多彩なサウンド・ギミックの秘密に迫る! 西田修大のペダルボード|第7回『足下調査隊!』 多彩なサウンド・ギミックの秘密に迫る! 西田修大のペダルボード|第7回『足下調査隊!』

多彩なサウンド・ギミックの秘密に迫る! 西田修大のペダルボード|第7回『足下調査隊!』

ギタリストの足下を調査する不定期連載企画、『月刊 足下調査隊!』。第7回は、君島大空合奏形態を始め、KID FRESINO、アイナ・ジ・エンド、UA、綾香など、様々なアーティストのライブ/レコーディング現場で活躍するギタリスト、西田修大のペダルボードをご紹介。独自のプレイを確立する西田のシステムの秘密に迫っていこう。

取材/文=伊藤雅景 撮影=大谷鼓太郎

現場での利便性とクリアな音質を両立した
直列のペダルボード

西田修大のペダルボード
西田修大のペダルボード

2024年2月に撮影された、西田の2つ目のボード。スペースをギリギリまで有効活用した配置が特徴だ。2023年6月からスタートした綾香のワンマン・ツアー、“Funtale Tour 2023”に向けて組まれたもので、その後も細かなアップデートをくり返し、今ではそれまでのメイン・ボードと同等の使用頻度となっているとのこと。

以下、ボードの接続順を解説していこう。

西田修大のペダルボード

西田修大のペダルボード
西田修大のペダルボード

【Pedal List】
①YOUSAYSOUNDS / ジャンクション・ボックス
②Z.Vex / Machine(ファズ)
③Jim Dunlop / Buddy Guy Signature Wah(ワウ)
④DigiTech / Whammy 5(ピッチ・シフター)
⑤Meris / HEDRA(マルチ・ハーモナイザー)
⑥YOUSAYSOUNDS / FINAL NSD(オーバードライブ)
⑦Lovepedal / Amp Eleven 808(オーバードライブ)
⑧BOSS / MT-2 Mod.(ディストーション)
⑨JAM Pedals / Rattler(ディストーション)
⑩Sound of Medicine / Antidepressant(ファズ)
⑪Line 6 / HX Effects(マルチ・エフェクター)
⑫Shin’s Music / Perfect Volume Standard(ボリューム・ペダル)
⑬strymon / DIG V1(ディレイ)
⑭Chase Bliss Audio / CXM 1978(リバーブ)
⑮Red Panda / Tensor(ピッチ・シフター/ディレイ/グリッチ/ホールド)
⑯Copper Sound Pedals / Telegraph Stutter(キル・スイッチ)
⑰KORG / Pitchblack X(チューナー)
⑱Morningstar FX / MC6 MKⅡ(MIDIコントローラー)
⑲strymon / Ojai(パワー・サプライ)
⑳strymon / Zuma(パワー・サプライ)

計18台のペダルが直列で接続されたボード。ペダルの組み込み、DCケーブルとパッチ・ケーブルの製作は、ペダル・ブランド/ギター・テックとして活躍するYOUSAYSOUNDSが手がけている。接続の順番は①〜⑯までの番号どおりだ。

ジャンクション・ボックス(①)の次に通過するペダルは、特徴的な波形を発生させるファズ、Machine(②)。その後の③〜⑤はフィルター/ピッチ・シフター系のペダルがまとめられたゾーン。MC6 MKⅡ(⑱)は、HEDRA(⑤)とCXM 1978(⑭)をコントロールするMIDIコントローラーだ。

歪みペダルはFINAL NSD(⑥)、Amp Eleven 808(⑦)、MT-2(⑧)、Ratter(⑨)、Antidepressant(⑩)の5台で、後段にいくごとに歪み量が上がっている。

Perfect Volume Standard(⑫)は、マルチ・エフェクターHX Effects(⑪)のうしろに配置。Pitchblack X(⑰)は⑫のチューナー・アウトに接続されている。⑭〜⑯はリバーブ、ディレイ、ピッチ・シフター、グリッチ、ホールドをコントロールできる空間系ギミック・ペダルが並べられている。

