『アンクル・ジョンズ・バンド』
ジョン・スコフィールド
ベーシストを変えた新たなトリオで多彩なカバー曲も盛り込んだ渾身の2枚組
スコフィールドのトリオと来ればベースはスティーヴ・スワロウだったが、今回はロバート・グラスパーのトリオなどでプレイし、スコフィールド作品では『コンボ 66』(2018年)で起用されたヴィセンテ・アーチャー。
彼はもともとジャズ・ギターでプロを目指しており、大学時代にベースに転向……つまりギターにも深い理解力を持つ。
今回はスコフィールドの曲に交じって、Disc 1①はボブ・ディラン、⑦はニール・ヤング、Disc 2⑤は『ウエスト・サイド物語』挿入歌など多彩なカバー曲も。
Disc 1⑤はマイルス・デイヴィスのナンバーで、速い4ビートに乗ったギター・ソロはスリリング極まりない。
個人的にはスタンダードのDisc 2②での深い表現力にぐっと来た。加えて、ドミナントG7でD♭トライアドを弾いたり、エンディングのC△7では、C音と♯11thのF♯音と♯5thのG♯音を鳴らしたりと、今回もハッとさせられる音使いが多発で必聴だ!
(石沢功治)
【参加クレジット】
ジョン・スコフィールド(g)、ヴィセンテ・アーチャー(b)、ビル・スチュワート(d)
【曲目】
[Disc 1]
①ミスター・タンブリン・マン
②ハウ・ディープ
③TVバンド
④バック・イン・タイム
⑤ブド
⑥ナッシング・イズ・フォーエヴァー
⑦オールド・マン
[Disc 2]
①ザ・ガールフレンド・コード
②星へのきざはし
③モ・グリーン
④マスク
⑤サムホエア
⑥レイズ・アイディア
⑦アンクル・ジョンズ・バンド