フレディ・キングの必聴15曲! 名演を堪能するプレイリスト フレディ・キングの必聴15曲! 名演を堪能するプレイリスト

フレディ・キングの必聴15曲! 名演を堪能するプレイリスト

B.B.キングやアルバート・キングより一世代ほど若く、ロックが台頭してきた1960年代にシーンに登場してきたフレディ・キング。世代的なものか、テキサス出身ゆえの豪快さか、そのプレイにはブルースはおろか、ロックをも凌駕する勢いとパワーがあった。ここでは、スロー・ブルースにおけるタメと突っ込み、ドライブしながらゴリ押しのシーケンス・フレーズをくり出すインスト・ナンバー……それらを存分に堪能できる15曲をセレクトしてみた。泣きのチョーキングに涙するもよし、ダンサブル・チューンで踊るもよし!

文=久保木靖

ドライヴ感満載の“インスト”と絶唱の“スロー・ブルース”15選

【プレイリスト収録曲】
①「Guitar Boogie (Boogie Funk)」
②「T’ain’t Nobody’s Biz’Ness If I Do」
③「Farther On Up The Road」
④「Gambling Woman Blues」
⑤「It’s Too Bad Things Are So Tough」
⑥「Hide Away」
⑦「The Stumble」
⑧「Driving Sideways」
⑨「Hideaway」
⑩「What’d I Say」
⑪「Same Old Blues」
⑫「Going Down」
⑬「Ain’t No Sunshine」
⑭「Let The Good Times Roll(Come On)」
⑮「Have You Ever Loved A Woman」

まずはインスト①「Guitar Boogie (Boogie Funk)」(1972年)でフレディのドライブ・フィーリングを浴びてほしい。ライブでは途中にブレイクがあり、ギターだけの見せ場となっていた。

続く3曲は、フレディの死後にリリースされた追悼盤『1934-1976』(1977年)から。
名スロー・ブルース②「T’ain’t Nobody’s Biz’Ness If I Do」は冒頭のチョーキングのトーンのエグいこと! 壮絶なボーカルも相まり同曲のベスト・バージョンと言ってもいいほど。
③「Farther On Up The Road」④「Gambling Woman Blues」はエリック・クラプトンとのセッションで、前者のボーカルはクラプトンだ。両曲ともギターの掛け合い──バトルというのではなく、饒舌な2人が我先にと話しかけているようなやり取りが楽しい。

⑤「It’s Too Bad Things Are So Tough」はデビュー作『Freddy King Sings』(1961年)から。B. B.スタイルの気合いの入ったスクイーズ・プレイが聴けるが、注目はソロ序盤で2小節にわたってタメを利かせたチョーキングを連発する場面。

ここからはジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズの歴代ギタリストのカバーでも知られるインストが3曲続く。
⑥「Hide Away」(1961年)はクラプトン、⑦「The Stumble」(1961年)はピーター・グリーン、⑧「Driving Sideways」(1962年)はミック・テイラー……フレディのインスト曲を弾きこなすことはブリティッシュ・ブルース・シーンおいて1つの登竜門であった。

ファンキーにリメイクされた⑨「Hideaway」は『Freddie King Is A Blues Master』(1969年)から。レイ・チャールズの名曲を豪快なインストに仕立てた⑩「What’d I Say」は『My Feeling For Blues』(1970年)から。ともにご機嫌なベースはジェリー・ジェモットだ。

続くドン・ニックス作のバラード⑪「Same Old Blues」は、曲よし、歌よし、ギターよしの傑作トラック。ギター・ソロの最初の1フレーズで泣ける! ⑫「Going Down」も同じくドン・ニックス作で、第2期ジェフ・ベック・グループのカバーでも知られたこちらはもう説明不要だ。

カバー・センスの良さを示すのが、⑬「Ain’t No Sunshine」(ビル・ウィザース)と⑭「Let The Good Times Roll(Come On)」(アール・キング)。ギターは対称的で、前者はソウルフルに歌い上げ、後者はロック的手法で咆哮する。

最後はフレディの代名詞とでもいうべきスロー・ブルース⑮「Have You Ever Loved A Woman」で締めたい。ここでは1970年のフィルモアでのライブ・バージョンをセレクトした。11分超えの熱演で、前半6分近くまではち切れんばかりにギターを弾き倒している!