Fender Flagship Tokyoで取り扱うフェンダーカスタムショップの最新モデルを紹介する連載、“Fender Custom Shop Masterpiece〜Guitar magazine Pick of the week〜”。第15回目は、マスタービルダーのカイル・マクミリンが製作したKyle McMillin Masterbuilt 1958 Stratocaster NOS, 1-Piece Maple Neck, 3 Tone Sunburstをご紹介。
文=鈴木誠 ギター撮影=星野俊
Fender Custom Shop
Kyle McMillin Masterbuilt 1958 Stratocaster NOS,
1-Piece Maple Neck,
3 Tone Sunburst
1958年の過渡期の魅力と風格を受け継ぎ、
細部にまでこだわりが込められたカイル・マクミリン渾身のストラトキャスター。
フェンダーでのキャリアを20歳でスタートさせ、プリンシパル・マスタービルダーのユーリ・シスコフのアシスタントを務めるなど、多彩なギター製作プロセスを経験し、2018年にマスタービルダーへ昇格したカイル・マクミリン。加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)の愛用する1965年製ストラトキャスター、通称“流木”を再現したKyle McMillin Masterbuilt Takashi Kato 1965 Stratocaster Ultimate Relic “Ryuboku”の製作者としても知られる。
1958年製のストラトキャスターをモチーフとした本器は、3カラー・サンバーストと1ピース・メイプル・ネックを採用。1958年といえばサンバースト塗装がブラックとイエローの2カラーから、中間にレッドを含む3カラーになるタイミング。そして1959年の中期頃にはローズウッド指板が登場するため、その過渡期を再現したマニアックな仕様といえる。
本モデルは、実際の1958年製ビンテージ・ストラトキャスターの色合いをサンプルとしてカラー・フィニッシュが施されている。特にリムのブラック、そして中間のレッドは、オリジナルを踏襲し意図的にやや太めに吹き付けられており、当時の佇まいを鮮明に再現している。
またボディ材においても、1958年製ストラトキャスターを参考とし、アルダー材の中でも木目が目立たず節のないものを厳選。マスタービルダーのカイル自らが木材を精査し、選び抜かれた材が使用されている。
カラーリングとボディの木目は、ギターの個性やルックスの印象を大きく左右する要素であり、本モデルではその両面に徹底したこだわりが注がれている。仕上げは新品で購入したばかりの状態をイメージしたNOS(ニュー・オールド・ストック)。マスタービルダーが製作するギターはレリック・モデルが多いため、その点でも貴重な1本と言える。
ビンテージに忠実なモデルでありながら、現代的なプレイアビリティへの気配りも見どころだ。指板はロー・ポジションの7.25インチからハイ・ポジションの9.5インチにかけて変化していくコンパウンド・ラディアス。これはカスタムショップのオーダー品でも人気の仕様だという。また、配線はリア・ピックアップにもトーンが効くビンテージ・モディファイド#2ワイヤリングとなっている。
Kyle McMillin’s Comment
このギターは単なる楽器ではなく、
世代を超えて歌い続ける永遠の創造物です。
この’58ストラトキャスターは、私が心から誇れる傑作です。
アルダー材のボディは温かみがあり、魂を感じさせる深い響きを生み出します。私が削り出した10/56 Vシェイプ・ネックは、まるで手の一部のように自然で、しっかりとした握り心地でありながら弾きやすく、7.25インチから9.5インチへのコンパウンド・ラジアスにより、ナット付近ではビンテージらしい心地よいコード・ワーク、高音域ではモダンな演奏性を実現し、チョーキングや速弾きもスムーズです。
ハンドワウンド・ピックアップは、クリスタルのように澄んだクリーンから熱く唸るオーバードライブまで、クラシックなストラトならではのチャイム感とグロウルを完璧に再現。
ニトロ・フィニッシュ、精密なフレット加工、全体の雰囲気など、細部にいたるまで、“インスピレーションを与えるため”に作り込まれています。私にとってこのギターは単なる楽器ではなく、世代を超えて歌い続ける永遠の創造物です。
Fender Custom Shop
Kyle McMillin Masterbuilt 1958 Stratocaster NOS,
1-Piece Maple Neck,
3 Tone Sunburst
【Specifications】
●ボディ:2Pセレクト・アルダー
●ネック/指板:1Pメイプル
●ネック・シェイプ:10/56 “V”
●スケール:25.5インチ(64.77cm)
●ラジアス:7.25〜9.5インチ(184〜241mm)
●フレット:ナロー・トール(6105)
●フレット数:21
●ナット:Bone
●ナット幅:1.650インチ(42mm)
●ピックアップ:Custom Shop Hand-Wound Josefina ’57 Single-Coil Strat(フロント/センター/リア)
●ペグ:Vintage-Style
●ブリッジ:6-Saddle American Vintage Synchronized Tremolo
●コントロール:マスター・ボリューム、トーン(フロント/センター)、トーン(リア)、5wayピックアップ・セレクター
●付属品:デラックス・ハードシェル・ケース、ストラップ、カスタムショップ特別認定証
【販売価格】
1,430,000円(税込)
【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60
https://jp.fender.com/products/kyle-mcmillin-masterbuilt-1958-stratocasternos-1-piece-maple-neck-3-tone-sunburst
Fender Flagship Tokyoのここが見どころ!
Fender Flagship Tokyoは、原宿にあるフェンダー唯一の旗艦店だ。最上階・3階は、フェンダーカスタムショップ専用の特別なフロアになっており、世界最高峰のクラフトマン・シップが息づくギターやベースの世界に、じっくりと没入することができる。店内には、100本近くのカスタムショップ製品が展示されておりすべて購入可能。あなたの人生を変える1本と、ここで出会えるかもしれない。
今回は、カスタムショップ製のピックアップ、Josefina Hand Wound Dual Mag Ⅱ Stratocaster Pickupsをご紹介。ホセフィーナ・カンポスが手巻きしたモデルで、Alnico VとAlnico Ⅱという2種類のマグナットを採用することで、クリアでバランスの取れたサウンドのピックアップだ。Fender Flagship Tokyoではこのピックアップを購入することができる。
ホセフィーナ・カンポスによる手巻きのピックアップは、通常ピックアップ単体で購入することはできないので、限定商品ならではのスペシャルなモデルである。
愛器のアップデートを考えている方は、ぜひ店舗に足を運んでスタッフに相談してみるのもいいだろう。
※カスタムオーダーを希望する場合は、予約(こちら)が必要。
Fender Flagship Tokyo
- 所在地:東京都渋谷区神宮前1-8-10
- 営業時間:11:00~20:00(年中無休/年末年始を除く)
- FENDER FLAGSHIP TOKYO:https://jp.fender.com/pages/fender-flagship-tokyo
- FENDER CUSTOM SHOP:https://jp.fender.com/pages/fender-custom-shop
- カスタム・オーダー 商談予約アドレス:https://airrsv.net/fender-flagshop-tokyo/calendar?schdlId=s00008CB98









