メル・ブラウンの必聴名盤を5作品紹介! ブルース、ソウル、ジャズ、ファンクが独自のバランス感覚でミックスされた彼のプレイ、たっぷりとご堪能あれ!
文・選盤=久保木靖
Mel Brown
『Chicken Fat』
T-ボーン・ウォーカーのセッションへの参加直後に制作されたデビュー・アルバム。直球のファンキー・ブルースが目白押しで、タイトル曲や「Shanty」での“これでもか!”というほどのペンタ弾きまくりには開いた口が塞がらない。12弦ギターを弾くハーブ・エリスの参加はやや疑問。
Mel Brown
『The Wizard』
ボビー・ジェントリーの「Ode To Billie Joe」で幕を開ける2nd作。前作同様、エッジの立ったブルース・リックがとにかくアグレッシブだが、全体としては、ホーンが加わり、よりスマートなジャズファンクへ。ソウルフルなオリジナル「W-2 Withholding」は新たな魅力だ。
Mel Brown
『Blues For We』
冒頭でボーカルを披露し、ビートルズやダスティ・スプリングフィールドの曲を取り上げるなど、ポップスを意識した3rd作。ダブル・ストップや6度音程フレーズを組み込んだメロディ・プレイには、デヴィッド・T.ウォーカーらインスト・ソウル名手の影が見え隠れする。
Mel Brown
『I’d Rather Suck My Thumb』
4th作。ワウ・ギターとファズ・ギターを会話させたようなタイトル曲、終盤にジミヘンのごときプレイが湧き上がるトリッピーな「Eighteen Pounds〜」などロックに接近。「Do Your Thing」(アイズレーの「It’s Your Thing」?)でのダンサブルなプレイにも釘付けだ。
Mel Brown
『Big Foot Country Girl』
自らアコギを持ち出したり、伝説的なブルースマンである父親が参加したりと、自身のルーツを見つめ直した6th作(1970年代最後のオリジナル・アルバム)。そんな中、「Need Love」での怒りに満ちたファズ・ギターや、「Stinging Bea」でのメロウなプレイも際立つ!
ギター・マガジン2017年3月号
『進撃のジャズファンク』
ジャズファンクに興味のある方は、ぜひギター・マガジン2017年3月号も電子版などでチェックを! 本特集の始まりである『進撃のジャズファンク』では、グラント・グリーン、メルヴィン・スパークス、ブーガルー・ジョー・ジョーンズ、オドネル・リーヴィー、ジョージ・ベンソンなど、ジャズファンクの名手を紹介しています。