Interview|近藤大彗&後藤晋也&和田晴貴(No Buses) 急成長を遂げた『No Buses』でのトリプル・ギター Interview|近藤大彗&後藤晋也&和田晴貴(No Buses) 急成長を遂げた『No Buses』でのトリプル・ギター

Interview|近藤大彗&後藤晋也&和田晴貴(No Buses)
急成長を遂げた『No Buses』でのトリプル・ギター

俺が入ったこのバンド、カッコいいでしょ? 
ってよく自慢するんです。(和田)

様々なアイディアが詰め込まれた今作ですが、機材についても教えて下さい。まずはギターはどういったものを使いましたか?

近藤 僕はフェンダーのストラトとエスクワイヤーのストラトですね。でも、ほとんどフェンダーのほうを使いました。

後藤 俺は近藤の持っているものと色違いのフェンダー・ストラトですね。このバンドを結成したあと、近藤の音にギリギリまで音を寄せたいと思ってこれを使っています。

和田 俺はフェンダーのハイウェイ・ワン・ストラトですね。

トリプル・ギター編成でも珍しいのに、さらに全員ストラトだという(笑)。

後藤 音の住み分けという点では、違うタイプを使ったほうが良いんでしょうけど、自分たちはどちらかと言うと音を寄せていく方向で。

近藤 アンサンブルをタイトに聴かせるには、同じギターのほうが良いんですよね。そっちのほうが自分たちの提示したい音が出せるんです。

それで3人ともストラトなんですね。アンプに関してはどうでしょう?

近藤 スタジオにあるアンプを借りました。モデルは忘れちゃったんですけど、見たこともないようなアンプを試奏して、楽曲に合う音色をチョイスしていきましたね。

今作で特に活躍したエフェクターは?

近藤 今はジャックが壊れて使えなくなったんですけど、DNA ANALOGICのGain Fxxkerは「Alpena」のハードな歪みで活躍してくれましたね。

後藤 俺はBIG MUFFかな。「Not Healthy」のイントロの歪みまくったベースは、BIG MUFFをつないで出した音なんですよ。

和田 MOOREのGE-200ですかね。「Yellow Card」のイントロ前と「Very Lucky」のサビ入り前でディレイとして使ったんですけど、フィードバックなどの設定をほぼフルにしていました(笑)。

ありがとうございます。最後にギタリストの展望とバンドの目標を教えて下さい。

近藤 僕は機材にそんなに詳しくないので、研究していきたいですね。そうすれば、もっとギターで遊べると思っていて。バンドとしては外向きの目標みたいなものはなくて、自分たちが良いと思える作品を作り続けていきたいですね。これから先、もっと音楽を聴いて、ギターも上手くなっていくと、できることがもっと増えてくると思うんです。そうして生まれた曲と、自分たちの能力のギャップがないようなものをこれからも作っていきたいです。

後藤 バンドの目標としては、これからも変わらずに自分たちは表現したいものを今後も作っていきたいですね。個人的な目標はギタリストとして認知されたいです。というのも“No Busesのギター、良いよね”とは言ってもらえるんですけど、それってフレーズのことだと思うんですよね。なので、“No Busesのギタリストって良いよね”って言われるようなギタリストになりたいです。

和田 俺は、オーラのあるギタリストになりたいですね。バンドに加入する前からこのバンドのライブを観ていたんですが、やっぱり2人は雰囲気があって。自分もそういったギタリストになりたいかな。バンドとしてはもっと日本で聴かれるようになりたいですね。よく友達にこのバンドのことを自慢するんですけど。

後藤 (笑)。

近藤 どういう自慢?