本人インタビュー&徹底解説

自分が欲しい要素を凝縮しつつ、
音の解像度を上げたボードです。

西田さんは2枚組ボードのイメージがありましたが、ボードが1枚になったんですね。

今、核として使っているボードは2ペアあるんです。話しやすくするために、前に君島(大空)と一緒に紹介してもらった2枚組のボードを今日は“1stボード”と呼ばせてもらいますね。今回取材してもらうこのボードは、1stのサブっていうよりも、メインを2セットにするっていう気持ちで作りました。基本的に1stボードでやれることは、こっちでもできるようになっています。

2021年1月に撮影された、西田の“1stボード”
2021年1月に撮影された、西田の“1stボード”

なぜもう1セット、メインのボードを作ろうと思ったんですか?

きっかけは2023年の綾香さんのツアーに持ち出すためでした。ツアーが並行することが増えて、1stボードの持ち回りに限界がきてしまって。毎回家からペダルを持ち運んでサブのボードでやりくりするのでは、やりたいことがやり切れなくなってしまったんです。そこで一念発起して、YOUSAYSOUNDSに頼んで新しいバージョンを作りました。それがこのボードですね。

各ペダルの詳細を聞かせて下さい。先頭のジャンクション・ボックス(①)はYOUSAYSOUNDSのものですね。

このジャンクション・ボックスのアツいところは、エクスプレション・ペダルも接続できるところですね。Tensor(⑮)用のエクスプレッション・ペダルをここにつなぎます。このボード、本当にギチギチなので、最初に組んだ時は蓋が閉まらなかったんですよ(笑)。Tensorのエクスプレッション・ペダルの抜き差しすら厳しい状況だったので、YOUSAYSOUNDSがここに端子を用意してくれました。

次に接続されているのはMachine(②)ですが、位置的にワウを踏んだ時に一緒に触ってしまいそうです(笑)。

はい、細心の注意が必要ですね(笑)。Machineは常に何かと組み合わせて使うことが多いです。偶発性を期待して踏む感じですね。

アドリブでオンにすることが多いんですね。

でも、踏んだ瞬間に“失敗だ!”と思ってオフにすることも多いです(笑)。もちろん踏んでみて良かった時もあるんですけど、やめることも同じくらい多い。実験用のペダルですね。

次はバディ・ガイのシグネチャー・ワウ(③)です。

これは君島から借りてるものですね。彼のアルバム、『no public sounds』(2023年)のステッカーが貼ってあります。

③Jim Dunlop / Buddy Guy Signature Wah(ワウ)
③Jim Dunlop / Buddy Guy Signature Wah(ワウ)

DEEPスイッチはどちらのモードで使っていますか?

例えば君島大空合奏形態ではオンにしてることが多くて、KID FRESINOのバンド・セットではオフにしてますね。少し“チャカ”っとやりたい時は、音の重心が高いオフの状態。歪ませて“グワッ”といく時はオンにするという使い分けです。足で横のスイッチを押すだけで切り替えができるので便利なんですよ。でもワウはけっこう悩んでいて……。そこにも2台ありますし(笑)。

取材時に西田が持ち込んでくれた愛用のペダル達。
取材時に西田が持ち込んでくれた愛用のペダル。奥にJim DunlopのKirk Hammett Collection Cry Baby、EVH 95 Signature Wahが並ぶ。

悩んだ形跡がありますね(笑)。

最初はカーク・ハメットのシグネチャー・ワウ(Jim Dunlop / Kirk Hammett Collection Cry Baby)を載せていたんですけど、その次にヴァン・ヘイレン(Jim Dunlop / EVH 95 Signature Wah)を試して、今はバディ・ガイに落ち着きました。ビンテージの好きなワウはいっぱいあるんですけど、新しいものでも好きな製品を見つけたいんです。それもあって、色々なシグネチャー・ワウを選んで楽しんでますね。

Whammy(④)はVer.5をチョイスしています。

ずっとVer.1が好きだったんですが、最近はこっちも気に入ってます。これは足でノブをいじって、モードを変えながら使ってますね。曲によって1オクターブ、2オクターブ、5th……とか。

