『O Monolith』
スクイッド
エレキ・ギターの危なっかしい魅力が恐いほど詰まった英国ロックの最新形
イギリスのブライトンで2015年に結成された5人組、待望の2ndアルバム。
プロデュースはブラック・ミディなどを手がけるダン・キャリー、ミックスはトータスのジョン・マッケンタイアという強力布陣で生まれた作品だが、こんなにヒリついた危なっかしいロック・サウンドが昨今あっただろうか?
殺気みなぎるやかましいファズ・サウンド、カオティックに絡む2本のギター・ワーク、空虚でスカスカなクリーン・アルペジオなど、快適でチルな世界観は一切なし。
エレキ・ギターが生み出すダークなカタルシスが、現代のヴィヴィッドな質感を伴って耳に飛び込んでくる。全体の作風を言葉にすると、80年前後のポスト・パンク的な世界観に、SFっぽい広がりや前衛クワイア(!)などを取り入れた感じだが、シンプルにこう評したい。
ギターが超カッコ良くて、ヤバい雰囲気が漂う、これぞ誇り高き英国ロックの最新形である、と。
(山本諒)
【参加クレジット】
ルイス・ボアレス/アントン・ピアソン(g, vo)、アーサー・レッドベター (k, perc, vln)、ローリー・ナンカイヴェル(b, sax)、オリー・ジャッジ(d, vo)
【曲目】
①Intro(ボーナス・トラック)
②Swing (In A Dream)
③Devil’s Den
④Siphon Song
⑤Undergrowth
⑥The Blades
⑦After The Flash
⑧Green Light
⑨If You Had Seen The Bull’s Swimming Attempts You Would Have Stayed Away
ギター・マガジン2023年8月号
『特集:ぼっち・ざ・ろっく!』
2023年7月13日(木)発売