文=七年書店
歌モノを引っさげ、新たなフェーズへ!
極上のメロディで描く叙情的な音世界
圧倒的なライブ・パフォーマンスで、国内外から高い評価を獲得している京都発インストバンド、jizue。ドラムの脱退を経た彼らが、3人体制となって初となるオリジナル・アルバムを発表した。
ボーカル曲「because」で幕を開けることが象徴するように、メンバーによる作詞・歌唱の楽曲を3曲収録した本作は、上質な歌モノがバンドの新たなフェーズを感じさせる。もちろんインスト・バンドとしての勢いも全開で、「marten」など、ジャジィでダンサブルなグルーヴ感も抜群だ。
「砂漠の月」では変則的なリズム・アプローチにハッとさせられるが、あくまでも踊れるビートにアレンジされているのがニクいところ。また、「meteor shower」でのギターとピアノがお互いに補完し合うような叙情的なメロディのアンサンブルも見逃せない。
鍵盤や歌と調和しながら奥行きを演出するギターが秀逸で、激しくも細やかなプレイに高いスキルが輝く作品だ。
作品データ
『Seeds』jizue
ビクター/VICJ-61786/2020年9月2日リリース
―Track List―
01. because
02. marten
03. 砂漠の月
04. rush
05. Reflection in the mirror
06. animal quarrel
07. meteor shower
08. grandfather
09. in one’s sleep
10. to be
―Guitarists―
井上典政