NEEの5thツアー“JOKE”のファイナル公演が2023年5月20日(土)に東京のEX THEATER ROPPONGIで開催された。今回はバンドのギター・ボーカル=くぅがライブで使用したギター、アンプ、ペダルボードをご紹介しよう。クリーン・サウンドにセッティングしたアンプに、ペダルでエフェクトをプラスしていくのが彼の基本スタイルだ。
取材=伊藤雅景 撮影=星野俊
くぅの使用ギター
Novo Guitars/Serus T
メジャー・デビュー前に入手した現在のメイン・ギター
ファーノ・ギターズのデニス・ファーノが手掛ける、ノヴォ・ギターズ。そのフラッグシップ・ラインである“Serus”に裏通しのテレ・スタイル・ブリッジを搭載したSerus Tが、くぅのメイン・ギターだ。購入したのは2021年2月。フロントに搭載されたリンディ・フレーリンのP-45ピックアップは“力強くて、単音カッティングに凄く合う”とのこと。演奏時にはフロントかセンター・ポジションを使い分けている。
比較的大きめのボディながら、パイン材のため軽量。しかし、“ヘッド落ち”に悩まされているようで、大きなヘッド形状のリシェイプを検討しているそうだ。
チューニングはレギュラーで、使用弦はSITのPOWER WOUND Nickel S1046 LIGHT(1弦から10、13、17、26、46)で、以下のギターも同様。
RS Guitarworks/Barnburner Custom Model
ハードな楽曲にマッチする新たな戦力
テックが所有していたRSギターワークスのBarnburnerシリーズのモデル。2022年夏頃に“似合いそう”と勧められて使い始め、のちに買い取ったそう。ボディに浮かぶスワンプ・アッシュの杢目、メイプル・ネックのレリックが目を引く1本だ。
本器は「TAX!!!」や「aLaLe」、「九鬼」などのハードな楽曲で起用。これまではリア・ピックアップを使うことが多かったが、最近はミックス・ポジションを選ぶことが増えている。
また、おそらくオーダー品ということで詳細は不明だが、ほぼ同仕様のものが“Barnburner Sr”としてRSギターワークスのSNSに投稿されていた(そちらは1ボリューム仕様で、トーンの位置に3ウェイ・トグル・スイッチが付けられていた)。それを参考にすると、本器のピックアップはリアがリンディ・フレーリンのRS/PAF、フロントがRSギターワークスのビルダー=ロイ・ボーウェンが開発した“Wide-90”と呼ばれるP-90タイプと思われる。
くぅの使用アンプ
Fender/’68 Custom Twin Reverb
本当は自身で所有しておきたいTwin Reverb
“JOKE”ツアー・ファイナルで使用した、レンタルのフェンダー’68 Custom Twin Reverb。自身での購入も考えていたが、“機材車に余裕がなくて”諦めたそうだ。パキパキしたサウンドの傾向がお気に入り。入力はビブラート1チャンネルで、ツマミは以下のとおりだ。
くぅのペダルボード
【Pedal List】
①AKIMA&NEOS/Line Selector(インプット・セレクター)
②Free The Tone/JB-21(ジャンクション・ボックス)
③Xotic/XW-1(ワウ・ペダル)
④YUKI/Zero One Compressor(コンプレッサー)
⑤Free The Tone/ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
⑥ZVEX/Vexter Fuzz Factory(ファズ)
⑦Tech21/SA-1 SansAmp Classic(プリアンプ)
⑧Xotic/AC Booster(ブースター)
⑨Vemram/Jan Ray(オーバードライブ)
⑩HUMAN GEAR/FINE OD(オーバードライブ)
⑪strymon/Mobius(マルチ・モジュレーション)
⑫BOSS/DD-7(デジタル・ディレイ)
⑬BOSS/TU-3(チューナー)
⑭Route-R/RI-FP1MG(USBフット・スイッチ)
多彩な歪みの使い分け
くぅのライブ用ペダルボード。ギターの持ち替えをスムーズにするために、2インプットを持つセレクター①に、まずは入力される。
その後、信号はジャンクション・ボックス②からワウ③、コンプレッサー④へと進み、スイッチャー⑤のセパレート・ループにインプット、そのアウトプットから同じく⑤のHTSインに戻る。⑥〜⑩は⑤のループにつながれ、⑤のアウトからは⑪〜⑫と続き、②に戻ってアンプへと送られている。
スイッチャー⑤で管理されている歪みペダルの信号経路は、すべてオンになると⑥〜⑩の番号順となる。また⑤はプログラム・モードで使用されており、各スイッチと機能するペダルの対応は以下のとおりだ。
スイッチ番号 | プログラムされているペダル |
---|---|
PS1 | ⑦(ループ1) |
PS2 | ⑦+⑨(ループ3) |
PS3 | ⑦+⑧(ループ2)+⑨ |
PS4 | ⑦+⑩(ループ4) |
PS5 | ⑥(セパレート・ループ5)+⑦ |
クリーン・トーンはPS1で、すべてで掛かる⑦のサウンド・キャラクターは“Clean Amp”を選択。これによって基本的な音の土台を作っている。
メインの歪みはPS2で、⑨Jan Rayが担う。そのほかPS3〜5を楽曲やパートによって踏み分けている。
モジュレーション⑪はコーラスとフィルターをプリセット、⑫は3200msモードのロング・ディレイに設定。
⑭のUSBフット・スイッチは同期音源の再生用で、夕日(g)の手元のあるPCと接続されている。
くぅの使用ピック
ボカロPとしての活動名である“村上蔵馬”が記された、マスター8ジャパンに特注したおにぎり型のピック。
NEE 6th TOUR「EXOTIC METTYA YANKEE」公演情報
- 9月9日(土)/新潟・GOLDENPIGS RED STAGE
- 9月16日(土)/北海道・PENNY LANE 24
- 9月18日(月)/宮城・darwin
- 9月21日(木)/京都・KYOTO MUSE
- 9月23日(土)/福岡・DRUM LOGOS
- 10月7日(土)/名古屋・DIAMONDHALL
- 10月21日(土)/大阪・なんばHatch
- 10月29日(日)/東京・豊洲PIT
※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細は公式HPをチェック!
作品データ
『贅沢』
NEE
Getting Better/VICL-65807/2020年4月26日リリース
―Track List―
- 破棄
- 生命謳歌
- TAX!!!
- おもちゃ帝国
- なんで
- 本日の正体
- 病の魔法
- ハッタリ
- 月曜日の歌
- 緊急生放送
- 年頃です。
- DINDON
- バケモノの話
- ごめんなさい
―Guitarists―
夕日、くぅ