秋になるとジャズが聴きたい……肌寒くなってくるこの季節、ジャズ・ギターの温かい音色が響くのでしょうね。そんな時、うしろの席から「I’ve Grown Accustomed to Her Face」が流れてくるじゃないですか!! 副編集長Y氏が練習中……“はい、ウェス・モンゴメリーのプレイリストを作りましょう”。ということで今回は、少し気温も下がって人肌恋しくなる今聴きたい、ウェスの甘〜い楽曲をまとめてみました。スロー〜ミッド・テンポが中心なので、コピーに挑戦するも良し、ウィスキーでも飲みながら聴くも良し!
文/選曲=編集部 Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images
1923年3月6日、米国インディアナ州生まれのウェス・モンゴメリー。本名はジョン・レスリー・モンゴメリー。ギターの練習を始めたのは20歳とかなり遅めだ。
チャーリー・クリスチャンのソロ・スタイルに影響を受けたウェスは、オクターブ奏法やテンション・コードを用いた演奏でジャズ・ギターの歴史をさらに大きく前に推し進めた。
特に今回セレクトしたメロウな楽曲の数々が現代でもすんなり耳に馴染むのは、サックスにも負けない音圧(=オクターブ奏法)、ピアノにも匹敵する音壁(=コード・ワーク)など、前述の斬新なスタイルがあればこそ、と言えるかもしれない。
1964年、Verveレコードへ移籍後の第一弾作品『Movin’ Wes』には、クリード・テイラー(のちのCTIレコード創設者)がプロデューサーとして参加。この頃からストリングスなどのオーケストレーションによる装飾も増えていき、その後のCTI期はイージー・リスニング色が強まっていく。こうなってくると“秋の夜長に……”というテーマからはずれてくる(完全に主観!!笑)ので、今回はVerve期まで、特に初期を中心に楽曲をセレクトしてみた。
中でもソロ・デビュー前のモンゴメリー・ブラザーズ期はトリオ編成が基本のため、ウェスのギターがメロウさを演出する様を特に味わえると思う。
ぜひ、ゆっくりとグラスを傾けながら、じっくりと聴いていただきたい。