Age Factoryの清水英介がライブで使用するギターを本人が解説! Age Factoryの清水英介がライブで使用するギターを本人が解説!

Age Factoryの清水英介がライブで使用するギターを本人が解説!

2025年7月に6thアルバム『Sono nanika in my daze』をリリースしたAge Factory。本作のリリース・ツアー、『Age Factory presents “Sono nanika in my daze” Release Tour 2025』の最終公演である11月3日(月・祝)Zepp DiverCityでのライブにて、清水英介(vo,g)の機材撮影を行なった。本記事では清水が持ち込んだ3本のギターを本人の解説と共にご紹介しよう。

取材・文=森部真衣 機材撮影=星野俊 人物撮影=Kazma Kobayashi (Bearwear, UUWorks)

Age Factory / 清水英介 ライブ写真

Shimizu’s Guitars

Paul Reed Smith
McCarty Roseneck Michigan Maple Top

PRS / McCarty Roseneck Michigan Maple Top(正面)
PRS / McCarty Roseneck Michigan Maple Top(背面)

4ピース編成を支えるメイン・ギター

清水のメイン・ギターはPRSのMcCarty Roseneck。ローズウッド・ネックが採用された希少なモデルで、ボディ・トップはミシガン・メイプル、バックはマホガニーという材構成。以前愛用していたサンバーストのレス・ポールとカラーが似ているそうで、清水はルックスが気に入っていると語る。

本器は1年半〜2年ほど前、普段からギターのメンテナンスを依頼している知り合いから譲ってもらった1本。Age Factoryにサポート・ギタリストが加入したタイミングから清水のギター・プレイはバッキングが多くなり、2人のギターの音の馴染みの良さを重視した結果、本器をメインで使用するようになったとのこと。Kj(Dragon Ash)やJESSE(RIZE)からMcCartyをオススメされたことも導入の決め手になったという。

使用ピックアップは基本的にリアだが、クリーン・サウンドではミックス・ポジションに切り替えることも。フロントはほとんど選択しないそうだ。

弦はSIT StringsのS1046 LIGHT(.010〜.046)を使用。以前はチューニングを全弦半音下げにしていたそうだが、最近はドロップC♯チューニングにセッティングしている。

使用楽曲(2025年11月3日@Zepp DiverCity)

  • rest/息
  • 海に星が燃える
  • Shadow
  • 3
  • 漆黒
  • hernoiz feat. YDIZZY
  • CLOSE EYE
  • 向日葵
  • TONBO
  • 1994
Paul Reed Smith / McCarty

Nash Guitars
JM-63

Nash Guitars / JM-63(正面)
Nash Guitars / JM-63(背面)

独特の倍音を生み出すJMタイプ

こちらも1年半〜2年ほど前に知り合いから譲り受けたというNash GuitarsのJM-63。ネックの馴染みが良く、弾きやすさを気に入って購入したそうだ。

清水は楽曲制作の段階でシングルコイルとハムバッカーのどちらで演奏するかを決めており、それに合わせてライブでも本器とMcCartyを使い分けているそうだ。

今回のライブではリア・ピックアップのみを使用していたが、楽曲制作の場合はフロントやミックス・ポジションを選択することもあるという。JM-63はMcCartyと比較すると出力が高く、ライブでギターを持ち替えた時に音量差が出ないようにピックアップの高さを調整しているとのことで、フロント・ピックアップは下げ目にセッティングされていた。

ブリッジとバズストップ・バーの間にはスポンジが挟まれており、不要な共振を防止している。

清水は本器について、“JMタイプの独特な倍音の鳴り方は、ほかのギターでは再現できないと思っています。自分の好きな1本に出会えたのがすごく幸運だと思う”と語っており、今後も活躍が期待される1本だ。

使用楽曲(2025年11月3日@Zepp DiverCity)

  • Dance all night my friends
  • HIGH WAY BEACH
  • may feat.lil soft tennis
  • プールサイドガール
  • Blood in blue
  • Everynight
  • 鳴っていたピアノ
  • Because
  • Sono nanika in my daze

Sago New Material Guitars
LP Type Euphoreal Mod.

Sago New Material Guitars / LPタイプ(正面)
Sago New Material Guitars / LPタイプ(背面)

Sagoの職人がカスタマイズした1本

ライブでは使用されなかったが、サブ・ギターとしてSago New Material GuitarsのLPタイプが用意されていた。見慣れないパーツが搭載されているが、本器を製作した元Sago New Material Guitarsの職人により、多くのカスタマイズが加えられているとのこと。

まずヘッド・ロゴ部分は、奈良県大和郡山市に拠点を置くハンドメイドのギター・ピックアップ・ブランド、Euphorealのネーム・プレートに変えられている。そのため一見すると、Sago New Material GuitarsではなくEuphorealのギターのように思われてしまい、清水は“ちょっと絶妙なんです(笑)”とコメント。

ピックアップやピックガードもEuphorealのものに載せ替えられている。

Picks

Jim Dunlop / Tortex Triangle .73mm

ピックはJim DunlopのTortex Triangle 0.73mm。撮影時はBassonのキャビネットの上に置かれていた。

Jim Dunlop/Tortex Triangle 0.73mm

Interview

McCartyは音の馴染みがすごく良くて、
全体のバランスがまとまった。

メイン・ギターであるPRSのMcCarty Roseneck Michigan Maple Topを手に入れた経緯を教えてください。

もともとSago New Material Guitarsで職人をされていた方が奈良にいらっしゃって、僕のギターのメンテナンスをお願いしていたんですけど、その方からMcCartyを譲りたいと言われて。ボディがそれまで持っていたレス・ポールと同様のサンバーストで珍しかったので、買おうと即決したのが、たぶん1年半か2年前くらいだったと思います。

なぜMcCartyを使用しようと思ったのですか?

