アメリカのオクラホマ州を拠点とするブティック・ペダル・ブランド、Old Blood Noise Endeavors(OBNE)は、彼ら自身が“Liminal(境界線上の)Delay”と呼ぶユニークなペダル、“Bathing”を発売した。

OBNEといえば、分類不能と言われるほど独創的な空間系エフェクターを多数手がけるブランドだが、Bathingもその例に漏れず、残響、マルチ・タップディレイ、にじみ、フェイザー、液体のような揺らぎといったディレイの枠におさまらないサウンドを生み出せるペダルとなっている。
なお、Bathingは“Old Blood Noise Endeavors Dweller”の後継製品となり、Bathingの発売をもってDwellerは廃盤となる。
フェイザーやマルチ・タップ・ディレイにもなるLiminal Delayとは?
このペダルは残響を生むリバーブ・エフェクトの基盤構造を分解することで、フェイザーやマルチ・タップ・ディレイにも変換可能なエフェクターとして誕生したとされ、各コントロールノブの操作によって、多彩なサウンドを出力する。
設定できるパラメータは非常に多岐にわたるが、気に入ったサウンドが見つかったら保存しておけるプリセット機能があるため、偶然の産物として生まれたセッティングを後から呼び出して使うことが可能だ。
各コントロールの役割は以下のとおり。
Time:ディレイの基準タイム設定。Tapスイッチ長押しで6種の分割値を選択可能
Stages:ディレイが通過するステージ数を2〜12で設定
Feedback:フィードバック量の調整
Filter:ディレイ音のトーンを暗め/明るめに調整
Rate, Depth, Shape:LFO形状やエンベロープ2種を使い、ステージ間のモジュレーションをコントロール
Dry:原音の音量調整
Wet:ディレイ音の音量調整
Dimension:ウェット信号に微細なステレオ・コーラスまたはモノラル・ビブラートを付加
Tap/Aux スイッチ:テンポ・タップ、無限フィードバック、プリセット切替を切り替え可能
幅広い設定変更の余白や拡張性の高さ

Bathingのルーティングは、モノラル、ステレオ、モノラル・イン/ステレオ・アウトから選択可能。また、トゥルー・バイパスかトレイル・バイパスを選択することも可能で、ともにフット・スイッチとPresetスイッチの操作で設定を切り替えられる。

また、EXPやMIDIの外部接続に対応しており、3.5mm TRS Type AのMIDI IN/OUTでペダルの制御やMIDIクロックの出力、プリセットの呼び出しなどを行なうこともできる。
非常に実験的で難解に見えるペダルではあるものの、手にしたプレイヤーに思わぬインスピレーションを与えてくれそうなBathing。筐体カラーは3色展開で、Algae(緑)、Ink(黒)、Orchid(紫)から選択できる。

Old Blood Noise Endeavors
Bathing
【スペック】
● トゥルー・ステレオ、モノ・イン・ステレオ・アウトも可能なTRSステレオ入出力搭載
● アナログ・ドライ・スルー
● トレイルありのバッファード・バイパス/トゥルー・バイパスから選択可能
● プリセット
● すべてのノブをエクスプレッションで制御可能
● すべての機能をMIDIで制御可能。MIDIクロック・イン、MIDIシンクによる同期が可能
● 最小限のスイッチング・ノイズを実現したソフトタッチのフット・スイッチ
● 350mA、9V DCセンター・マイナス。電池使用不可
【希望小売価格】
54,450円(税別)
【問い合わせ】
アンブレラカンパニー TEL:042-519-6855 https://umbrella-company.jp/