数々のミュージシャンを撮影してきたフォトグラファー石澤瑤祠が、写真展“石澤瑤祠 Photo Exhibiton「Picture Book vol.2 鮎川誠(シーナ&ロケッツ)」”を開催中だ。
題名のとおり鮎川誠の写真を中心とした展示で、期間は2022年6月19日(日)〜7月10日(日)、第一会場が東京・神田珈琲園、第二会場が呑み処AJiROとなっている。なお、入場料は無料だが、両会場ともに飲食店での展示となるため、フードやドリンクのオーダーが必要だ。
展示は伝説のギタリストをとらえたモノクロ写真が30点と、デジタルによる作品が予定されている。以下でその一部を見ていこう。
以下は、石澤瑤祠が本展示にかける思いを綴ったコメントだ。
2011年に写真を始めてから、幸いなことに子供の頃から憧れていたミュージシャンをたくさん撮影してきました。その多くの写真を観返すたびに、僕に僥倖をもたらして下さったミュージシャン、関係者のみなさまへの感謝の気持ちで、胸がいっぱいになります。同時に、撮影することが叶わなかったミュージシャンへの想いも僕は馳せることになります。忌野清志郎さん、どんとさん、そして、シーナさん……。忌野清志郎さん、どんとさんのお二人は僕が写真を始める前に亡くなられたわけですが、シーナさんは僕が写真家となった後も力強くロックを歌われていました。いつかシーナさんを撮影したいという想いはあったものの、間に合わなかったことが本当に悔やまれます。
しかし、それでも僕は、鮎川誠さん、奈良敏博さん、川嶋一秀さんの三人でのシーナ&ロケッツの精力的な活動を撮影し続けています。何よりも、LUCY MIRRORさんが初めてシーナ&ロケッツで歌う瞬間に立ち会えたことは大きな喜びです。現在進行形のシーナ&ロケッツのライヴや取材で撮影するということは、日本におけるロックの歴史の決定的瞬間を目撃し、記録し続けるということです。毎回、ロックの新しい扉が開く一瞬に心を高鳴らせ、バンドから発せられる熱風に畏怖を感じながら、決してここを逃してはなるまいとカメラのシャッターを切ってきました。その一瞬は、僕の身体にロックが漲る時であり、ロックの魅力を再確認する時でもあります。また、なぜ自分は写真を撮るのか、何を自分は表現したいのか、という僕の生の根本に対峙する大切な一瞬でもあります。それは、これからも変わらないと思います。
今回、50歳という個人的な節目の年に、鮎川誠さんを中心としたシーナ&ロケッツの写真で写真展を開催することとなりました。これ以上の幸せはありません。
石澤瑤祠
また、6月28日(火)には東京・神田のライブ・スペース=THE SHOJIMARUにて、ロックジェット編集⻑・藤竹俊也と鮎川によるトーク・イベントと、鮎川と杉山章二丸(d/MOJO CLUB、ザ・タイマーズ)によるセッション、“Picture Book vol.2 鮎川誠トーク&ライブ”も予定されている。チケット料金は前売り3,500円(1ドリンク別/当日4,000円)。詳細はTHE SHOJIMARUの公式サイトでチェックしてほしい。
石澤瑤祠 Photo Exhibiton「Picture Book vol.2 鮎川誠(シーナ&ロケッツ)」概要
【開催期間】
2022年6月19日(日)〜7月10日(日)
【会場】
第一会場:神田珈琲園
住所:〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町2-13-12
営業時間:平日7:00〜22:00/土曜日8:00〜18:00/日祝日9:00〜18:00
TEL:03-3252-7608
公式サイト:https://www.kanda-coffee-en.com/
第二会場:呑み処AJiRO
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目4−6 吉川ビル 1F