④DigiTech / Whammy 5(ピッチ・シフター)
④DigiTech / Whammy 5(ピッチ・シフター)

HEDRA(⑤)もピッチ・シフター系のペダルですね。

HEDRA(⑤)はおもにWhammy(④)で間に合わないピッチの操作とかを担ってます。例えば曲のどこかでWhammyを使って、最後に使った時の設定がオクターブ・アップ状態だとするじゃないですか。そこからすぐオクターブ下の音が必要となっても、Whammyの設定変更が間に合わないんですよ。そういう時にHEDRAがあると臨機応変にカバーできるんです。Whammyをオクターブ・モードにして、ハーモナイザーをHEDRAに委ねたり。それに、リズミックなピッチ・シフターはHEDRAならではのものなので重宝していますね。僕はHEDRAの操作をMC6 MKⅡ(⑥)で制御しています。

メタル・ゾーンは
僕のサウンドの要ですね。

次は歪みペダルのエリアです。FINAL NSD(⑥)はどういった使い方を?

これはクランチ用ですね。僕はアンプの音をギリギリクリーンくらいにしていることが多いので、アンプをクランチさせるために使ってます。長年YOUSAYSOUNDSと改良を続けながら愛用している歪みです。

オーバードライブは、そのうしろのAmp Eleven 808(⑦)で作ります。右チャンネルはFINAL NSDよりも少しジャリっとしたクランチを作りたい時に単体で使いますね。左チャンネルはTS系っぽい音色なので、ソロやリード・フレーズで使うことが多いです。

その2台は、ほかのペダルとは組み合わせることも単体で使うこともあるという。

そうですね。色々なパターンがあって、例えば後段のMT-2(⑧)の歪みをブーストすることもあります。ゲインが足りないなと感じた時に踏むことが多いですね。

BOSSのMT-2(⑧)はノーマル・バージョンなんですね。MT-2Wも選択肢に入っていたと思うんですが、なぜこちらを選んだのでしょう?

技シリーズも良いし、もちろん現行のMT-2も大好きです。今、“1stボード”には技シリーズのMT-2Wを入れてますが、僕は正直、メタル・ゾーンであればどれでも愛せる(笑)。メタル・ゾーンはメタル・ゾーンでいてくれたらそれでいいんですよ(笑)。この個体はバイパス音が狙った方向になるように少しだけモディファイしています。

⑧BOSS / MT-2(ディストーション)
⑧BOSS / MT-2(ディストーション)

やはりDISTノブはMAXなんですね。

いつもこの設定ですね。DISTはMAX。MIDはスクープして、HIGHとLOWは会場や演奏する音楽によって変えたりしています。僕のサウンドの要ですね。

次はRAT系ディストーションRattler(⑨)です。西田さんはオールドのRATも所有していますが、どのような違いがありますか?

Rattlerは、ここに入るサイズ感のRAT系ペダルを色々探していて見つけたんですよ。けっこう気に入ってますね。音は上質で、リード・プレイに関しては本家のRATより合う時も多いです。ブースターとしても良いんですけど、僕はもう少しローが欲しいので、今後は手を加えるかもしれない。

RATよりもローが少ない印象ですか?

本家のRATよりも現代的な分、余分なローがないんですよね。ギグ・バッグに入れて常に持ち歩いているEmpress EffectsのHEAVY(ディストーション)のようなモダン感とは違う、ラウドでパンキッシュなディストーションが欲しい時に踏みます。

Antidepressant(⑩)は初めて見ました。詳細を教えて下さい。

謎のBig Muff系ファズですね。これ、マジで詳細がわからないんですよ(笑)。モデル名のAntidepressantは“抗うつ剤”みたいな意味だっていうことだけは調べてわかりました。ここのスペースに置くペダルは、Organic SoundsのThe Triangle(ファズ)やDope PriestのD.A.M(ファズ)など、自分が気に入っていつも使っているBig Muff系が最初の候補だったんですが、YOUSAYSOUNDSが“試しにこれを入れてみてくれ”と渡してくれて、使っているうちにどんどん好きになってきて。

サウンドはどんな印象ですか?

