文:中島康晴(ギター・マガジン編集部)
4位の発表です。
【4位 – 表紙登場回数:13回】
布袋寅泰
4位は布袋寅泰でした。10位以内にランクインした日本のギタリストとしては4人目となります。
布袋寅泰
布袋氏の表紙初登場は1987年5月号。鮎川誠氏、Char氏とともにギター・マガジン通巻100号記念号を飾ってくれました。時期はBOØWYの5thアルバム『BEAT EMOTION』(1986年11月リリース)から「ONLY YOU」がシングルカットされた直後です。
次の1987年10月号は布袋氏単独の表紙となりました。この号ではBOØWYの6thアルバム『PSYCHOPATH』についてインタビューしています。
ここから先の号の表紙は、布袋氏の目から上のアップを使った1988年11月号(記事はソロ・アルバム『GUITARHYTHM』について)、布袋氏と吉川晃司氏の顔を撮影したポラロイド写真をフェルナンデスMV-480HTの弦に挟んだ1989年6月号(『COMPLEX』)、顔がライトの影に入ってしまった写真を採用した1990年5月号(『ROMANTIC 1990』)、ギターを持たず静かに佇む布袋氏のポートレイトを使った1991年10月号(『GUITARHYTHM II』)、と続きました。表紙についてこうした挑戦ができたのも、布袋氏の圧倒的な存在感があってこそです。
初登場の1987年5月号を少し振り返りますが、この号には鮎川、Char、布袋の3人による鼎談を掲載しました。先輩ふたりを前にして布袋氏の発言は控えめだったのですが、インタビュアーの「これからどんなギタリストになりたいですか?」という質問に対して、氏は「俺も今後は自分のスタイルみたいなものを極めたいなっていう……最終的に“これが俺のギターだ”って言えるようになりたい。見て聴いて“ああ布袋だ”って言われるような、すぐわかるギタリストでありたいですね。」と答えてくれました。この布袋氏の発言に間髪入れず「もうハッキリしてるけどね(笑)。」と返したのはChar氏です。
またこの鮎川+Char+布袋の3ショット写真は、JR山手線の渋谷駅と恵比寿駅のほぼ中間地点にある「四反道跨線人道橋」という名の歩道橋で撮影したものです。非常に古い歩道橋で風情もあるため、昔からドラマやMVのロケ地としてよく使われてきたそうです。1987年のある春の日、日本ロック・ギター界の至宝たる3人がこの場所にいました。渋谷区の発表によると老朽化のため架け替えを予定しているそうなので、聖地巡礼をしたい方はおはやめに(……蛇足ですね)。
2011年9月号の表紙は、左から今井寿、MIYAVI、布袋、永井聖一の4氏です。布袋氏の活動30周年を祝した『ALLTIME SUPER GUEST』での新録版「GUITARHYTHM」において、この4人が熱いセッションをくり広げました。布袋氏が後輩だった1987年5月号と、先輩になった2011年9月号の表紙を見比べると、時代がひとめぐりした感があります。