Shinjiのギター・サウンドを支える、最新の使用ギター+エフェクター+アンプをご紹介! インタビューの際には“ここ数年エフェクター熱が凄い”と語っており、現在のサウンド・システムに入っている機材は“徹底的に弾きまくり、厳選に厳選を重ね採用した”ラインナップになっているそうだ。その全貌を解説していこう。
取材/文=伊藤雅景 写真=星野俊
Guitars
Xotic/XSC-2
“Shinji好み”に仕立て上げたSTタイプ
ライブ&レコーディングでメインで使用するエキゾチックのSTタイプ。ローステッドメイプル・ネックや極薄のラッカー・フィニッシュ、ロウ・ヴィンテージ製のピックアップを採用しているモデルだ。Shinjiはレギュラーや半音下げなど、チューニングを変えるタイミングが多いため、弦の張力が変わっても弾き心地が変化しない“絶妙”なセッティングにしているという。。ちなみに、ボディの塗装が剥がれて下地が剥き出しになっている部分は、Shinji自身で施したエイジド加工だそうだ。
Fender/Made in Japan Heritage 60s Jazzmaster
琴線に触れた日本製ジャズマスター
2022年製のフェンダー・ジャズマスター。Shinjiが“見た目に惚れて買った”という1本だ。fuzzy knotではメイン器の1つとして使用しているが、今回のシドのツアーではライブでの使用曲を研究中で今後も使用していく予定とのこと。改造点として、共振止め用のスポンジ、ムスタング用のブリッジ・サドルを採用している点が挙げられる。Shinjiはフロントとセンター・ピックアップの音色がお気に入りと語っていた。
Sound System
ここからはShinjiのサウンド・システムをご紹介。ギターの信号は、ワイヤレス・システム→ペダルボード→アンプへと流れる。まずは、ワイヤレス・システム周辺の機材から見ていこう。
ギターからの信号は、最初に①Shure/AXT400(ワイヤレス・システム)へと送られる。②はFREE THE TONE製のインプット・セレクターで、ギターの持ち替え時に入力ジャックを切り替えるためのものだ。①のアウトプットから、以下ペダルボードのジャンクション・ボックス③へと向かう。
【Pedal List】
③FREE THE TONE/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
④FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
⑤FREE THE TONE/EFS-3(EXスイッチ)
⑥FREE THE TONE/CC-1B(ブースター)
⑦FREE THE TONE/SG-1C(コンプレッサー)
⑧Vemuram/Jan Ray(オーバードライブ)
⑨FRIEDMAN/BE-OD(ディストーション)
⑩Anarchy Audio/BaaBzz(ファズ)
⑪Line 6/HX EFFECTS(マルチ・エフェクター)
⑫FREE THE TONE/FT-2Y(ディレイ)
⑬FREE THE TONE/Custom Junction Box
⑭FREE THE TONE/MB-3(MIDIスルー・ボックス)
⑮Yamaha/YMM2(MIDIマージ・ボックス)
⑯FREE THE TONE/PT-1D(パワー・サプライ)
こちらがメインのペダルボードで、ステージ裏でテックが操作する。このシステムがサウンド・メイクの中核を担っている。
もう1枚、Shinjiの足下に置かれているペダルボードもあるが、そちらの役割は後述する。
ボード内の信号順はジャンクション・ボックス③→プログラマブル・スイッチャー④→ディレイ⑫→ジャンクション・ボックス⑬の流れ。⑬からはアンプのインプットへ向かう。
プログラマブル・スイッチャー④(+拡張スイッチ⑤)では⑥〜⑪と、後述するShinjiの足下にある⑱〜⑲を管理。プリセット数が膨大なため、今回は特に使用頻度の高いペダルの組み合わせを聞かせてもらった。そのラインナップは以下の表をご覧いただきたい。
クリーン | ⑥+⑦ |
クランチ | ⑧ |
ディストーション | ⑨ |
ファズ | ⑩ |
ギター・ソロ | ⑪+⑫ |
クランチとディストーションは⑧&⑨を使い分けている。クリーン・サウンドにはコンプレッサー⑥とブースター⑦が常にかけっぱなしの状態だ。
ギター・ソロではマルチ・エフェクター⑪とディレイ⑫を使用。ソロのサウンド・メイクは、⑪に内蔵されているモデリング(L6 Drive+3 Band EQ+Reverb)と、⑫のディレイ・サウンドを組み合わせている。テックは“L6 Driveが凄く良かった。3 Band EQで全帯域を持ち上げているのもポイント”と語ってくれた。
なお音色ごとのボリューム・ブーストは、プログラマブル・スイッチャー④に搭載されているブースト機能を使用しているため、エフェクターごとの音量は均一だ。
そして、前述のとおり④のループにはShinjiの足下にあるペダルもつながれている。その内容を見ていこう。
【Pedal List】
⑰FREE THE TONE/Custom Junction Box
⑱RMC/RMC-5(ワウ・ペダル)
⑲DigiTech/Whammy 4(ピッチ・シフター)
⑳FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
㉑Sonic Research/ST-300(チューナー)
㉒FREE THE TONE/PT-1D(パワー・サプライ)
こちらがShinjiの足下に置かれているペダルボード。テック側ボードのジャンクション・ボックス⑬と本ボードの⑰でリンクされている。
⑱〜⑲は④のループに接続され、プログラマブル・スイッチャー⑳のMIDI信号も④へと送られている。
ただ、⑳の使用頻度は少ないそうで、ライブで突発的に音色を変えたい時や、“気分で踏む”ことがあるくらいだという。
後述のClassic Reverb Signatureの上にはFREE THE TONE製のPA-1QG(イコライザー)が置かれていた。こちらはアンプのセンド/リターンにつながれており、プリセットはプログラマブル・スイッチャー④で管理されている。ヘッド・アンプ通過後のサウンドを整えるために接続されているとのこと。
Amplifier
Two-Rock/Classic Reverb Signature & 2×12 Speaker Cabinet
Shinjiが生み出すサウンドの土台を担う新機軸
Shinjiがシドとfuzzy knotの両方で使用するメイン・アンプ。以前は、ディストーションとクリーンのアンプを使い分ける2台体制のシステムだったが、2023年現在はこのTwo-Rock1台だ。本機のサウンドにペダルで歪み感をプラスしていくのが基本のスタイル。Shinji曰く“とにかくクリーン・サウンドが素晴らしい”とのこと。
Setting
【コントロール・ノブ】
FET GAIN=12時後半
TREBLE=11時
MIDDLE=11時
BASS=10時
GAIN=11時
MASTER=9時前
SEND=7時
RETURN=17時
CONTOUR=14時
【トグル・スイッチ】
FET=↑
BRIGHT=↑
MID=↓
DEEP=↓
EQ=↓
GAIN STRUCTURE=センター
BYPASS=↓
LIVE INFORMATION
■SID 20th Anniversary Premium FANMEETING TOUR 2023
2023年7月23日(日)/Zepp DiverCity TOKYO
2023年7月30日(日)/Zepp Nagoya
2023年8月12日(土)/Zepp Fukuoka
2023年8月13日(日)/Zepp Osaka Bayside
2023年8月26日(土)/Zepp Haneda(TOKYO)
2023年9月2日(土)/SENDAI GIGS
2023年9月18日(月)/Zepp Sapporo
■SID 20th Anniversary GRAND FINAL 「いちばん好きな場所」
2023年12月27日(水)/日本武道館
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