基本的には1stのTriangle Muffっぽい音なんですが、音が締まっていて、バランスが良いんです。ステンレスの筐体もそれに一役買ってるんじゃないかと、YOUSAYSOUNDSとは話してます。

⑩Sound of Medicine / Antidepressant(ファズ)
⑩Sound of Medicine / Antidepressant(ファズ)

見た目からして、めちゃくちゃハイ・クオリティです。

気に入ってます。ズドーンとしたローも出るし、耳に痛くない程度のギャンギャン、ピシャーっとしたハイも出てくれる。なのに意外とソロでも使えるくらいミドルも出ていて、お気に入りですね。

自分のテンションが上がる
面白いものを入れたいなと思って。

ここからは空間系のセクションを解説していただきます。HX Effects(⑪)はどういった用途で使っていますか?

色んな役割がありますけど、“曲中で1回だけ踏む!”みたいなエフェクトをプリセットしていることが多いです。いきなりめちゃくちゃ深いトレモロをかけたり、ウェット音だけのリバーブを出したり。符点8分のディレイとかも、現場によってはウェット音の深い/浅いも使い分けたいので、そういった時にも重宝しています。質感重視でかけっぱなしにするようなリバーブやディレイが欲しい時はDIG V1(⑬)とCXM(⑭)を使いますね。もともとはHX Effectsじゃなく、Line 6のM9(マルチ・エフェクター)を使っていたんです。

M9とHX Effectsでは、音色にどういった違いを感じますか?

難しいですね……(笑)。HX Effectsは、まさにHelix(マルチ・エフェクター)っぽい音になるんですよ。乱暴に言うと、わずかにラインっぽくなるのかな。でも動作は安定してるし、M9と違って縦のスイッチ・バンクを個別に使えるじゃないですか? そういった利便性もあってHX Effectsを導入しました。面白いエフェクトも増えてるし、クリアで気持ちいい音がしますよ。

でも、バイパス音はM9のほうがコンパクト・ペダルっぽくて良いなと思う時もあります。あと、HX Effectsの地味に気に入っているところは、トレイルのオン/オフがエフェクト別に切り替えられるところです。残響をミュートする時はTensor(⑮)やTelegraph Stutter(⑯)で処理することが多いんですけど、HX Effectsで自然に切りたい時もあって、そういう時にも便利。

質感重視のディレイはDIG V1(⑬)が担っているとのことですが、どういったセッティングですか?

内蔵されている2つのディレイを組み合わせて、ディレイ・タイムがあまりわからないような設定にしています。テープ・エコーみたいな感じですね。同じstrymonのEl Capistan(ディレイ)の音色も好きなんですけど、DIGはテープ・エコー的なにじみ方とはまた違う質感なんですよ。そこが昔から気に入っているんです。あと、El Capistanはある時期にめっちゃ流行った印象があって。“確かにすげえ良いけど、僕は違うのにしてやる”っていう気持ちもありました(笑)。

同じく質感が気に入っているというCXM 1978(⑭)は、まず見た目のインパクトが凄いです。最近入手したんですか?

“何か自分のテンションが上がる面白いものを入れたいな”と思って、このボードを組む時に導入しました。デカいモーター・フェーダーのペダルが足下にあったらアガるなと(笑)。CXM 1978はリバーブの解像度が高く、とてもキレイかつ自然なので、こいつがいることで全体の音の印象を美しくしてくれる感じがありますね。

⑭Chase Bliss Audio / CXM 1978(リバーブ)
⑭Chase Bliss Audio / CXM 1978(リバーブ)

なるほど。かけっぱなしの時もあるんですか?

もちろんドライもウェットも使います。こいつは音の景色をガラッと変えてくれるので、その分ドライのサウンドも生きてくるんですよ。ドライ音をカリカリでチープに設定している時も、これを踏めば一気にリッチになってくれる。バイパス音も良いので使いやすいです。

“Tensorと共に歩んできたぞ”
っていう自負はありますね。

Tensor(⑮)は西田さんのトレードマーク的なペダルですよね。

Tensorはハズせないですね。最近、使ってる人めっちゃ増えましたよね!?

