新作EP「恋と戦争」のレコーディング、そしてリーガルリリーのライブでも一軍として活躍する、たかはしほのかの使用機材をご紹介! なんと今作のレコーディングで使用されたエレキ・ギターはテレキャスター1本のみだそうだ。彼女のオルタナティブなサウンドを生み出す、こだわりの機材をご覧あれ。
取材/文=伊藤雅景 機材写真=星野俊
Guitar
Fender/1972 Telecaster
たかはしの“魂”の1本
リーガルリリーのギター・サウンドの核を担う、1972年製のテレキャスター。ライブとレコーディング双方で活躍しており、たかはしの不動のメイン・ギターだ。前述のとおり、今作「恋と戦争」の楽曲で聴けるエレキ・ギターの音色はすべて本器によるもの。
購入した段階で塗装が剥がされており、ピックアップや配線も交換されていたりと改造点は多岐に渡る。“重量がとても軽いところも気に入っている”とのこと。なお、ネックに挟まれたピックはジム・ダンロップ製のTORTEX STANDARD 0.73mm。
Pedalboard
【Pedal List】
①FREE THE TONE/JB-41S(ジャンクション・ボックス)
②Xotic/RC Booster(ブースター)
③KORG/PitchBlack Mini(チューナー)
④Vital Audio/Encounter VAPS-4(プログラマブル・スイッチャー)
⑤Fulltone/OCD(オーバードライブ)
⑥ProCo/RAT(ディストーション)
⑦Fulltone/Fat-Boost(ブースター)
⑧ハンドメイド・ペダル(ブレンダー)
⑨Leqtique/9/9(ディストーション)
⑩BOSS/DC-3(コーラス)
⑪ZCAT/BIG reverb(リバーブ)
⑫ハンドメイド・ペダル(ホールド・スイッチ)
⑬BOSS/DD-5(ディレイ)
⑭strymon/blueSky(リバーブ)
⑮TC Electronic/taiLSpiN(ビブラート)
⑯Vital Audio/VA-08Mk2(パワーサプライ)
楽曲に合わせ様々な音色を生み出す、たかはしほのかのメイン・ボード。つい最近、ライブの都合上スイッチャーを導入したというこちらのシステムを解説していこう。
ギターからの信号はジャンクション・ボックス①に入ると、スイッチャー④までを番号順に通り、④のアウトからは⑩〜⑮がシリーズで接続され、①へと戻りアンプへと送られる。
基本的なサウンド・メイクは、②で整えたアンプのクリーン・サウンドの上に各ペダルのエフェクトを重ねていくスタイルだ。④の各ループの内訳は以下のとおり。
L1=⑤
L2=⑥
L3=⑦〜⑨
④のプログラムは歪みペダル&ブースターで構成されており、L1がクランチ、L2がディストーション、L3がソロ用のチャンネルになっている。
L3のループ内では、⑦が音量のブーストを担っており、特定の帯域を底上げする際に⑨を使用しているそうだ。⑨はブレンダー⑧のセンド/リターンに接続されており、⑨のブレンド量を⑧でコントロールしている。
空間系ペダル類は⑩から直列で接続されており、楽曲によって直接オン/オフを切り替えている。⑫はハンドメイドのモーメンタリー・スイッチで、⑪の残響音をホールドするために採用された。おもに楽曲間のつなぎで踏むことが多い。
⑬は音の輪郭をぼやかす際に使用。デジタル・ディレイだが、あえてかっちりとしたテンポには設定せずに、空間を彩るような役割で使っているのがポイントだ。ライブではおもに「惑星トラッシュ」でそのサウンドを聴ける。
⑭のリバーブはほぼシマー・モード専用機としてセッティングされており、たかはし曰く“気持ちよくてつい踏みすぎてしまう”とのこと。
最後段に位置する⑮は「1997」のイントロのビブラート・サウンドを再現するためにセッティングされているようだ。
LIVE INFORMATION
リーガルリリー 『cell,core 2022』
【スケジュール】
2022年11月09日(水)/名古屋ボトムライン w/羊文学
2022年11月15日(火)/大阪BIGCAT w/My Hair is Bad
2022年11月17日(木)/Zepp Haneda w/くるり
【チケット】
詳細はリーガルリリー公式HPまで
https://www.office-augusta.com/regallily/
作品データ
『恋と戦争』
リーガルリリー
キューンミュージック/配信/2022年8月10日リリース
―Track List―
01.ノーワー
02.明日戦争がおきるなら
03.地球でつかまえて
04.ジュテーム?
―Guitarist―
たかはしほのか