Event Report|エジマハルシ ギターセミナーサーキット@ESPエンタテインメント東京 Event Report|エジマハルシ ギターセミナーサーキット@ESPエンタテインメント東京

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Event Report|エジマハルシ ギターセミナーサーキット@ESPエンタテインメント東京

多くのアーティストを輩出しているESP学園は、プロ・ミュージシャンを招いたセミナーを定期的に開催している。ここでは、2025年6月14日(土)にESPエンタテインメント東京にて開催された、ポルカドットスティングレイのギタリストであるエジマハルシを迎えたギター・セミナーの模様をお届けしよう。

取材・文=鈴木伸明 撮影=鈴木千佳
Presented by ESPエンタテインメント東京(☎ 03-3368-6840)

エジマハルシ
エジマハルシ●1995年生まれ。2015年に活動を開始した福岡県出身の4人組バンド、ポルカドットスティングレイのギタリスト。結成10周年イヤーとなる2025年は、冬にアルバムのリリース、全国17都市を廻るアルバム・ツアーを予定しており、精力的な活動を展開中。

卓越したテクニックと心温まるトークで
未来のミュージシャンたちへ送る熱いエール

強烈なグルーヴを生み出す鋭いカッティングと卓越したフレーズ・センスで注目を集めているポルカドットスティングレイのギタリスト、エジマハルシ。今年はバンド結成10周年ということで精力的な活動をくり広げている。

去る6月14日には、ESPエンタテインメント東京にて、エジマをゲストに迎えた特別ギター・セミナーが開催された。このようなイベントへの出演は今回が初めてとのことだが、迫力の演奏を惜しげもなく披露し、未来のミュージシャンたちに大きな感動を与えてくれた。

ギター・セミナーの第一部は、ポルカドットスティングレイの人気曲「ヒミツ」のデモ演奏からスタートした。

ステージには実際にライブで使用しているギター・アンプ、エフェクター・ボードをセッティング。ギターは普段使用しているナッシュ・ギターズのT72DLX、フェンダーのテレキャスター、ストラトキャスターを用意。デモ演奏のあとは、質疑応答を交えつつ、機材の話から練習方法までたっぷり語ってくれた。

ハムバッキングとシングルコイルのカッティングの違い、使用エフェクターについてなど、実際に音を出しながら丁寧に説明していたのが印象的だった。

テレキャス、ストラトを持ち替えて音の違いを解説したり、本人が使っているピックを会場の全員に回して直に触って確認できるなど、アットホームな空気感でセミナーは進んでいった。

演奏面についての様々な質問にもしっかり答えていて、ライブ前のウォーミング・アップ、フレーズ作りの方法などを惜しげもなく語ってくれた。

特に右手と左手の組み合わせがポイントのクロマチック的アプローチやミュート・カッティング主体のライブ前のウォーミング・アップ・フレーズはすぐにでも真似したくなるものだった。

以前よく弾いていたというマテウス・アサトのフレーズを披露したり、ジョン・メイヤーからの影響について語るなど、普段は聴けないルーツも垣間見せてくれた。

アンプの音作りについての質問には、“まずはクリーンでいい音を作ることが大事”と答えていたのが印象的だった。

第一部の最後は、テクニカルなアップ・テンポのナンバー「アウト」をプレイ。必殺のスウィープ・ピッキングまで飛び出す正確無比な演奏に、会場中の視線は釘付けになっていた。間近であのプレイを目撃できたことは、またとない貴重な体験だったはず。

エジマハルシ
ギターを持ち替えて、様々なトーンを実演してくれた。

後半戦の第二部は、参加者がギターを手にしての実演ワーク・ショップ。ギターを持参した参加者も、一緒にフレーズをプレイしながらセミナーは進んでいった。積極的な参加者は、ステージにあがり、ポルカドットスティングレイの曲をプレイして、本人に指導をしてもらうシーンもあった。

ある参加者は「リドー」のサビ前のフレーズを弾き、そのあと目の前で本物のプレイを本人がレクチャーするという贅沢な瞬間もあった。人前で演奏することに慣れていない参加者の緊張をエジマが気遣う場面が何度もあったことも心に残った。

