前回に続き、今回も「コードを押さえる時の指使い」がテーマです。
文・図版作成=ギター・マガジン編集部
今回は次のEフォームを主な題材にします。
ロー・コードのEを押さえる時の指使い
前回に話題にしたAフォームとは違って、こちらは指使いが限られてきます。
次の図はEのロー・コードを押さえる時の指使いです。5弦2フレットを中指、4弦2フレットを薬指、3弦1フレットを人差指で押さえます。
Aのロー・コードには指使いのバリエーションが色々ありましたが、Eのロー・コードはこの指使いがいわゆる「王道」で、これ以外の押さえ方をする人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
この指使いが王道なのは、誰にとっても押さえやすいというのが第一の理由でしょう。それぞれの指は無理なく指定の位置に置けますし、力も込めやすい形です。
またこの指使いが王道である第二の理由は、少し変化させるだけで他の「Eなんとか」というコードが押さえられることです。例えばEのロー・コードを押さえている指のうち、薬指を離せばE7になりますし、人差指を離せばEmになります。人差指と薬指の両方を離せばEm7になります。
一方、この指使いに小指を追加するだけで、Esus4、E6、E7、Eadd9などが作れます。こうしたことから、Eのロー・コードに関しては、先に示した指使いを1つ覚えるだけで事足りると思います。
Eフォームのハイ・コードを押さえる時の指使い
次にEフォームのハイ・コードを押さえる時の指使いを、EフォームのAを題材にして紹介します。
基本的な指使いは次のとおりです。5フレットを人差指でセーハし、中指で3弦6フレット、薬指で5弦7フレット、小指で4弦7フレットを押さえます。これもまた、これ以外は考えられないほど「王道」の指使いです。
ロー・コードの時と同じように、小指を離せばA7、中指を離せばAm、小指と中指の両方を離せばAm7に変化させることができます。
また小指を動かすことにより、コードをA7sus4、A7(13)、A7、A7(9)に変化させることができます。
なお、Eフォームのハイ・コードには、次のようにネックの上側から出した親指で6弦を押さえる方法もあります。これはロック系のギタリストがよく使います。指板図中の「T」は親指(英語ではThumb)の意味です。
これは最初はちょっとやりにくいかもしれませんが、慣れてくれば簡単にできます。特に弦の柔らかいエレクトリック・ギターではやりやすいはずです。それでも全部の弦を押さえるのが難しい場合は、次項で紹介する省略形で試してみて下さい。
Eフォームのハイ・コードを省略形で押さえる時の指使い
Eフォームのハイ・コードのうち、一部の弦だけを鳴らせばよい時は、次のように様々な指使いが考えられます。こうした省略形を押さえる時は、その都度、自分のやりやすい指使いを考えればよいでしょう。
Cフォーム、Dフォーム、Gフォームの指使い
Cフォーム、Dフォーム、Gフォームのロー・コードとハイ・コードに関しては、主な指使いを示すにとどめましょう。これらのロー・コードは一般的な押さえ方が2つずつありますが、ハイ・コードに関しては指使いがほぼ限られ、押さえるのも難しく、また使用頻度も低いです。
Cフォーム
Dフォーム
Gフォーム
前回と今回とでメジャー・トライアドの5つのフォームの指使いを紹介しました。マイナー・トライアドや四和音、テンション・コード、その他のコードのフォームについて1つ1つ解説していくとキリがないのでやめておきますが、あとは応用でなんとかなると思います。
次回は「Fコードの攻略法」をテーマにします。ギター初心者の誰もがつまずく「あのF」を、なるべく楽に押さえられるようになるためのコツを紹介する予定です。
本講座の関連コンテンツ
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本講座を書籍化した本です。オールカラーで144ページ。電子書籍もあります。
【CONTENTS】
◎コードとは?コード進行とは?
◎Cの構成音と、いろいろな押さえ方
◎C6、C7、C△7の構成音と、いろいろな押さえ方
◎Cメジャー・スケールを覚えよう
◎ルートとは?度とは?
◎コードの構成音一覧
◎三和音とは?
◎四和音とは?
◎テンション・コードとは?
◎omit3とは?add9とは?sus4とは?
◎分数コードとは?
◎続・分数コードとは?
◎コードは平行移動で覚えよう
◎続・コードは平行移動で覚えよう
◎フレット数の書かれていないコード・ブック
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◎コード・フォームを自分で作る
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