⑮Red Panda / Tensor(ピッチシフター/ディレイ/グリッチ/ホールド)
⑮Red Panda / Tensor(ピッチシフター/ディレイ/グリッチ/ホールド)

西田さんの影響がかなり大きいと思います(笑)。

うん、僕もそう思ってる……すみません、調子に乗りました(笑)。でも、“Tensorと共に歩んできたぞ”っていう自負はありますね。発売直後のまだ日本に入ってきていない時に、NYの知人を頼って送ってもらったんですよ。それから今日までずっと使ってるので、自分の中ではもはや飛び道具枠のペダルじゃなくなってきていて。ないと困ります。

そこまで重要な機材になってきたんですか。

例えば、ギターってチョーキングができないと困るじゃないですか? もうそういう感じです(笑)。Tensorで落とす、切る、リピートする、グチャグチャにする……エフェクトというか、自分のギター・プレイの一部になってしまっているので、これなしでは考えられないですね。ちなみに4台持ってます(笑)。

買いすぎですよ(笑)。

ですよね(笑)。でも、本当に良いペダルなんですよ。何より柔軟性がありますね。Whammyを忘れた日ですらTensorがあればなんとかなったりもするので。実際、Whammyが手元になかった時のレコーディングは何回かTensorで乗り切ってます。信頼していますよ。

それでは、パワー・サプライについても聞かせて下さい。

Amp Eleven 808(⑦)とCXM(⑭)の下に置いているんですけど、Ojai(⑲)とZuma(⑳)を使っています。HEDRA(⑤)、HX Effects(⑪)、CXM(⑭)の3台の電源だけは専用アダプターから取ってますね。僕はちょっと前まで、“すべての電源をアイソレートしなければいけない”っていう考えに取り憑かれすぎていて(笑)。それこそ1stボードの空間系ペダルは全部個別のアダプターでしたし、とにかくアイソレートしまくっていました。なので、ぶっちゃけ1stボードのほうがペダルの数が多いのに、ノイズが少ない時もあります。

考え方が変わったんですか?

最近、“大事なのはそういう部分だけではないんじゃないか?”という気持ちが出てきていて(笑)。逆にファズとかは、もはや電池駆動を選ぶことが多いくらいだし。なので、このボードの電源周りはけっこうシンプルですね。安定していて信頼できるパワー・サプライをひとまずボードには使っているという感じです。

DCケーブルのこだわりは?

YOUSAYSOUNDSが作ってくれています。これに関しても少し偏執的な時期があったんですが、今は“ジャキっとさせたいペダルはこっちのDCを使おうかな”、“空間系はこれだな”くらいで、ある程度アバウトに選んでます。

パッチ・ケーブルは?

MOGAMIの2524に統一してます。シールドはBeldenの8412なんですけど、パッチまで8412にすると音の重心が下がりすぎちゃって。かといって高価なもので揃えてみても、自分が思ってる音よりハイファイになり過ぎちゃったり……。色々と悩みましたが、最終的に音の変化が少なかったCANAREのGS6とMOGAMIの2524と悩んで、2524を選びました。

けっこう悩んでたどり着いたんですね。

パッチ・ケーブルとほかの機材のマッチングは悩ましいですよね。ハイエンドなもので統一すれば好きな音になるっていうことでもないですし。僕的には、色々なバランスを考えた時に“パッチはMOGAMIかCANARE”っていうのが今のところの最適解です。

ありがとうございました。最後に、改めてこのボードのテーマを聞かせて下さい。

“自分が欲しい要素を凝縮しつつ、音の解像度をできるだけ上げる”ということです。バイパス音を意識して近年のエフェクターを中心に組みました。そこがビンテージ・エフェクターも多い1stボードとの大きな違いです。

あとは、これから自分の中で1stボードと戦わせ続けることによって、色んな発見ができるんじゃないかとも思っています。なので、次は1stボードに手を加えたいですね。このボードで発見したことを色々フィードバックしていきたいです。このあと1stボードも思いっきりアップグレードしたので、ぜひ今度見てくださいね!(笑)