もともと黒いレス・ポール・カスタムを使っていたんですけど、サポートのリード・ギタリストと一緒に弾いた時に音が相殺されてしまうことがあったんです。でも、McCartyだと音の馴染みがすごく良くて、全体のバランスがまとまったので使い始めました。あとはKjさん(Dragon Ash)やJESSEさん(RIZE)から“McCartyめっちゃ良いよ”って推されたのも理由です。

作る楽曲が変わっていくうちにダウン・チューニングでバレー・コードを押さえることが増えてきたので、1つ1つの音の粒立ちというよりは、全体のバンド・サウンドにフォーカスを置くような音作りになってきましたね。

使用しているピックアップ・ポジションとチューニングを教えてください。

基本的にリア・ピックアップを使用していますが、楽曲によってはクリーンでミックス・ポジションにすることもあります。フロントはあんまり使うことはないですね。

チューニングはドロップC♯がデフォルトになってきました。昔の曲は全弦半音下げチューニングを使っていたんですけど、今はドロップC♯のまま演奏する時があります。

McCartyの気に入っているところは?

PRSってギラついているというか、妖艶な雰囲気のデザインのギターが多いなと思っていたんですけど、僕のMcCartyに関しては見た目が普通というか、PRSのギターに見えなくて。それがすごくかっこいいなと思っています。

ライブではNash GuitarsのJM-63とMcCartyをどう使い分けていますか?

楽曲制作の段階で、自分の中で“これはシングルコイルの曲だな”“これはハムバッカーの曲だな”っていうのが明確にあるんですよ。ライブでもそれに確実に従うようにしていて、基本的にどういう曲の順番であってもギターを持ち替えるようにしています。

自分の好きな1本に出会えたのが幸運だなと思うくらい、
このギターは気に入っています。

Nash GuitarsのJM-63を入手したキッカケは?

良いJMタイプのギターを探していろいろ試奏している時に、知り合いからJM-63を譲りたいと言われたんです。それまでレス・ポールとかのハムバッカー系しか買ってこなかったんですけど、初めてJM-63を弾いた時にすごく弾きやすさを感じたのと、ネックが若干薄いのが好みでした。もともと使っていたテレキャスターも同じようにネックがすんなり手に馴染んでいて、音色というよりかは弾きやすさで選んでいる感じがあります。

入手時期はいつ頃ですか?

入手時期はPRSとほぼ同じで、約1年半から2年前。前のツアーで使おうと思って譲ってもらいました。

今回のライブ中、ピックアップ・ポジションはリアで固定していましたよね。

前回のツアーの時はミックス・ポジションを使用していて、家で制作している時もフロントやミックス・ポジションで使っているのですが、ライブの時に手が当たってセレクターが変わっちゃうので、今回のライブは完全にリアに固定していました。

特別な調整などはしていますか?

ローディーと一緒にピックアップの高さの調整はかなりしていますね。あとは弦高も。

フロント・ピックアップがかなり下げられていましたが、普通の高さだとブーミーになってしまうからでしょうか。

そうですね。出力がMcCartyよりも高かったので調整していった記憶があります。ライブでシングルコイルとハムバッカーのギターを2本同時に使うとレベルの差が顕著に出ていたのですが、今はかなり合わせられている状態になっていると思います。

JM-63の気に入っているところは?

やっぱりJMタイプの独特な倍音の鳴り方は、ほかのギターでは再現できないと思っています。自分の好きな1本に出会えたのがすごく幸運だなと思うくらい、このJM-63は気に入っていますね。

サブ・ギターのLPタイプについても教えてください。

実はSago New Material Guitarsの方が作ったギターなんですけど、その方が自分でSagoのネームを削ってEuphorealのネーム・プレートに変えていて、ちょっと絶妙です(笑)。その方はピックアップやピックガードの金属板のデザインもされていて、どちらも載せ替えているのですが、もとはSagoのギターなんです。

2025年11月3日(月・祝)Zepp DiverCity

【Setlist】
01.陽炎(SE)
02.rest/息
03.海に星が燃える
04.Shadow
05.3
06.漆黒
07.hernoiz feat. YDIZZY
08.CLOSE EYE
09.向日葵
10.Dance all night my friends
11.HIGH WAY BEACH
12.may feat.lil soft tennis
13.プールサイドガール
14.TONBO
15.1994
16.Blood in blue
17.Everynight
18.鳴っていたピアノ
19.Because
20.Sono nanika in my daze