増崎孝司(DIMENSION)×MOGAMI2524 Official Package 増崎孝司(DIMENSION)×MOGAMI2524 Official Package

増崎孝司(DIMENSION)×MOGAMI2524 Official Package

ここでは普段からMOGAMIのケーブルを愛用している、増崎孝司(DIMENSION)にその実力を検証してもらった。世界中のプロ・ギタリストの“標準”となった本シールドの魅力について存分に語ってもらおう。

優れたケーブルというのは、プレイヤーの手を止めさせないんですよ。
───増崎孝司

実は昔からMOGAMIを
愛用しているんです。

まず、試奏していただいた感想は?

 実は昔からMOGAMIのシールド単体を愛用しているんです。このプラグ付きのMOGAMI2524 Official Packageもイメージどおりの落ち着いた音でしたね。プレイヤーの手を止めない優れたケーブルだと思います。これまで色んなケーブルやプラグを試してきましたけど、僕はわりと周波数特性がフラットなものや、ハイの音域が少しヘコんでいるものを基準に選んできたんです。その中で多くの海外プレイヤーがMOGAMIのシールドを使っていることを知って。離れていた時期もありましたけど、ずっと使ってますね。

MOGAMIのケーブルと出会ったのはいつ頃のことですか?

 90年代の中頃ですね。当時、ミドル・レンジの甘い帯域がどうしても切れなくて悩んでいたんですけど、ロサンゼルスにレコーディングに行く機会があって。そこで憧れのプレイヤーの音を聴いていたら、ちょうど良いレンジに感じられたんです。それでケーブルを見てみたら“MOGAMI”と書いてあって。“これはみなさんにとってデフォルトのケーブルなんですか?”と聞いたら、“当然だ”と言われました。それで日本に帰って、自分のラックのケーブルを見てみたら、MOGAMIだったという(笑)。それでギター・ケーブルを作ってもらったんです。

古くからPAやスタジオの世界ではポピュラーだったそうですが、当時の国内のギタリストの間では、まだそれほど認知度が高くなかったんですね?

 そうですね。

ケーブル単体の切り売り販売だったことも、認知度の低さの一因かもしれませんね。ユーザー側でプラグを選んで、自作しないといけなかったわけですし。

 そこですよね。だから僕は数メートル単位のロールで買ってました。90年代のプロの現場ではケーブルを自作するのは当たり前で、色々とハンダを選んだりしましたね。中には50メートルくらい買っている人もいましたけど、ケーブルって酸化するんですよ。するとハイが落ちるじゃないですか。そうした外的要因も含めて、トーンの一部になっているんですよね。ギターもそうですが、ずっと永久的に同じ音が出るものじゃないんです。ならば、僕の考えとしては、ケーブルも楽器と同様に経年変化していってほしい。だからあえて銀ハンダを使わないですし、ギターの配線に使われているような一般的なものを選んでいるんです。

機材の特性を生かすなら、
こういうケーブルを使ってあげないと。

このたび新登場したMOGAMI2524 Official Packageのサウンドの特徴と言うと?

 音をデフォルメしすぎないことですね。作りすぎていないというか。ケーブルはプレイヤーの手を止めないものが一番だと思うんです。どこかの帯域が耳に痛いとか、元気がありすぎるものは、逆に扱いづらい気がしますね。その意味ではすごくフラットな特性だと思います。

このケーブルを使うことで、弾き心地も変わると?

 そう。すっきりして、ギターも弾きやすいですよね。各弦の分離感も良い。僕の聴こえ方としては、ミドル・レンジの耳に痛い部分がほんの少し削れていて、6kHzあたりからの上と150Hzあたりからの下がなだらかに落ちてる感覚です。

ケーブルの柔軟性についてはどう感じましたか?

 クセはつきにくいですね。エフェクトボードのケーブルもMOGAMIのものなんですけど、狭いボードの中でも跳ねない。それもあって使っているんです。MOGAMIのシールドはもともとラックの配線で使われてきたケーブルだし、それくらい音が変わらないと言われてきたんですよ。

採用されたノイトリック・プラグの印象は?

 プラグの重量はトーンに影響するもので、僕が普段使っているスイッチクラフトに比べると、プラグが軽い分、ややロー感が抑えられている気はします。でも、凄く素直な音ですし、バンド・アンサンブルの中ではノイトリックのほうが向いているかもしれないですね。

リーズナブルな価格帯も魅力ですよね。

 そこですよ。この価格帯でこの品質のケーブルが作れるのは凄いことです。特に若い人たちには朗報だと思いますよ。近年、やたらとケーブルの価格が上がっていますけど、一般ユーザーがどれだけハイエンド製品のクオリティを理解できるのかは疑問ですね。あまりハイファイ化してしまうと、“果たしてそれが楽器本来の音なのか?”とも思いますし。このケーブルはメーカー推奨のプラグとハンダで完成品になっているわけで、これまで自作してきた僕からすれば、もうこれで間違いないと思います。家で使う人なら3メートル、ステージで使う人なら5メートルで良いでしょう。ひと月も電気を通していれば、ハイも落ちてきますし、だんだん音も馴染んでくると思います。

それなりにケーブルもヘタってくるということですね。

 ヘタります。ケーブルは弦と同じで消耗品と思わないとダメですね。中には10年くらい使っている人もいますけど、せいぜい寿命は3、4年かなと思います。

こうした素直なケーブルのほうが、音作りにも役立ちそうですね。

 絶対にそうです。今でいろんなエフェクターがありますけど、それぞれの機材の特性を最大限に生かすのであれば、こういうケーブルを使ってあげないと。

最後にこのケーブルを使ってみたい人にメッセージをお願いします。

 MOGAMI2524はもともとラックやエフェクトボードのワイアリング用として認知されてきたケーブルです。ロー・インピーダンスで出す信号の反応力や、音の解像度に対して世界中のサウンド・デザイナーから信頼を得てきたケーブルなんですよ。なので、これをギター・ケーブルとして使うことで、これまでの音作りの悩みが解決していくんじゃないかと思います。今後、自分に合った機材選びをしていくためにも、1本は持っておいて絶対に損しないケーブルですね。

MOGAMI2524 Official Package

【問い合わせ】日本娯楽 企画営業部
TEL:0848-22-9268

Profile

増崎孝司

ますざき・たかし◎1962 年、 長崎県生まれ。フュージョン・バンド=DIMENSION でギタリストを務めるほか、ライブ・音源を問わず数多くの作品にギ タリストとして参加している。

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