すべてを“自分色”に染めるアルバート・キング すべてを“自分色”に染めるアルバート・キング

すべてを“自分色”に染める
アルバート・キング

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。ライブの定番としても愛されたこの曲をレパートリーに入れていたギタリストは数知れず。アルバート・キングもそのひとり。今回紹介するのは、68年のライブ名演で、8分超にわたって“アルバート節”たっぷりのギターを聴かせます。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


アルバート節たっぷりの「ストマン」

演者はもちろん、聴き手が知っていてこそのスタンダード。当然、盛り上がりを狙ってライブでよく演奏されることに。なので、スタジオでは録音してないが、ライブ音源はたくさんある、ということも。

「ストーミー・マンデイ」に関して、その最右翼となるのがアルバート・キング。

最も古いのが、68年6月27日のフィルモア・ウェストでのライブ。有名な『Live Wire / Blues Power』用の録音だったが、同盤には含まれず。のちに2日間に渡ったフィルモアでの録音から未発表だった曲をそれぞれまとめたうちの1枚、『Thursday Night in San Francisco』(Stax)に収録された。

長髪の小僧たちを相手に、これがブルースだとばかりくり出すが、Tボーンもボビー・ブランドも関係なく、豪快なスクィーズで決める、完全なアルバート節。

その他、73年のモントルー・ジャズ祭(『Blues At Sunrise』/Stax)、75年の同フェス(『Live』/Utopia)や、後に発掘された72年ハリウッド、78年シカゴでの録音も。場所や時代に関係なく、どれもアルバートそのもの。そして、奇しくもアルバートのラスト・レコーディングとなったのが、1990年にロンドンでゲイリー・ムーアと共演した同曲(ミニCD『Cold Day In Hell』収録)。負けん気の強さを爆発させていた。

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