これまでにもギブソンL-5を使用してきたエリック・クラプトンだが、2023年4月の来日ステージの袖には、1953年製の貴重なL-5CESNが用意されていた。ウィントン・マルサリスとの共演ライブ、『Play the Blues:Live from Jazz at Lincoln Center』でも使用された1本だ。
取材・文=菊池真平 撮影=星野俊 協力=ダン・ディアンリー(https://www.dandguitars.com/)、前むつみ
1953 Gibson
L-5CESN
激レアな極上のビンテージL-5
ジャズ・ギタリスト憧れのモデルとも言える、ギブソンの最高級フル・アコースティック・ギターの1つ“L-5”。これまでエリック・クラプトンは、何本かのL-5を手にし、来日公演でも使っている。それもナチュラル・ブロンド・フィニッシュがお気に入りのようだ。
例えば、2000年代前半に「Over The Rainbow」を演奏する際、おそらくは1956年製と言われる “L-5CESN”を使っていた。またスクリプト・ロゴがヘッドに輝く、1948年製の“L-5 Premier”にP-90ピックアップを2つマウントしたギターも知られている。
今回の来日公演でも、非常にレアなナチュラル・ブロンドの“L-5CESN”が用意されていたが、残念ながら使われることはなかった。
なんと1953年製で、ピックアップはフロントのみという仕様。おそらくオーダー・モデルと思われる。ちなみに同年の出荷記録を調べると、ナチュラルはわずか18本のみ。そのうちの1本だろうか。
このギターについてテックを務めるダン・ディアンリーは、
「エリックはこのギターを、2009年にロンドンのニュー・キングス・ロードにある“Guitar Emporium(訳注:ビンテージ・ギター・ショップ)”で購入しました。ウィントン・マルサリスのライブで使われたものです。時々彼はこのギターをマーティンの代わりとして使うことがあります」
と教えてくれた。ぜひどこかでその音を聴いてみたい。
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DanD Guitars公式HP
https://www.dandguitars.com/
エリック・クラプトンのギター・テックを務めるダン・ディアンリーは、ギター・ルシアーとしても活躍している。彼が手掛けるダンDギターズ(DanD Guitars)の12弦モデルは、クラプトンもライブ作品『Lady In The Balcony: Lockdown Sessions』で使用した。