ギター・マガジン2026年7月号の特集『教養としてのビートルズ学』に際し、ビートルズ好きのプロ・ギタリストたちにプレイリストを作ってもらった。何から聴くか迷った時の選択肢のひとつとして、ご活用いただきたい。今回のセレクターは、多くのトップ・アーティストから引っ張りだこのスタジオ・ギタリスト、外園一馬。紙幅の都合で誌面に載せきれなかった、ビートルズ愛に溢れるプレイリスト解説全文を掲載!
デザイン=猪野麻梨奈
ビートルズはギタリストが3人!?
Kazuma’s Comment
ビートルズの興味深いところは、ジョン、ジョージ、ポール、この3人が担当楽器の割り振りについて非常に柔軟であった、という点です。
初期はバンドの一発録りが基本につき、ギターはジョンとジョージが担当していました。しかし、レコーディング技術の進歩により、中期以降はダビングが可能になったことで、ポールがギターを弾く曲も増えていきます。しかも、それがたとえ自分の作曲であろうと、曲にマッチした演奏であれば、他のプレイヤーにギターを弾かせることも厭わない、そうしたスタイルは当時の他のバンドには見られず、革新的でした。
そこで今回はジョン、ジョージ、ポール、3人のギター名演をそれぞれ集めてみました。
ジョンは、熱量高めなソロが聴ける初期のM1、ポール曲での意外すぎるジャズ・アプローチのM2、エピフォン・カジノのトーンを絞って弾く後期代表曲のM3、B.B.Kingを彷彿とするブルージィなM4を。
ジョージは、一筋縄ではいかない名ソロのM5、ルーツが垣間見えるクレバーなM6、シングル/アルバム版どちらの演奏も甲乙つけがたい名曲M7 & 8、間奏のベンドのニュアンスが唯一無二な傑作M9を。
ポールは、アコギ全音下げという大胆アイデアな有名曲M10、ジミヘンからの影響もうかがえるサイケなソロを聴かせるジョージ曲のM11、逆にジミヘンにも影響を与えた金字塔アルバムのタイトル曲M12、3フィンガーならぬ2フィンガー(!?)によるM13を。
M14はポール→ジョージ→ジョンの順でギター・バトルが聴けるビートルズ唯一の楽曲。三者三様の感動的なリレーが聴けます。
番外編は、ジョージに呼び出され、リードギターを弾くことになったエリック・クラプトンによるM15。当時Creamで弾いていたような激しい速弾きフレーズは鳴りを潜め、サステインを重視した、非常にメロディアスでドラマチックなギターを聴かせてくれます。天下のクラプトンですらビートルズとのセッションは相当緊張していたようで、演奏自体もなんだかビートルズのカラーに染まっているところも非常に面白いのです。
──外園一馬
Track List
- You Can’t Do That
- Honey Pie
- Get Back
- I Want You(She’s So Heavy)
- All My Loving
- Till There Was You
- Let It Be(Single ver.)
- Let It Be(Album ver.)
- Something
- Yesterday
- Taxman
- Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
- Blackbird
- The End
- While My Guitar Gently Weeps
外園一馬
1989年生まれ、北海道小樽市出身。スキマスイッチ、坂本真綾、矢沢永吉、竹原ピストルなどをサポート。ビートルズの音楽に衝撃を受け、ギターを独学でスタートした。
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ギター・マガジン2026年7月号
『来日60周年記念特集|教養としてのビートルズ学』
ギター・マガジン7月号の表紙&特集は、『教養としてのビートルズ学』。 ちょうど60年前の初来日公演の詳細に迫る企画「ビートルズ大学 誌上講義 1966年、ビートルズがやって来た!」から、初心者のためのQ&A、奏法企画でビートルズの魅力を深掘り。さらに、リッケンバッカーとVOXの機材特集もビートルズを軸にした内容となっている。