B.B.キングが残した伸びやかで力強いカバー B.B.キングが残した伸びやかで力強いカバー

B.B.キングが残した
伸びやかで力強いカバー

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はキング・オブ・ザ・ブルース、B.B.キング! 単独歌唱の2バージョンを紹介します。B.B.らしい伸びやかなプレイをご堪能あれ!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈

サントラ用の長尺プレイは映画でチェック!

「ストーミー・マンデイ」B.B.キング版、アルバート・コリンズとの豪華共演は紹介済みだが、今回はB.B.単独バージョンも2つ紹介しよう。

ひとつは、トム・スコットがまとめ役となった、GRPオール・スター・ビッグ・バンド『All Blues』に収録(95年録音)。この曲ならでは、という感じこそ薄いが、ゴージャス極まりないジャジィなホーンズ(10管!)に煽られ、すべてにおいてB.B.ならではのアーバン・ブルースを展開。同盤には1曲だけの参加だったが、捨て置けない出来ゆえに、B.B.の包括的10枚組セット、『Ladies & Gentlemen…Mr. B.B.King』にも収録。

もうひとつは、マイク・フィギス監督、メラニー・グリフィス主演の87年のサスペンス映画、『ストーミー・マンデイ』のサントラ用録音=B.B.のオリジナル・アルバムには未収録のバージョン。“これぞB.B.!”というイントロからギター・ソロが2コーラス。歌を3コーラス力強く一気に歌ったあと、ギター・ソロが続き、何となく終わりに向かっていく。演奏時間、トータル9分強。映画でどこを使ってもいいように、ということで長めの尺になったのでは?と勝手に想像する。ビシッと決まったGRPとは対照的だが、逆にそのラフさが魅力か。サントラ盤は残念ながら未CD化。映画はDVDにもなっているので、気になる方はそちらもチェックを。