営業時間:17:00〜24:00(L.O.23:30)
TEL:03-5244-4040
※ 両会場とも飲食店での展示のため、飲食物は要オーダー。また、会場は喫煙可能スペースとなる。
【入館料】
無料
【作品点数】
A3、A4サイズ等、モノクロ30点(予定)、デジタルによる作品
【主催】
crimson
【協 力】
シーナ&ロケッツ、ロケットダクション、ロックジェット
「Picture Book vol.2 鮎川誠トーク&ライブ」 概要
【日時】
2022年6月28日(火)
19:00開場/19:30開演
【出演】
鮎川誠(シーナ&ロケッツ)
藤竹俊也(ロックジェット編集⻑)
杉山章二丸(MOJO CLUB、ザ・タイマーズ)
【会場】
THE SHOJIMARU
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目4−6 吉川ビル B1F
TEL:03-6206-9596
公式サイト:http://shojimaru.main.jp
【チケット】
前売り:¥3,500+1ドリンク
当日:¥4,000+1ドリンク
※予約はTHE SHOJIMARU公式HPで。
石澤瑤祠プロフィール
いしざわようじ◎1972年、東京都生まれ。10代でローリング・ストーンズとセックス・ピストルズによってロックの洗礼を受け、20代はアルバイトをしながらバンド活動に明け暮れた。大きなイヴェントに出たり、メジャーからのCDリリースを経験したりしたものの、売れることはなく、29歳の時に友人からの誘いを受け、ライヴ・ハウス「初台ドアーズ」の立ち上げに参加。その後、同ライヴ・ハウスに出演していた大矢侑史(ex.シェイディ・ドールズ)の事務所に入社し、ミュージシャンや俳優のマネジメント、映像や舞台公演の制作などに従事。2010年、とあるMVを制作する際、叔父の形見で譲り受けた一眼レフカメラを小道具として提供し、撮影の際、遊び半分で初めてフィルムを装填。出来上がった写真は拙かったものの、そのなんとも言えない質感に感動し、以後、事あるごとにそのカメラにフィルムを詰めてスナップ写真を撮り始めた。2011年、写真家の平間至が運営していた暗室&ギャラリー「Pippo」のモノクロ現像ワークショップにて初めて暗室作業を体験。そこからさらに写真の魅力にとりつかれ、特にモノクロ・フィルムでの撮影と暗室作業に没頭し、ライヴ撮影が増加。バンド活動やライヴ・ハウス勤務の経験が活きたのか、ミュージシャンをはじめ多くの音楽関係者から評価を得ていった。特にザ・プライベーツの延原達治、G.D.フリッカーズの稲田錠、アキマ&ネオスのアキマツネオ、大島治彦(現・ラーマ・アメーバ)は、その写真をポスター、フライヤー、ジャケット等に採用。紙媒体においては、2011年、「ロックジェット」での写真掲載をきっかけにして本格的に進出。「ロックジェット」や「ギター・マガジン」などの音楽雑誌では、ポートレイト、ライヴ写真、機材写真等、あらゆることで貢献。撮影したミュージシャンは、沢田研二、ザ・タイガース、シーナ&ロケッツ、甲本ヒロト、奥田⺠生、井上堯之、山下洋輔、森山威男、難波章浩、TOSHI-LOW、菊池英昭、レッド・ウォーリアーズ、スターダスト・レビュー、ロバート・プラント、ロジャー・ダルトリー、レイ・デイヴィス、パティ・スミス、キッス、グレン・マトロック、アール・スリック、スティーヴ・クロッパー、ジャクソン・ブラウン、クロスビー、スティルス&ナッシュ等。また、ニコニコ学会βや昆虫大学などの学術系イヴェントではオフィシャル・カメラマンとして参加。江渡浩一郎、八谷和彦、前野ウルド浩太郎、メレ山メレ子といったメディア・アーティスト、研究者の著作にも写真が掲載された。最近は新宿梁山泊や銀岩塩などで舞台写真やメイン・ヴィジュアルも手がけ、音楽や学問の現場からアングラ演劇から2.5次元の舞台まで、幅広く活動している。