QUBITのギタリスト、永井聖一が使用するギター、ペダルボードをご紹介! 今回撮影した機材は、2023年12月に開催された“QUBIT SHOWCASE #00”のリハーサル時の状態のもの。ライブでも登場した2本のスタインバーガーや、永井サウンドのコアでもあるQuad Cortexの使用モデリングなど、詳しく解説していこう。
取材/文=伊藤雅景 写真=星野俊
Guitars
Steinberger/GM-4S
QUBITのギター・サウンドを生み出したメイン器
「G.A.D.」の制作前(2023年4月頃)に入手したスタインバーガーのGM-4S。ライブと新作『9BIT』のレコーディングで、メイン・ギターとして活躍したギターだ。永井曰く“凄くストレートでクリアな音がする”とのこと。ピックアップは、「G.A.D.」や「Mr. Sonic」ではリア、「Wonder World」などのカッティングに徹する楽曲ではセンターをチョイス。チューニングはレギュラーだが、Quad Cortex(ギター・プロセッサー)のエフェクトで音程を変更することもある。
Steinberger/GP-2S
ラウドなサウンドを奏でるドロップ・チューニング用ギター
2023年9月頃に入手したというスタインバーガーのGP-2S。以前、同モデルを所有していたが売却してしまい、新たに買い直したそうだ。ライブでは半音下げ+ドロップC♯チューニングにセッティングしており、「Distance Dance」や「Beautiful Days」などのゲインが高い楽曲で登場。メイン・ギターのGM-4Sと比べて、サウンドに雑味が多く、スタインバーガーではない“オーソドックスなギターに近い音”とのこと。ピックアップはおもにリア・ポジションを使用。
Pedalboard
【Pedal List】
①Lehle/Mono Volume S(ボリューム・ペダル)
②Neural DSP/Quad Cortex(ギター・プロセッサー)
③MASF Pedals/RAPTIO(グリッチ・ペダル)
④Mission Engineering Inc/SP1-ND(エクスプレッション・ペダル)
⑤KORG/Pitchblack XS(チューナー)
⑥Voodoo Lab/Pedal Power X4(パワー・サプライ)
永井は②のギター・プロセッサーでほぼサウンド・メイクを完結させているため、ペダルボードは非常にシンプル。
ギターの信号は①のボリューム・ペダルと②を経由し、2本のXLRケーブルによってステレオでPA卓に送られている。
③のグリッチ・ペダルは②のSEND 1/RETURN 1に、④のエクスプレッション・ペダルは②のEXP 1にそれぞれ接続されている。⑤のチューナーは、①のダイレクト・アウトからの信号を受け取る。
②のQuad Cortexで使用しているおもなギター・アンプのモデリングは、Brit2203(マーシャル/JCM800のモデリング)、US TWN Vibrato(フェンダー/Twin Reverbのモデリング)の2種類。
Brit2203はギター・リフやコード・プレイで使用するオーバードライブ〜ディストーション・サウンド、US TWN Vibratoはアルペジオやカッティングなどのクリーン〜クランチを担う。詳細なセッティングは記事下部の表を参照してほしい。
また、どの音色でも軽いリバーブ(モデリング名:Spring)をかけている。永井曰く“シミュレータっぽさを薄めるため”だそう。
Quad Cortexで使用している、おもなアンプ・モデリングのセッティング
Brit2203(「G.A.D.」演奏用プリセット)
GAIN | 5 |
BASS | 5 |
MID | 4 |
TREBLE | 6 |
PRESENCE | 3.5 |
MASTER | 8 |
OUTPUT | -1.0 |
US TWN Vibrato(「Fast Life」演奏用プリセット)
VOLUME | 1.6 |
BASS | 5.0 |
MID | 4.0 |
TREBLE | 6.0 |
OUTPUT | 0.0 |
BRIGHT | OFF |
作品データ
『9BIT』
QUBIT
日本コロムビア/COCB-54362/2023年11月22日リリース
―Track List―
- Big Mouth
- G.A.D.
- Mr. Sonic
- Wonder World
- Distance Dance
- Fast Life (Album mix)
- Room Tour Complex
- Neon Diver
- Beautiful Days
―Guitarist―
永井聖一