KEYTALKのボーカル・ギター、寺中友将(vo,g)の最新使用機材をリハーサル現場で撮影。近年のライブで頻繁に登場する赤いテレキャスターや、ナチュラルな杢目が印象的なジャズマスターに加え、アコギ、ペダルボード、アンプも紹介しよう。
取材/文=伊藤雅景 写真=小原啓樹
寺中友将の使用ギター
Fender/American Vintage 1952 Telecaster
ペンキ塗料でリフィニッシュされたテレ
2018年頃に入手した本器が寺中のメイン・ギター。1952年製テレキャスターの仕様を忠実に再現したリイシュー・モデルだが、この鮮烈な赤いカラーリングは、寺中の知人がペンキで塗ったものだそう。寺中曰く“インパクトを求めて塗った”とのこと。そのほかに改造点はなし。
ローの押し出し感が強い音色が特徴で、ハイの成分がほどよく削れた優しいサウンドがお気に入り。ボリュームとトーンは常にマックスで使用。チューニングはレギュラーで、使用弦はダダリオのRegular Light(.010-.046)。
Fender/Made in Japan Hybrid II Jazzmaster
2021年に入手した、ジャキっとした音色のジャズマスター
アルバム『DANCEJILLION』のレコーディングでは「狂騒パラノーマル」のバッキングで活躍した、フェンダーのMade in Japan Hybrid II Jazzmaster。ヘッド裏にフェンダーの創設75周年記念ロゴが印字されているため、2021年製の個体だろう。
“ジャキっとしつつ、テレキャスターよりパワー感が強いサウンドが特徴”と本人談。なお、ピックアップ・セレクターはセンター・ポジションに固定されている。ライブでも活躍しており、セットリストによっては本器がメインの時もある。改造点はなく、使用弦、チューニングは前述のテレキャスターと同様だ。
YAMAHA/LL36C ARE
シングル・カッタウェイ仕様のLLシリーズ
おもにバンド・セットのアコースティック・セクションや、寺中の弾き語りライブで活躍している2013年製のヤマハのアコギ、LL36C ARE。ライブでのプレイアビリティを重視し、弦高を低めにセッティングしているところがポイント。レコーディングでは、弦高を高めにした別のアコギを使用することが多いそうだ。ボディの鳴りがとても良く、低音から高音までバランス良く発音してくれるところがお気に入り。
寺中友将のペダルボード
ゲイン&ボリューム・コントロールに特化したペダルボード
【Pedal List】
①Vemuram/Jan Ray(オーバードライブ)
②知人作/オーバードライブ
③知人作/クリーン・ブースター
④BOSS/TU-3(チューナー)
⑤FREE THE TONE/PT-1D(パワー・サプライ)
寺中のエレキ・ギター用ペダルボードは、4台のペダルを直列に接続したシンプルな構成。
ギターからの信号は①〜④の番号順に通過し、アンプへ向かう。メインの歪みは①で、さらに歪ませる際は②を踏む。③は音量を上げるためのクリーン・ブースターだ。
なお、アコースティック・ギターは下写真のボードに接続される。
寺中のアコギ用のペダルボード。ギターの信号は①KORG/DT-10(チューナー)と②L.R.Baggs/Para Acoustic D.I.(プリアンプ/DI)を経由しPAシステムへと送られる。
寺中友将の使用アンプ
Fender/’59 Bassman LTD
フェンダーのギターと相性抜群なコンボ・アンプ
KEYTALKのメジャー・デビュー当初から使用している寺中のメイン・アンプ。10インチのスピーカーを4発搭載した、59年製Bassmanのリイシュー・モデルだ。本人曰く“音のスピードが速く、音が真っすぐ前に飛んでいく印象”だそう。寺中は本器をクリーン・サウンドにセッティングし、ペダルで歪みを作り出している。
セッティング
INPUT=NORMAL 1
VOL. NORMAL=3.8
TREBLE=7
BASS=7.9
MIDDLE=9
PRESENCE=5
作品データ
『DANCEJILLION』
KEYTALK
ユニバーサル/TYCT-60211/2023年8月30日リリース
―Track List―
- ハコワレサマー
- 狂騒パラノーマル
- Puzzle
- MAKUAKE
- 君とサマー
- ワッショイ!
- 夜の蝶
- Supernova
- 九天の花
- 未来の音
- MY LIFE
- shall we dance?
―Guitarists―
小野武正、寺中友将