4月にリリースされたカネコアヤノの新作『よすが』。先日公開した本作でのギター・プレイについて語ったインタビュー記事に続き、カネコアヤノ&林宏敏が作品制作で使用したギター、そして林のライブ用ペダルもご紹介しよう。
取材=山本諒 写真=山川哲矢
カネコアヤノの愛用ギターたち
林宏敏の愛用ギターたち
林宏敏の最新ペダルボード
林のライブ用ペダルボード。接続順は番号のとおりだ。基本的にワウ、歪み系、ディレイ&リバーブ、モジュレーションの4種類のみをチョイスしている。各々について解説していこう。
①Fulltone/Clyde Standard Wah(ワウ)
先頭に置かれたワウ。側面に付いたバッファー・レベルは9〜10時にし、そのオン/オフ・スイッチはオン。
②KORG/Pitchblack mini(チューナー)
小型ながら電池駆動もできるミニ・サイズ・チューナー。
③CULT/OD-820 Secede from T.S. mod(オーバードライブ)
評判のCULTモディファイ・モデル。こちらでベーシックのクランチ・サウンドを作る。底面にAdditional Clean Vol.を備えており、ドライブ・サウンドとクリーン・サウンドを任意のバランスでミックス可能。曰く“これでアンプを2台使っているのと同じように音作りできる。理想のクランチが出せるペダルにようやく出会えた”。
④CULT/TS808 #1 Cloning mod. V.2(オーバードライブ)
こちらもCULTモディファイ。クランチの次の段階、つまりオーバードライブさせたい時に踏む。“CULTのモディファイ・ペダルは音の分離や抜けが良くて、単純に音がカッコいいんですよね”。
⑤Electro-Harmonix/OP-AMP Big Muff (ファズ)
オペアンプ期の個体を再現した小型サイズのビッグマフ。“ガツンと行きたい時”に使うそうで、SUSTAINはフルに設定!
⑥UNION/Tone Druid(オーバードライブ)
クリーン・ブースターとして使用。“50年代のローファイなアンプをハイファイにできるような感じというか、ザラっとしたアナログ・レコードみたいな音にできる”点がお気に入り。
⑦strymon/Lex Rotary(ロータリー・スピーカー・エミュレーター)
ロータリー・スピーカーの音を再現した数少ないペダル。ザ・バンドやエリック・クラプトンを敬愛する林には欠かせない1台で、歴代のカネコ作品でも重用している。
⑧BOSS/DD-7(デジタル・ディレイ)
アナログ路線のペダルひしめく中で好アクセントとなるデジタル・ディレイ。“古めかしい音の中にキラッとした成分を足すことができて、カネコの音には合う”のだそう。“儚い揺らぎ”を演出できるMODULATE MODEがフェイバリット。
⑨BOSS/RV-500(リバーブ)
深めのリバーブをかけたい時に使用するほか、DD-7(⑧)とは違う質感のディレイもプリセットしている。strymonのTIMELINEなどと比べた結果、本機のほうが使えることが判明。
⑩ strymon/FLINT(トレモロ&リバーブ)
長年愛用しているペダル。リバーブは常時オンにしている。トレモロに関しては“カネコのアルバムで聴けるトレモロはほぼこれ。とにかく最高”と、ナチュラルなかかり具合を絶賛!
⑪ F-Sugar/fsp Proline Custom(パワー・サプライ)
長きにわたりプロ・ミュージシャンに愛されるリペア/楽器販売店による逸品。上面に貼られているのはSSW/ギタリスト三輪二郎のシール。
『よすが』 カネコアヤノ
1994 Inc./NNFC-09/2021年4月14日リリース
―Track List―
1. 抱擁
2.孤独と祈り
3.手紙
4.星占いと朝
5.栄えた街の
6.閃きは彼方
7.春の夜へ
8.窓辺
9.腕の中でしか眠れない猫のように
10.爛漫(album ver.)
11.追憶
―Guitarists―
林宏敏、カネコアヤノ