『FEMALE』
清 竜人
最新型のネオソウルをリードする菰口雄矢の超絶ギター
アルバムごとに作風が変化する清 竜人。前作『REIWA』ではミッキー吉野や井上鑑といった名プロデューサー陣を迎え、歌謡曲をテーマにした名作を作り上げたが、今作では最新型のネオソウルを披露。ギタリストには菰口雄矢が参加しており、キレッキレの超絶ギターを弾いている。
Kroiの内田怜央がラップで参加した③では、言葉と言葉の合間を縫うように挟まれる一筆書きのようなオブリに耳を奪われるが、ワウを使った強烈なソロも炸裂し、一気に世界観に引き込まれる。しかも常にレスリーのようなエフェクトがかかっており、そのサウンドは超モダン。それがまた清 竜人の甘い歌声にマッチして最高にカッコ良いのだ。
個人的には⑤のイントロで鳴り響く壮大なフレーズにノックアウトされた。おそらくピッチ・シフターやリバーブなどを駆使して作り上げたであろう、ストリングスの塊のような音の壁。
とにかく聴きどころが満載の超ギター・アルバムなので、全ギタリストに聴いてほしい。
(小林弘昂)
【参加クレジット】
菰口雄矢(g)、清 竜人(vo, etc)、岩永真奈/ハマ・オカモト/森光奏太(b)、柏倉隆史/川口千里/平 陸(d)、大谷 愛/半田彬倫/宮川 純(k, p)、etc
【曲目】
①フェアウェル・キス
②コンサートホール
③If I stay out of life…?(feat. Leo Uchida from Kroi)
④Love is over…(feat.さらさ)
⑤愛が目の前に現れても僕はきっと気付かず通り過ぎてしまう
⑥Knockdown
⑦nothing…
⑧離れられない
⑨Someday
⑩いない
ギター・マガジン2023年2月号
特集:THE LAST ROCKSTARS
2023年1月13日(金)発売