和田 “俺が入ったバンド、カッコいいでしょ?”って。そうすると“日本じゃあんまりなんでしょ”みたいなことを言われるんですよ。なので、もっと日本でも聴いてもらえると嬉しいですね。

GUITARS

KONDO’S
FENDER 
STRATOCASTER

デジタルな鳴りが特徴のメイン器

近藤のメイン器は2017年にオークション・サイトで購入したジャパン製フェンダー・ストラトキャスター。改造点はなし。お気に入りのポイントは “歪みノリが良く、デジタルな鳴りがするところ”だそう。

GOTOH’S
FENDER 
STRATOCASTER

タイトなアンサンブルは同タイプの本器から

こちらのストラトキャスターは後藤のメイン・ギター。2018年に手に入れたという日本製の1本で、改造点はなし。本器を購入したのは、“近藤と限界まで音色を寄せるために同じモデルを使用したかったから”とのこと。

WADA’S
FENDER 
HIGHWAY ONE STRATOCASTER

ベースと溶け合う低音を放つ和田のメイン器

和田のメイン器はハイウェイ・ワン・ストラトキャスター。『No Buses』制作後にPUをフェンダー’57/’62ストラト・シングルコイルをリマウントしたそうだ。“ボディに施された極薄ラッカー塗装による青い色味がポイント”と語ってくれた。

PEDALBOARD

KONDO’S BOARD

PEDAL LIST

①BOSS/BD-2(オーバードライブ)
②T-REX/Dr.Swamp(ディストーション)
③Electro-Harmonix/MEMORY BOY(ディレイ)
④ZOOM/MS-50G(マルチ・エフェクター)
⑤RevoL Effects/EPS-01SET(パワー・サプライ)

No Busesのフロントマン、近藤のライブ用ボードがこちら。①〜④までが直列に接続された実にシンプルなボードだ。それぞれの用途だが、まず①はGAINを0に設定し、クリーン・ブースターとして使用。②にはフット・スイッチが2つあるが、歪みの強いバッキングとリード・フレーズで使い分けているとのことだ。③はおもにショート・ディレイとして起用。最後に接続された④はチューナー&コーラスとして使用している。

GOTOH’S BOARD

PEDAL LIST

①BOSS/BD-2(オーバードライブ)
②ProCo/Turbo RAT(ディストーション)
③Dr.Lake Handmade Electronics/オーダーメイド・ディストーション
④ZOOM/MS-70CDR(マルチ・エフェクター)
⑤BOSS/DD-7(ディレイ)
⑥One Control/Prussian Blue Reverb(リバーブ)
⑦VOCU/Baby Power Plant(パワー・サプライ)

後藤のライブ用のエフェクター。こちらは①〜⑥までが直列接続されている。各ペダルの使用法について説明しよう。①は近藤&和田と共通でGAINは0。②はメインの歪みとして起用している。③は後藤が特注したディストーション・ペダルで、“ビンテージのRATをイメージした音”がするそうだ。本機は2チャンネル仕様で、左側のフット・スイッチはオーバードライブ用、右側はハードに歪んだディストーション用としてギター・ソロの際に踏むとのこと。④はコーラス&トレモロなどの空間系&チューナーとして、⑤はショート・ディレイとしてそれぞれ使用している。⑥は最近導入したそうで、今作で多用するクリーン・サウンドに少しだけリバーブをかけることで“雰囲気を出しているんですよ”と語ってくれた。

WADA’S BOARD

PEDAL LIST

①BOSS/BD-2(オーバードライブ)
②ProCo/RAT Ⅱ(ディストーション)
③MOOER/GE-200(マルチ・エフェクター)
④Electro-Harmonix/nano Holy Grail(リバーブ)
⑤VOCU/Baby Power Plant(パワー・サプライ)

今作よりNo Busesに加入した和田のボード。接続順は近藤同様、①〜④までを直列に接続している。それぞれのペダルの役割だが、まず歪みの①②から解説していこう。①は2人と同様、クリーン・ブースター、②は激しい歪みとして用いている。次に③④だが、③はチューナー&ショート・ディレイ&コーラスとして使用。④は“アルペジオを弾いた際に、アンサンブルが物足りなく聴こえさせない”ために踏むそうだ。

作品データ

『No Buses』
No Buses

S.S.G.G./UXCL-256/2021年6月23日リリース

―Track List―

01.Preparing
02.Number Four or Five
03.Very Lucky
04.Alpena
05.Surprised
06.Not Healthy
07.Mate
08.Having a Headache
09.Yellow Card
10.Biomega
11.Playground
12.Imagine Siblings

―Guitarists―

近藤大彗、後藤晋也、和田晴貴