Ibanezより、NEMOPHILAやKOIAIで活躍中のギタリスト、HAZUKI(葉月)の初のシグネチャー・ギター“HZK1”が発売された。


本モデルはHAZUKIが愛用するIbanez RGシリーズの7弦ギターをもとにしつつも、 国内外で多数のライブを行なってきた彼女ならではの経験と知見を反映させ、美麗なルックスから各パーツの仕様にいたるまで様々な工夫を凝らしたものとなっている。

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ボディ
ボディ・トップに使われている材はスポルテッド・メイプル。
この材が持つ独特な縞模様と特別なシースルー・ブルー・カラーの組み合わせにより、HAZUKI本人が好きなパワー・ストーンである“ターコイズ”のようなルックスを実現している。
さらに外周に巻かれたホワイトのバインディングが、ボディの輪郭を際立たせると共に、お洒落さを演出している。

一方、ボディ・バックに使われているアルダーは、バランスの取れた明るいトーン特性と豊かなサステインを特徴とする材だ。

ネック
ネックはメイプルとウェンジを共に厚材で組み合わせた5ピース構造。これは強度に十分配慮したうえで、ナチュラルなサウンドを志向したものだ。

ネックのシェイプには“Wizard-7”を採用。これはIbanezならではの薄い形状を持ち、ストレスを感じにくい軽妙な握りと弾き心地によって、多くの多弦ギタリストたちから支持され続けているシェイプだ。
指板
指板材には、中音域特性と暖かみのあるトーンを特徴とするローズウッドを採用。

指板上のドット・ポジション・マークは、7弦と6弦の間のフレット寄りの位置に配置されている。
またサイドのドット・ポジション・マークには、照明で明暗がめまぐるしく変化するステージでもポジションを見失いにくい蓄光素材のLuminlayが使われている。
フレット
フレットにはメインテナンス性に優れたステンレス・フレットを採用。ステンレス・フレットには、音の立ち上がりが速く、コード弾きでは分離が良く、単音弾きでもクリアな音になるという特徴もある。
加えて、軽いタッチで押弦でき、速いパッセージやスムーズなチョーキングにも向いたジャンボ・サイズのフレットが選ばれている。
さらに本モデルでは、フレットのエッジ部分の角を丸める処理によって運指時の抵抗を軽減し、一段上の弾き心地をも実現している。
ピックアップ
ピックアップは、アクティブ・タイプのFishman Fluence Modern Humbucker Ceramicを2基搭載。

ハイゲイン・アンプを使用するHAZUKIにとっての悩みの種であるノイズを低減させるべく、以前より使用していたFishmanを採用したところ、本人が出したい音とマッチしたという。
またパッシブ・ピックアップと比べて少しコンプ感があり、クリアなサウンドを持つ点も気に入っていることのことだ。
コントロール
コントロールはHAZUKIのこだわりを反映し、あえての1ボリューム仕様になっている。
これには、ギターをストロークで弾く際に手がトーン・ノブに当たってしまうこと避けることに加え、トーン回路を通さないダイレクトなサウンドが得られるというメリットもあるとのことだ。

1ボリューム仕様のため、ボディ上にあるノブも1つだが、このノブはFishman Fluenceピックアップのモードを切り替えるためのプッシュ/プル・スイッチも兼ねている。

このプッシュ/プル・スイッチにより、次の2つのモード間を瞬時に行き来することができる。
- 【Voice1】Modern Active High Outputモード:歯切れが良くひりつくようなクランチ、ピュアでタイトな低域、現代的な“うなり”などが特徴。
- 【Voice2】Modern Passive Attackモード:オーガニックかつ高出力なトーン、優れたディストーション・キャラクター、Fluenceならではのダイナミクス、反応の良さなどが特徴。
またピックアップはハムバッカーが2基だが、ピックアップ・セレクターは5段階で、これにより次の図に示されたピックアップの選択が可能になっている。

トレモロ・ブリッジ
トレモロ・ブリッジはアイバニーズのLo-Pro Edge 7を搭載。
ロー・プロファイル設計を極めたこのトレモロは、ユニットを極力低くし、ファイン・チューナーを後方に配置することで、演奏時に手が当たってチューニングが狂うことを防いでいる。

チューニング・マシン
チューニング・マシンには、スムーズな動作と信頼性、耐久性が世界中のギタリストに評価されているGOTOH製を採用。

ヘッド・ストック
ヘッド・ストックはボディと同じくターコイズを思わせる色と柄を持ったマッチング・ヘッドになっており、このモデル全体の美麗なルックスを一層引き立てている。

以上がHZK1の主な特徴だが、次の動画では、本モデルを使ったHAZUKIの華麗なプレイと、本モデルについてのインタビューを見ることができる。
なお、HZK1はレギュラー製品だが、ボディ・トップに限りのある特殊な材を用いているため、想定以上の注文数に達した場合は販売が終了になる可能性もあるとのことだ。
Ibanez
HZK1
【スペック】
●Neck Type:Wizard-7 5pc Maple/Wenge neck
●Body:Spalted Maple top/ Alder body
●Fretboard:Bound Rosewood fretboard w/Off-set Mother of Pearl dot inlay & Luminlay side dots inlay
●Fret:Jumbo Stainless Steel frets w/ Prestige fret edge treatment
●Machine heads:Gotoh machine heads
●Bridge:Lo-Pro Edge 7 tremolo bridge
●Neck Pickup:Fishman Fluence Modern Humbucker Ceramic (H) neck pickup
●Bridge Pickup: Fishman Fluence Modern Humbucker Ceramic (H) bridge pickup
●Controls, Pickup selector:1 Volume, 5-way lever switch
●Other Switches:Fishman Fluence Voicing switch on volume control (push/pull)
●Hardware Color:Chrome
●String gauge: .009/.011/.016/.024/.032/.042/.056 (D’Addario EXL120 + D’Addario NW056)
【価格】
440,000円(税込)
【問い合わせ】
星野楽器販売 TEL:0561-89-6900 http://www.ibanez.co.jp
HAZUKI プロフィール
島根県出身。4歳よりピアノを習い始め、中学時代の給食時間に流れていたメタル・ミュージックに影響を受け、高校では軽音楽部に所属し、ギターにのめり込む日々を送る。
高校卒業後に上京し、2019年には“音は地獄のように激しく、その他はゆるふわ”を標榜する地獄のゆるふわバンド、NEMOPHILAを結成する。さらに、2022年には親交の深いLi-sa-Xを中心として、KOIAIを結成。
ヘヴィなサウンドやテクニカルなフレージングを持ち味としながらも、まるで歌っているかのように魅せるメロディアスな表現力をも持ち合わせたプレイ・スタイルが国内外で多くの注目を集めている。
