『スリー』
ザ・ワイナリー・ドッグス
グルーヴィかつテクニカルな演奏が魅力 パワー・トリオによる待望の3作目が登場
リッチー・コッツェン、ビリー・シーン、マイク・ポートノイによるスーパー・グループの7年ぶりとなる3rdアルバム。
リッチーのアイディアをもとにスタジオでのジャム・セッションを通じて完成させたという楽曲は、クリームやジミ・ヘンドリックス、フランク・マリノがやっていたようなパワー・トリオ・スタイルの音楽をベースにしながら、ファンク・グルーヴや変拍子を交えたスタイルを特徴とする。
スピーディな曲からスローなナンバーまで、3人の一体感のある演奏は実にエキサイティングで、リッチーとビリーのテクニカルなユニゾン・プレイなど、メンバーの演奏技術の高さに改めて驚かされる。
曲調やリッチーの歌にブラック・ミュージックのエッセンスがあるのも魅力となっているが、近年はピックを使わずに全編指弾きで弾いているリッチーの繊細なタッチからくり出されるスリリングなギター・ソロや、静と動を巧みに織り交ぜたセンス溢れるリズム・ギターも注目だ。
(Jun Kawai)
【参加クレジット】
リッチー・コッツェン(g, vo)、ビリー・シーン(b)、マイク・ポートノイ(d)
【曲目】
①ザナドゥ
②マッド・ワールド
③ブレイクスルー
④ライズ
⑤スターズ
⑥ザ・ヴェンジェンス
⑦ファラオ
⑧ガスライト
⑨ローレライ
⑩ザ・レッド・ワイン
ギター・マガジン2023年3月号
『現代ジャズ・ギター入門』
2023年2月13日(月)発売