ポルカドットスティングレイが好きで、エジマのギター・プレイに憧れている参加者が多かったので、一挙手一投足を目に焼き付けようとする真っ直ぐな視線がステージに注がれ、それに対して真摯に温かいコメントを返すエジマの優しい人柄が交錯して、会場には心温まる雰囲気が充満していた。エジマもかつて福岡のMI JAPANに通っていたという経験を持つため、音楽を学ぶ若者に声援を送りたくなるのだろう。

セミナーの最後は「パンドラボックス」を演奏。激しいカッティング、音数の多いバッキングなど、聴きどころが満載のナンバーで、プロならではのハイレベルなプレイが会場を多いに盛り上げた。

誰もが満足そうな表情を浮かべており、高度なギターとハートのある言葉が、参加者たちの心にしっかり届いたことを物語っていた。未来のスーパー・ギタリストたちにとって、忘れられないセミナーとなったことだろう。

GEAR

今回のセミナーで用意されたエジマハルシの機材群を見ていこう。どれも普段のライブで使用している機材のため、エジマに憧れるギタリストたちは必見だ。

GUITARS

Fender
American Vintage Ⅱ 1951 Telecaster

Fender / American Vintage Ⅱ 1951 Telecaster

現行のAmerican Vintage Ⅱ 1951テレキャスター。バタースコッチ・ブロンド・フィニッシュ、ブラックガードの最初期テレキャスターの仕様を再現。ボディはアッシュ、ピックアップはPure Vintage ’51 Telecasterを搭載。ブラス・サドルのブリッジから生まれる芯の太い音がお気に入りとのこと。


Fender
American Vintage 59 Stratocaster

Fender / American Vintage 59 Stratocaster

10年ぐらい前に入手、数々のレコーディングで活躍してきたというAmerican Vintage 59ストラトキャスター。アルダーのボディには細かい打痕や傷がついていて、使い込まれてきたことが伝わってくる。アーム・バーはセットしていない。ピックはJim DunlopのTortexの1mmを使用。

AMPLIFIER

Carol-Ann
OD3r

Carol-Ann/OD3r

使用しているアンプは、Carol-AnnのOD3r。ダンブル系と言われる透明感のあるトーンが特徴だ。3ch仕様で、すべてのチャンネルを使用中。ギター・テックにより内部配線に手が加えられており、ワンオフ品のスピーカー・キャビネットには12インチ・スピーカーを2発搭載している。

PEDALBOARDS

足下には2枚のボードと、アンプのチャンネル切り替えスイッチがセットされていた。

右側のペダルボード
<右側のペダルボード>
① strymon / COMPADRE(コンプレッサー)
② One Control / Iguana Tail Loop 2(スイッチャー)
③ JHS Pedals / Angry Charlie V3(ディストーション)
④ Z.Vex / Fuzz Factory(ファズ)
⑤ TC Electronic / Polytune 2(チューナー)
⑥ Analog.man / King Of Tone(オーバードライブ)
⑦ Fulltone / OCD(オーバードライブ)
⑧ Line 6 / HX Effects(マルチ・エフェクター)
⑨ Voodoo Lab / Pedal Power 2(パワー・サプライ)

右側のボードは歪み中心で、①COMPADREを通過したあと②Iguana Tail Loop 2へ。ボード上の③〜⑧はここにループされて、楽曲やソロに合わせて歪みを切り替えているそうだ。⑧HX Effectsはディレイ、コーラスなどの音色を用意。

左側のペダルボード
<左側のペダルボード>
⑩ strymon / BigSky(リバーブ)
⑪ Eventide / TimeFactor(ディレイ)
⑫ Universal Audio / UAFX Enigmatic ’82 Overdrive Special Amp(アンプ・シミュレーター)
⑬ One Control / AB Box(ABボックス)
⑭ VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 MKⅡ(パワー・サプライ)

左側のボードの空間系⑩⑪はアンプのセンド・リターンに接続。スイッチャーからの信号は⑬AB Boxに入りアンプへ。⑫Enigmaticはライン出力用のアンプ・シミュレーターで、アンプを大音量で鳴らせないような会場で使用する。

専門学校 ESPエンタテインメント東京
https://www.esp.ac.jp/tokyo/

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