2023年12月末、ジョン・メイヤーがブルーノート東京でソロ・ライブを開催。彼の足下にはエレキ用とアコギ用のペダルボードがそれぞれ1枚ずつセッティングされていたが、今回はエレキ用のボードを紹介しよう。
アコギ用のペダルボードは、ギター・マガジン2024年3月号でチェックを!
取材・文:田中雄大 機材写真:星野俊
※本記事はギター・マガジン2024年3月号に掲載された『ジョン・メイヤー来日ソロ公演の全機材 at ブルーノート東京(12月29日-12月31日)』から抜粋したものです。
John Mayer’s Pedalboard
接続順については配線がボードの下部を通されているために断定できず、一部推測となることをご容赦いただきたい。
まずはバッファー内蔵チューナーである①PolyTune 3にインプットされ、次に②Katana Boostへ。ジョンはいくつかのお気に入りペダルを長年使い続けており、本モデルもその中の1つである。ノブは“プル”の状態になっており、ツマミの目盛りは“4”の位置に油性ペンで印が付けられている。
その次は③~⑥の歪みセクションへと続く。
2台あるTS10(③⑥)は今やジョンのトレードマークとも言えるオーバードライブ。両方ともLEVELは“6”、TONEは“2”の目盛りにセッティングされており、DRIVEは③のほうが“7”、⑥のほうが“9”に設定。
ギター・テックによると、これは⑤Centaurで作る歪みに対してそれぞれ③が前段、⑥が後段でのブーストを目的としたセッティングとのことである。この3台を個別に、または同時にオンして組み合わせることで歪みの段階を作っているようだ。
そのCentaurもジョンのシグネチャー・サウンドを形成するペダルとして長年活躍する重要な1台。この個体はシルバー(絵なし)なのだが、“ステージ照明が反射して眩しいから黒く塗りつぶしたんだ”とテックが教えてくれた。
“BOX IT LATER”と書かれた④はアメリカ・ミズーリ州のペダル・ブランド、JHS Pedalsの製作によるもので、ダンブル製の“a box later”というペダルのクローン品。カタログ・モデルではないため特注品と考えられる。バッファーとクリーン・ブースターを搭載したループ・ボックスであり、インプットとアウトプットに加えてセンド/リターンの入出力端子が装備されているが、本機にどのペダルがループされているのかは不明。
歪みのあとは⑦ルーパーを経由して、⑧~⑩の空間系セクションへ。各ツマミの設定は写真のとおりであるため、ジョンのサウンドを目指す方はぜひ参考にしていただきたい。
最終的に⑩FLINTからステージ脇でギター・テックが操作するアンプ・セレクターを経由して、2台のアンプに信号が送られている。なおギターからボード、およびボードから先のシールド・ケーブルはAnalysis Plus製のGenesis Pureである。
ギター・マガジン2024年3月号
『特集:ブライアン・メイ(クイーン)』
本記事はギター・マガジン2024年3月号に掲載された『ジョン・メイヤー来日ソロ公演の全機材 at ブルーノート東京(12月29日-12月31日)』から抜粋したものです。
本誌では、エレキ・ギター2本、アコースティック・ギター12本、2台のアンプ、2組のペダルボード、ピックやカポ、ピアノにいたるまで、2023年12月のソロ公演でジョンが用意した“全機材”を紹介していますよ!