ギター初心者におくる、ギター・エフェクターの基礎知識100連発! 意外と知らない、今さら聞けない、そんな時のペダル辞典としてもご活用あれ!
文=今西勇仁(Limetone Audio)
第19回:ディレイってどんなエフェクター?
ディレイとはその名(遅延)のとおり、音が遅れてあとから鳴るというエフェクターです。弾いた音が単純に遅れてくるのではなく、あとから付いてくる(音が追加される)感じです。やまびこ、エコーのような感じですね。
何のためにディレイをかけるかというと、“①空間の演出”、“②サウンドに安定感や説得力を出すため”、“③周りの楽器と馴染ませるため”に使います。こう言われるとよくわからないですかね……単純に言うと”弾いていて気持ちいい音”になります!
なぜそう感じるかというと、例えばド・ミ・ソというフレーズを順に弾いた時に、二番目のミを弾いている時には、そのうしろで最初のドの残響が鳴ります。三番目のソを弾いている時には、そのうしろでミの残響が鳴りつつ、ドもほんのわずかに残っています。これにより1人ぼっちで弾いている感がなくなり、ギター・ソロなどでは迫力や説得力のあるサウンドになります。そうなることによってプレイヤーのテンションも上がり、さらに良い演奏になるという、ディレイとの相乗効果も期待できます。
アルペジオなどの和音系の演奏時にうっすらかけておくのも効果的で、同じ空間系のリバーブとはまた違ったテイストのサウンドになります。カッティングなど、リズムをハッキリ刻む演奏をする場合はディレイ音が邪魔になるので、演奏するフレーズによってオン/オフを切り替えましょう。
パラメーターとしては、音をくり返す間隔(タイム)、音をくり返す回数(リピート)、原音とディレイの音量バランス(ミックス)といった種類のものがあります。機種によっては事前に曲のテンポを保存しておき、そのテンポに対して付点8分の間隔で鳴らすということができたり、タップ・テンポという機能が付いているものだとフット・スイッチでテンポを入力できる機種もあります。



著者プロフィール
今西勇仁(いまにし・ゆうじん)
ギタリスト/サウンド・エンジニア。エフェクター・ブランド、Limetone Audioのサウンド・デザイナー。 “サンレコ・ミックス・ダウン・コンテスト2006”に入賞し、その後多くのミュージシャンの楽曲のミックスを手がける。また、自身もギタリストとして、アーティストのサポート活動や、レコーディングに参加。並行してプロミュージシャン向けの機材の開発、モディファイを行なう。 2017年に開催された、“第4回エフェクタービルダーズ・コンテスト”(主催:TOKYO EFFECTOR)での優勝を機にLimetone Audioを設立。プレイヤー目線での商品開発、設計を行ない、現在多くのプロの現場で使用されている。各種製品は全国の楽器店で販売中。 2020年よりYouTubeチャンネルをスタート。メーカーの枠にとらわれずに、エフェクターや機材の楽しみ方を皆さまにお伝えします。
- 今西 勇仁 公式X:https://x.com/yujin_imanishi
- 今西 勇仁 公式Instagram:https://www.instagram.com/yujin.imanishi/
- 今西 勇仁 YouTube:https://www.youtube.com/@YujinImanishi
- Limetone Audio 公式ページ:https://limetoneaudio.com/
- Limetone Audio 公式X:https://x.com/limetoneaudio

