スティーヴ・ヴァイがBEATの来日公演で使用した、ギター・シンセ用に改造を施したメイン器 スティーヴ・ヴァイがBEATの来日公演で使用した、ギター・シンセ用に改造を施したメイン器

スティーヴ・ヴァイがBEATの来日公演で使用した、ギター・シンセ用に改造を施したメイン器

2025年9月1日(月)に日本武道館で一夜限りの来日公演を行なったBEAT。エイドリアン・ブリュー(vo,g)、スティーヴ・ヴァイ(b)、トニー・レヴィン(b)、ダニー・ケアリー(d)というロック・ミュージック界のオールスターが80年代キング・クリムゾンの楽曲を演奏する本プロジェクトで、スティーヴ・ヴァイが使用したメイン・ギターをご紹介。

文=小林弘昂 通訳=トミー・モーリー 機材撮影=星野俊 人物撮影=SHOTARO (S)

Steve Vai’s Guitars

Ibanez
Pia “IVYA”

BEAT用に製作されたギター・シンセ対応器

今回のスティーヴのメイン・ギターは、“IVYA”と呼ばれるシグネチャー・モデル。BEATではBOSSのSY-1000とGM-800という2台のギター・シンセが必要になり、それに合わせて2024年に改造された1本だ。

デジタル・シリアルGK対応ピックアップが必要なGM-800用に、従来の13ピン端子ではなく標準のTRS端子で接続できるRolandのGK5-KIT-G6がマウントされ、専用のアウトプット・ジャックが増設された。

もともとリア・ピックアップはDiMarzioのEvolutionが取り付けられていたが、BEATのリハーサル中にDP215 Evo 2へ交換。フロント・ピックアップにはFERNANDESのSustainerが搭載された。

また、ボリューム・ノブとピックアップ・セレクターが右手に当たらないようにレイアウトが変更され、そのためのカスタム・ピックガードが作られた。トーン・ノブは未搭載。

ギター・テックによってフレットがJescarのEVO Goldに交換され、すべてのハードウェアも黒に換装されている。

ボディのペイントは、ピックアップやスイッチなどのルーティング作業後にスティーヴ自身が20時間以上をかけて描いたもの。スティーヴのファンから本器のアートワークに合わせたハンド・ペイントのピックアップ・カバーをプレゼントしてもらい、2025年1月に付け替えられたという。バック・プレートはインドネシアのアーティスト、イヴァン・ムリアによるもの。

弦はメーカー不明だが、.009〜.042のゲージを使用。チューニングはレギュラー。

残念ながら時間の都合上、撮影ができなかったのだが、「Matte Kudasai」ではIbanez Custom Shopが製作した黒いSTタイプが使用された。スティーヴが気に入っているストラトキャスターをもとにしており、ピックアップはフェンダーのTexas Specialを搭載。2弦をC♯にチューニングしているとのこと。こちらの弦はErnie BallのHybrid Slinky #2222(.009〜.046)を張っている。

Picks

撮影:小林弘昂

ピックはIn Tune GPの1.5mm(白)と1.14mm(黒)で、2つを楽曲によって使い分けている。すべり止めのため、ギター・テックが線を掘っているとのこと。

2025年9月1日(月)日本武道館

【Setlist】
01. Neurotica
02. Neal and Jack And Me
03. Heartbeat
04. Sartori In Tangier
05. Model Man
06. Dig Me
07. Man With An Open Heart
08. Industry
09. Larks’ Tongues In Aspic(Part Ⅲ)

10. Waiting Man
11. The Sheltering Sky
12. Sleepless
13. Frame By Frame
14. Matte Kudasai
15. Elephant Talk
16. Three Of A Perfect Pair
17. Indiscipline

-Encore-
18. Thela Hun Ginjeet