“ギター・ソロが鳴るとスキップをする”イマドキ(?)のリスナーからの支持も厚い新世代のプロ・ギタリストたちが、改めてソロの魅力を紹介する特集『このギター・ソロ聴いてみな? 飛ぶぞ!!』。2人目はマカロニえんぴつのギタリスト、田辺由明が登場! 往年のハード・ロック/ヘヴィメタルをこよなく愛し、熱い速弾きや重厚なリフを現代の音楽で響かせる田辺。そんな彼が選んだソロ名曲を紹介していこう。
あなたにとってのギター・ソロとは?
影響を受けたものを咀嚼してアウトプットする。
その時カッコいいと思ったものを弾く!!
それで良いんです(笑)。
───田辺由明
田辺由明(マカロニえんぴつ)が選ぶ
ギター・ソロ名曲3選!
No.1|「オン・アンド・オン」 マイケル・シェンカー・グループ
田辺 自分がフライングVを愛するきっかけになった曲です。この曲を聴いてマイケル・シェンカーに惚れて、 Vタイプのギターしか弾かなくなりました(笑)。
ギター・ソロが前半と後半で2回あるのですが、前半が超絶速弾きエモーショナルなソロなのに対して、大サビ後はスーパー・メロディアス。そのギャップが最高!
自分はソロを作る時に“歌えるギター・ソロ”を目指して作るのですが、この曲がその意識を芽生えさせてくれました。
収録アルバム
『エム・エス・ジー』/マイケル・シェンカー・グループ
No.2|「ミスター・クロウリー(ライブ)」 オジー・オズボーン
田辺 前述のマイケル・シェンカーと同じく、このランディ・ローズの速弾きの中にもしっかりとしたメロディとドラマがあると思っています。
特に後半のソロはハーモニック・マイナー・スケールの織り交ぜ方が素晴らしくて涙が出る……。ソロでの展開、ドラマチックにする音の選び方はこの曲から学びました。
ちなみに僕らの楽曲「TONTTU」(2022年)のソロや、「メレンゲ」(2022年)のCメロのギターはこの曲のオマージュをしています。
収録アルバム
『トリビュート』/オジー・オズボーン
No.3|「スターゲイザー」 レインボー
田辺 ボトル・ネック奏法を初めて知った曲。この奏法独特のメロウなサウンドと、エキゾチックな雰囲気が堪らない……! ハード・ロックでボトル・ネックを使ったソロは少ないですが、曲のおどろおどろしさを引き立たせる最高のギター・ソロだと思います。
僕もボトルネック奏法の時は、タイム感や音の繋げ方、切り方が難しくて迷うことが多いんですが、そのたびにこのソロを聴いてフレーズに向き合う気持ちをチューニングしています。
収録アルバム
『ライジング』/レインボー
田辺が弾く、本人イチオシのギター・ソロはコレ!
マカロニえんぴつ/メレンゲ
田辺 楽曲の持つ壮大さを僕なりに踏襲して、ドラマチックさを演出したギター・ソロです。
大きなメロディー・ラインからのハモりを混ぜたシーケンス・フレーズ、ちょっとした速弾きも織り交ぜてますが、総じて“歌えること”を意識して弾いています。
憧れたギタリスト達から学んだ音選びやサウンド・メイクを自分なりに昇華した、自画自賛したくなるギター・ソロです!
収録アルバム
『ハッピーエンドへの期待は』/マカロニえんぴつ
今回選曲してもらったギタリストは……
田辺由明
たなべよしあき◎はっとり(vo,g)を中心として2012年に神奈川県で結成した、メンバー全員音大出身のロック・バンド、マカロニえんぴつのギタリスト。ハード・ロック、ヘヴィ・メタル好き。三度の飯より“ギター・ソロ”好き。