ギター・マガジン2026年11月号では、Mrs. GREEN APPLEの最新作『POPS』の制作やライブで活躍する若井滉斗(g)の愛用機材を掲載している。その中から抜粋し、本記事では若井の現在の相棒である最新フェンダーカスタムショップ製ストラトキャスターをご紹介しよう。誌面では、ほかにもニュー・ギターや実機アンプ&サウンド・システムなど、ミセスの音楽性の幅をさらに押し広げた機材を徹底解説しているので、合わせてチェックを!
文=錦織文子 機材撮影=西槇太一
※本記事は「ギター・マガジン2026年11月号」の内容を転載・再編集したものです。
Wakai’s Guitar
Fender Custom Shop
Todd Krause Masterbuilt
Stratocaster
巨匠トッド・クラウスが製作した
信頼を寄せる新たな相棒ストラトキャスター
エリック・クラプトンやジェフ・ベックら、伝説的ギター・ヒーローたちの愛器を手がけてきたフェンダーカスタムショップのシニア・マスタービルダーであるトッド・クラウスが製作した、若井の最新ストラトキャスター。
若井自身が米カリフォルニア州コロナのフェンダー工場を直接訪れ、トッドに直接オーダーをしたうえで製作が始動。約7〜8ヵ月の期間を経て完成にいたった。
2025年10月のドーム・ツアー“BABEL no TOH”スタート直前に入手し、そのままステージに導入され、現在はライブ/レコーディングともに活躍。若井が“新たな相棒”と呼ぶほどの存在となった。

オーダー時に若井が特にこだわったのが本器のルックスだそうで、下地のホワイトの上にブラックを塗り重ねた“マルチ・レイヤー”を採用。激しいピッキングや右腕のストロークで擦れたかのような様相で、ホワイト層やうっすらと木部がのぞく絶妙なレリック加工が施されている。

12フレットには若井自身がトレードマークとしている“カミナリ・マーク”のインレイが刻まれた。
全体の仕様は60年型ストラトキャスターをベースとしており、最大の肝となるのがスラブ貼りのローズウッド指板だ。デビュー当時より愛用していたカスタムショップ製ストラトキャスターはメイプル指板であったが、より粘りと丸みを与えてくれる本仕様を求めたという。
さらに、ピックアップにはトッドの秘技である銅テープによるシールド加工を施しており、これによりビンテージ・トーンの味を損なわずに不要なノイズを徹底排除。若井が追い求めた右手の繊細なピッキング・ニュアンス、タッチの強弱が出音へダイレクトに反映される極めてクリアなレスポンスを実現している。

また、ミセスの楽曲に不可欠な最高音域をカバーするため22フレット仕様を採用。ネック・シェイプは手に馴染む60 Style Oval “C” で、手汗を考慮してネック裏のサラサラとしたサテン仕上げとしている点もポイントだ。ヘッド側にトラスロッドが搭載されるなど、実戦的なカスタマイズが施されている点も抜かりない。
新作『POPS』のレコーディングにおいても本器がメインで活躍したそうで、実機アンプとの組み合わせも功を奏して、大編成のオケや打ち込みの中でも埋もれない芯のある立体的なトーンを発揮。「Brand New」や「GOOD DAY」、「共犯」を始め、若井のプレイ・スタイルに追従するトレードマークとして、さっそく異彩を放っている。

ギター・マガジン2026年11月号
『若井滉斗 – Mrs. GREEN APPPLE』
2026年10月13日(火)発売

