『TORCH』
ネクライトーキー
過激で骨太なガレージ・サウンドと理知的なアンサンブルが編み上げるポップス
大阪出身の5人組ロック・バンドの4作目。
歌唱力溢れるロリータ・ボイスと逆ギレ気味のネガティブな詞、軽快なメロディとガレージ・ロックばりの骨太なサウンドメイクのマッチングがフレッシュ極まりなく、バラエティ豊かなアレンジも懐の深さを感じさせる。しっかり噛み合ったリズム隊やユニークなシンセ使いなど、理知的なアンサンブルも魅力的だ。
ほぼすべての作曲を手掛ける朝日(g)はボカロPとしても活動。大胆なリズム・チェンジや転調を含んだ情報量の多い楽曲を、ポップで切れ味のあるギター・ロックへと落とし込むセンスは、ほかのボカロPを擁するバンドとは明らかに一線を画している。
全編にわたって弾きまくりなギターは発想力に富んでおり、①のサビ裏のメロディアスなフレーズや、⑥のダンサブルな単音リフ、⑩のラストで暴発するカオティックな歪みや、⑫の歌舞きまくりなロング・トーンなど、ギター・ヒーロー然とした主張の強いプレイが目白押し。
(山塚リキマル)
【曲目】
①ちょうぐにゃぐにゃ
②bloom
③浪漫てっくもんすたあ
④悪態なんかついちまうぜ
⑤新島工場探検隊
⑥ふざけてないぜ(Album Mix)
⑦幕間
⑧あべこべ
⑨わっしょいまっしょい
⑩ねぇ、今どんな気分?
⑪紫
⑫ランバダ・ワンダラン
⑬だから、
⑭石ころの気持ち