『30 Scratchy Backroad Blues』
DURAN
ルーツ・ミュージックへの深い愛情を感じるDURANによる最新ブルース・アルバム
前衛的でアグレッシブなエレキ・ギター・サウンドを詰め込んだ前作『Electric Man』(2023年)とは対照的に、ディープな戦前ブルースの世界を探求したDURANによる最新ブルース・アルバム。久々に骨のある音楽を聴いたというのが正直な印象だ。
エレキとアコギの比率は約半々。先月号の誌上直伝セミナーでもおわかりのとおり、確かな演奏技術の持ち主であることと共に、ルーツ・ミュージックへの深い愛情と豊富な知識も感じさせる。
中でも必聴トラックは、現在ニューオリンズを拠点に活躍するギタリスト、山岸潤史をゲストに迎えたロバート・ジョンソンのカバー「They’re Red Hot」だろう。ゲスト・ボーカルの歌がとてもグルーヴィで、中間部では山岸と熱いギター・バトルを展開。オリジナルの賑やかで楽しげな雰囲気はそのままに、より音楽的に発展させたような仕上がりになっている。
今まで以上に国内外でのアーティストとしての評価が高まりそうな予感だ。
(関口真一郎)
【曲目】
①Look Behind You
②Jojo’s Echo Blues
③They’re Red Hot
④Too Late, You Waste (Bluesy)
⑤Red House
⑥Mary Jane Blues
⑦17: The Bone Chilling
⑧Shades Of Night (Bluesy)
⑨Down the Dirt Road Blues
⑩Solitary Muddy Trails
⑪Zankon: Devil Talkin’ Blues
⑫Through My Hands