『Columbo』
ブルーノ・メジャー
映画的な情景を想起させるノスタルジックな音像
クラシック音楽とジャズの両方を自身のルーツに持ちつつ、ロンドン出身ながらフォークやカントリーといった伝統的アメリカーナからの影響も大きいというブルーノ。そのサウンドは現代的に洗練されながらも、まるで古いフィルム映画のように色褪せた質感も伴っていて、ノスタルジックな感情を想起させてくれる。
ほとんどのパートを自ら演奏するマルチ・プレイヤーであり、ギターに関してはアコギのシンプルなコード・ストロークを中心に、エレキは楽曲が必要とする箇所のみに入れるスタイル。
しかしながら、本人が語るところによると過去には速弾きに入れ込んだ時期があったり、ジム・ホールを敬愛していたりとギター・キッズ的な一面も持っていて、今作でもギター・ソロなどでその片鱗を披露。
特に④⑫でのフレージングやいわゆる“ギター・オーケストレーション”は、同国イギリスを代表するギタリスト、ブライアン・メイからの影響によるものだろう。
(田中雄大)
【参加クレジット】
ブルーノ・メジャー(vo, g, k, etc.)、他
【曲目】
①The Show Must Go On
②Tell Her
③Columbo
④We Were Never Really Friends
⑤When Can We Be
⑥A Strange Kind Of Beautiful
⑦You Take the High Road
⑧18
⑨Tears in Rain(for Granny)
⑩St Mary’s Terrace
⑪Trajectories
⑫The End
⑬Trajectories(Piano version)
⑭A Strange Kind Of Beautiful(Piano version)
ギター・マガジン2023年8月号
『特集:ぼっち・ざ・ろっく!』
2023年7月13日(木)発売