live Report|ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO2022年4月10日 “Purple P△rty”@舞浜アンフィシアター

Live Report|ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO
2022年4月10日 “Purple P△rty”@舞浜アンフィシアター

痛快なほどゴリゴリな本格ファンクを聴かせるENDRECHERIこと堂本剛。彼の43歳となる誕生日に開催されたライブ、“ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO”の “Purple P△rty”の模様をお届けしよう。ファンク愛好家にも刺さる様々な工夫、Tomoyastoneこと竹内朋康&Mountain Mocha Kilimanjaroの小林“Bobsan”直一という日本屈指のファンキー名手2名の演奏、そしてもちろん、 ENDRECHERI 本人のギター・プレイも最高でした!

文=福崎敬太
※本記事はギター・マガジン2022年6月号にも掲載されています。

ファンク名手2人の絶妙なコンビネーション

 4月10日、快晴の舞浜。この日は“夢の国”とは反対方向へと向かう。舞浜アンフィシアターで行なわれる、堂本剛=ENDRECHERIのライブだ。会場に到着すると、事前の案内にあったドレスコードどおり、“Purple P△rty”の名のもとに、紫色をファッションに取り入れたファンが集っていた。

 客席に向かうと、会場内にうっすらと溜まったスモークを紫色のスポットライトが照らす中、サイケなファンク・インストがSEで鳴り響いている。この日は堂本剛の誕生日であり、ライブの開始時間は午後2時44分(=つ・よ・し)。そして開演が近づいてきた頃、円形ステージ後方の幕に三角形のキャラクターが映し出され、こんな言葉を放った。“日本でこんなにカッコ良いファンクをやっている場所はココしかないゼ”と。ほうほう。

 会場が暗転。ステージの幕にはトライアングルが投射され、熱帯魚のエンドリケリーや水生植物などが万華鏡の中を泳いでいるような、サイケデリックな映像が始まった。そしてシンセ・リードとユニゾンする歪んだギター、ファンキーなカッティングがヘヴィなリズムを刻み始めると、幕が上がりENDRECHERIバンドが姿を現わす。ギタリストは、オリエンタルなタイツと派手な装飾を纏う小林”Bobsan”直一(Mountain Mocha Kilimanjaro)、そしてツナギにキャッチャー・マスク姿のTomoyastoneこと竹内朋康の2人。

 煌びやかに輝くミラー・スーツを身に纏った御大=ENDRECHERIも、同じくミラーで輝くトライアングルのセットに腰掛けたまま、ステージ中央からせり上がりで登場。ヘヴィ・ファンク「ENDRECHERI POWER」でライブは幕を開けた。

 ワーミーのようなエフェクトも駆使するロックで自由な竹内のリードと、小林のリズミカルな単音リフがPファンクを思わせる「FUNK TRON」、カッティングとオブリが交互に入れ替わる「Crystal Light」と、2人のコンビネーションが序盤からグルーヴを牽引していく。

 「GO TO FUNK」ではベースがタイトな4ビートで大きなうねりを生み出し、ギター2本による16分のカッティングで複合的なリズムを構築。パーカッションやホーンも含む一流のミュージシャンたちによる豪華なアンサンブルだ。

 そして、ここまではコシの強いビートで盛り上げてきたが、「Lovey-Dovey」からの「沼ンティ」ではオフ・ビートを意識したネオソウル・スタイルへ。しかしライトにはならず、ブルース・フィーリングも感じるセクシーなオブリでエロティックに。さすが竹内朋康。「YOUR MOTHER SHIP」ではステージ中央まで出てきてアツいギター・ソロも披露した。

ステージ中央でソロを披露するTomoyastone=竹内朋康。
ステージ中央でソロを披露するTomoyastone=竹内朋康。

泣きのギターによる堂本剛の“自己表現”

 「Believe in intuition…」でベースを手にした堂本剛は、フィルターをかけたオブリを弾きながら歌う。そしてついに、「HYBRID FUNK」で総帥がギターに手を伸ばした。

 紫色のカスタム・ギターを手に、細かくワウを操作しながらファジーなイントロを聴かせる。ミックスのせいもあるだろうが“さすがスターのギター!”という存在感! 「勃」では泣きのチョーキングをイントロでかき鳴らし、激しめのビブラートをかけながらロックにキメる。バックの一流たちによる演奏がありながらも、一気に耳を奪う堂本のギターからは、エゴイスティックなまでの自己表現を感じた。

 ここまでは、70年代後半から80年代にかけてのファンク・ロック・スタイルまでカバーする竹内のリードが多め。ワウなどをかけながらもトラディショナルなカッティングを担う小林は、楽曲のグルーヴ・メイクを担ってきた。が、「これだけの日を跨いできたのだから」では小林がリードに移り、デヴィッド・T.ウォーカーばりのメロウで見事なオブリを聴かせてくれた。

 そしてアンコールに入り、アヴェレイジ・ホワイト・バンド「Pick Up The Pieces」的な小林のカッティング・イントロから「Wedding Funk」へ。ゴージャスなホーン・セクションの中、ロックな流れでアツい速弾きオブリをくり出す竹内のプレイに思わず拳を突き上げ、ライブは幕を閉じた。

 “日本でこんなにカッコ良いファンクをやっている場所はココしかないゼ”。そうかも。

INFORMATION

ENDRECHERIが1st DIGITAL SINGLE「LOVE VS. LOVE」を5月29日にリリース! Apple MusicやSpotifyなど、各種配信サービスで視聴が可能。詳しくはENDRECHERI公式HPへ。

ギター・マガジン2022年6月号
『ジョン・フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)』

本記事はギター・マガジン2022年6月号にも掲載されています。本誌の特集は、ジョン・フルシアンテ復帰後のレッチリがリリースした最新アルバム『Unlimited Love』を徹底深堀り!! 作品についてジョンが語った最新インタビューも、国内独占掲載!!