ザ・ウォーニングのダニエラ・ヴィラレアルが初来日公演で使用したライブ機材 ザ・ウォーニングのダニエラ・ヴィラレアルが初来日公演で使用したライブ機材

ザ・ウォーニングのダニエラ・ヴィラレアルが初来日公演で使用したライブ機材

これまでにフー・ファイターズやザ・キラーズなど錚々たるミュージシャンと共演し、世界中で大きな注目を集めるメキシコ出身の3ピース・ロック・バンド、ザ・ウォーニング。そんな彼女たちが新作『Keep Me Fed』のリリース直前に初来日を果たし、ジャパン・ツアーを行なった。本記事ではBAND-MAIDと共演した6月12日(水)のEX THEATER ROPPONGI公演で、ダニエラ・ヴィラレアル(vo,g)が使用した機材を紹介する。

取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊

Dany Villarreal’s Guitars

2020 Paul Reed Smith
Custom 24-08

2020 Paul Reed Smith/Custom 24-08(前面)
2020 Paul Reed Smith/Custom 24-08(背面)

レギュラー・チューニング用のメイン・ギター

ダニエラのメイン・ギターは、2020年に手に入れたという2020年製のCustom 24-08。Custom 24-08はTCIピックアップを搭載し、2基共にコイル・タップが可能になったモデルだ。本人曰く“このギターは優しいサウンドに合っている”と語る。ライブではリアのハムバッカーをメインに使用するが、スタジオではコイル・タップを活用することも。本器はレギュラー・チューニングに設定されていた。ダニエラは特に自身の名前が入ったトラスロッド・カバーがお気に入りだという。

“Dany“のネーム入りトラスロッド・カバー。
“Dany“のネーム入りトラスロッド・カバー。
2つのノブの間にあるのがコイル・タップ・スイッチで、ピックアップ・セレクターの横にあるのがポジション・マークを発光させるLED用スイッチ。
2つのノブの間にあるのがコイル・タップ・スイッチで、ピックアップ・セレクターの横にあるのがポジション・マークを発光させるLED用スイッチ。

2022 Paul Reed Smith
Custom 24 10Top

2022 Paul Reed Smith/Custom 24 10Top(前面)
2022 Paul Reed Smith/Custom 24 10Top(背面)

激しい楽曲にマッチするドロップD用ギター

2022年10月に導入したという本器は、ドロップDチューニング用の2022年製Custom 24。この日は「S!CK」、「MORE」、「Hell You Call A Dream」の3曲で使用された。サウンドの方向性はメインのCustom 24-08と同じだが、本器はより激しく歪んだ楽曲にマッチするとのこと。弦はどちらのギターもD’Addarioの.010〜.046を使用。また、ダニエラのPRSは2本共ミニ・スイッチが増設されており、スイッチをオンにするとポジション・マークが青く光る仕様になっている。

Dany Villarreal’s Pedalboard

ダニエラの足下。

すべての音作りはKemperで完結

【Pedal List】
①Kemper Profiling Amplifier / Profiler Stage(ギター・プロセッサー)
②Loop-Master Pedals / A/B Pedals(ABセレクター)
③Mission Engineering / EP1-KP GN For Kemper(エクスプレッション・ペダル)

ダニエラの足下。すべてのサウンドをKemper内で作成しており、MAIN OUTPUTからステレオ出力でPAに信号が送られている。

ギターからの接続順は、写真には写っていないがステージ袖に用意されていたワイヤレス・システムを経由し、ボードの下に設置されているジャンクション・ボックスにイン。そこからKemperにつながれている。

②A/B PedalsはKemperのMONITOR OUTから接続されている。②A/B PedalsのBアウトからボード下にセットされたワイヤレス・トランスミッターを経由し、ステージ上のモニター用ギター・アンプにイン。

これは推測だが、②A/B PedalsのAアウトからはボード下のジャンクション・ボックスにつながれていると思われる。つまりAアウトはワイヤレスに問題が起きた際、有線でモニター用アンプに接続するためのものではないだろうか。

③EP1-KP GNはKemper内のピッチ・シフターをワーミーのように操作していた。

Dany Villarreal’s Amplifiers

・Orange/Pedal Baby 100(上段)
・Mesa/Boogie/Dual Rectifier(中段)
・Mesa/Boogie/4×12 4FB(下段)

モニター用のアンプ類。

ステージ上に置かれたモニター用アンプ

ダニエラはKemperのサウンドをライン出力でPAに送り、スピーカーから出力している。そのため写真のアンプはステージ上でのモニター用で、マイキングはされていない。

KemperのMONITOR OUTからワイヤレスを経由して上段のPedal Baby 100にインプットし、Pedal Baby 100はMesa/Boogieのキャビネットにつながれている。中段のDual Rectifierは未接続。

作品データ

『Keep Me Fed
ザ・ウォーニング

ユニバーサル
653-4987(輸入盤)
2024年6月28日リリース

―Track List―

01.Six Feet Deep
02.S!CK
03.Apologize
04.Qué Más Quieres
05.MORE
06.Escapism
07.Satisfied
08.Burnout
09.Sharks
10.Hell You Call A Dream
11.Consume
12.Automatic Sun

―Guitarist―

ダニエラ・ヴィラレアル