2024年2月11日(木)に渋谷CLUB QUATTROで開催されたyonigeのライブに潜入し、牛丸ありさ(vo,g)の機材を撮影してきた。まずは、新作『Empire』のレコーディングでも活躍した、バラエティ豊かな5本のギターから見ていこう。
取材/文:伊藤雅景 機材写真:大谷鼓太郎
Guitars
Fender/American Professional II Jazzmaster
レス・ポールに代わる牛丸のメイン・ギター
2020年頃に入手し、牛丸のトレードマークだったレス・ポールに代わり、新たなメイン器となったフェンダー・ジャズマスター。“どんな曲でも合うギター”だそうで、これからの活躍が楽しみな1本だ。ピックアップ・セレクターにはゴム・ブッシュがついており、センター・ポジションに固定されている。ボリューム/トーン・ノブははずされていて、常にマックス。使用弦はアーニー・ボールのHybrid Slinky(.009-.046)で、後述のギターも同様だ。
Gibson Custom/’57 Reissue Les Paul Standard
初代メイン・ギターの意志を継ぐ1本
図太い音が必要な曲で登場するのは、彼女が所有するギターの中で最も古い付き合いのレス・ポールだ。代表曲「アボカド」のMVでもゴールドトップのレス・ポールが登場しているが、その個体が盗難に遭ってしまったため、本器を入手したそう。リア・ピックアップはディマジオのSuper Distortionに交換されている。フロントは結線されておらず、ピックアップ・セレクターはどの位置でもリアが鳴る。
Gibson/Dave Mustaine Flying V EXP Rust In Peace
ライブでお披露目されたグリーンの怪物
2024年に入手した、牛丸のニュー・ギア。鮮烈なグリーンが印象的なこのギターは、メガデスのデイヴ・ムステインのシグネチャー・モデルだ。ハイエイタス・カイヨーテのネイ・パームが弾く姿に惹かれてフライングVを探していたところ、本器に出会い、見た目に惚れ購入したそうだ。レコーディングではまだ登場していないが、ライブでは「DRIVE」、「Exorcist」などのハイ・ゲインな楽曲で登場している。
Gibson Memphis/1963 ES-335TDC VOS Bigsby
優しい音色を奏でるセミアコ
ローディーが所有するギブソンのES-335。『HOUSE』(2020年)のレコーディング前後に、バンドに新たなギター・サウンドを取り入れるために借りたという。ピックアップ・セレクターはセンター・ポジションに固定しており、優しい音色が必要な楽曲で活躍中。新作『Empire』のレコーディングでは「神様と僕」で登場した。ちなみにビグスビーは不使用。
Gibson/Southern Jumbo
yonigeのアコースティック・サウンドを司る1本
牛丸が所有する唯一のアコースティック・ギター。「愛しあって」、「True Romance」では、本器によるパワフルなサウンドが聴ける。ピックアップ/プリ・アンプは、L.R.Baggs製のElement VTCを搭載。ちなみに、本人曰く“アコギはこれ以外を弾いたことがない”とのこと。
作品データ
『Empire』
yonige
配信&オフィシャルサイトでの通販限定/YONG-0001/2024年1月10日リリース
―Track List―
- Super Express
- 愛しあって
- walk walk
- DRIVE
- Club Night
- 神様と僕
- スクールカースト
- Exorcist
- seed(re-recordingver.)
- デウス・エクス・マキナ
- True Romance
- a familiar empire
―Guitarists―
牛丸ありさ、土器大洋