ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。第25弾は、臨時記号をともなうコード進行のレパートリーを増やしていこう。
【シチュエーション25】
オリジナル曲のコード進行を
部分転調させてみた。
現場の風景
- コード進行をC△7-C△7-F△7にアレンジ。
- さらに2小節目のコードをC7に変更。
- この手法はどうやらセカンダリー・ドミナントと呼ぶらしい。
それはオリジナル曲を作っていた時のことだった。C-C-F〜と続いていくコード進行をお洒落な雰囲気にしたくなり、ダイアトニック・コードのルールに従って、C△7-C△7-F△7という具合に四和音に変えてみたのだ。すると、口ずさんでいたメロディが非常に歌いにくくなってしまった。原因究明のため、メロディを書き出してみることにする(Ex-1)。
“おや? F△7に向かう手前の部分で、メロディが「シ♭」の音を歌っているではないか!” C△7はドミソシからなるコード、どうりで合わないはずだ。そんなわけで、メロディが“シ♭”を歌っているのに合わせ、2小節目のコードをドミソとシ♭からなるC7に変えてみた(Ex-2)。するととてもなめらかなコード進行に聴こえたのだ。
理論に詳しい友人に電話し“なんでC△7のはずなのにC7が合うの?”と質問をぶつけてみた。ビデオのレンタル屋で店長をしているその友人は“それはね、セカンダリー・ドミナントって言うんだけど、要するにサブドミへ部分転調してるんだよ”。
難しい用語の数々に“店長が転調の話をしてるよ、ウフ”ぐらいの感想しか持てない自分がとても悲しかった……。
以上の話は、部分転調(一時的に他のキーに移ること)に関する知識があれば、そこまで難しいものではない。詳しくはYouTubeにて。
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
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著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |