毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。バディ・ガイの感情の爆発をギターで表現する十八番フレーズ3選をご紹介!
文/譜例作成=久保木靖
◎Phrase 01 マイナー・ペンタによる渾身のラン奏法
![◎Phrase 01 マイナー・ペンタによる渾身のラン奏法](https://guitarmagazine.jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-blues-guitar-heroes-buddy-guy-phrase-001-1024x307.jpg)
![定番のマイナー・ペンタのポジション取り(図1)](https://guitarmagazine.jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-blues-guitar-heroes-buddy-guy-phrase-004-1024x804.jpg)
ソロのクライマックスで登場する技の1つがこのラン奏法だ。
譜例はジュニア・ウェルズとのライブで演奏される「Everyday I Have The Blues」(Key=C)を参考にしたもの。定番のマイナー・ペンタのポジション取り(図1)だが、かなりのアップ・テンポのため、各拍1音目(4拍目は3音目も)のチョーキング・スピードがとんでもなく速い。
ジミ・ヘンドリックスを始め、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジなど、ブルースをベースとしたロック・ギタリストがこぞって取り入れた奏法でもある。
◎Phrase 02 “搾り上げる”かのような連続チョーキング
![◎Phrase 02 “搾り上げる”かのような連続チョーキング](https://guitarmagazine.jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-blues-guitar-heroes-buddy-guy-phrase-002-1024x313.jpg)
![Dマイナー・ペンタの拡張ポジション](https://guitarmagazine.jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-blues-guitar-heroes-buddy-guy-phrase-005-1024x683.jpg)
この連続チョーキングもソロのクライマックスでお目見えする技だが、頻出するのはおもにスロー・ブルースにおいて。
「Stone Crazy」(Key=D)での一場面を模したこの譜例では、Dマイナー・ペンタの拡張ポジション(図2)にある1弦15フレットを執拗にチョーキングしており、まさに魂の叫びを表現しているかのようだ。
なお、実際の演奏は譜面のようにきっちりとした符割りではなく、タメと突っ込みを利かせたニュアンス豊かなものとなっている。
◎Phrase 03 1弦ペダル+♭5thを強調した複音フレーズ
![◎Phrase 03 1弦ペダル+♭5thを強調した複音フレーズ](https://guitarmagazine.jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-blues-guitar-heroes-buddy-guy-phrase-003-1024x318.jpg)
スロー・ブルースのオブリガードやソロでの十八番。「Leave My Girl Alone」(Key=B♭)ではほぼ全編でこのプレイを味わえる。
マイナー・ペンタ・ブロック・ポジションの1弦のトニック(B♭音)をペダル・ポイントとして、3弦のm3rd(D♭音)、4th(E♭音)、♭5th(E♮音)を重ねてハーモニーを作っていくというものだ(図3)。マイナー・ペンタに含まれない♭5thを使うことで、より陰湿な(?)インパクトとなる。クリーン・トーンでスタッカート気味に弾くのがポイントだ。
バディは親指と中指でピックを持つスタイルなので、この奏法の場合はピックを握り込んで、2フィンガーで弾いていると思われる。