文=佐藤英輔
プリンス調やフュージョン要素が華を支える。
キラキラしているな。と、ため息。
洋楽作法のもとアイドル表現を求めた4人組の、メジャー・デビュー作だ。今様R&B流儀にある楽曲と伴奏の中、肉声群が舞う。リード・ボーカルとコーラスの絡み、日本語歌詞の乗り方に不満はない。そして、聴き手の中に入り込まんとする彼女たちが持つ濃密さは相当なもの。ぼくはそこに大衆ポップスとしての矜持を強く感じる。
とともに、その意志を見事に成就させているのは、十全に今のダンス・ポップ感覚を抱えたサウンドだ。それは、インスト・バージョンを聴いてもよくわかる。また、曲趣によりそれぞれギタリストを使い分けているのも制作陣のこだわりであると、ぼくは取った。
イケてるギターのカッティング(プリンス調と言えそうな③「オプティミスティック・ラブ」やそのインスト版⑦のブレイク時に入るそれは、彼の「Kiss」みたいだ)やオブリガートは随所に見られる。また、伸びのある単音ソロやオクターブ奏法も認められるあたり、フュージョン要素も持つ。
作品データ
『ドント・ストップ・ザ・ダンス』
フィロソフィーのダンス
ソニー/BSMF-6193/2020年9月18日リリース
―Track List―
01.ドント・ストップ・ザ・ダンス
02.なんで?
03.オプティミスティック・ラブ
04.ドント・ストップ・ザ・ダンス with DEZOLVE
05.ドント・ストップ・ザ・ダンス(Instrumental)
06.なんで?(Instrumental)
07.オプティミスティック・ラブ(Instrumental)
08.ドント・ストップ・ザ・ダンス with DEZOLVE(Instrumental)
―Guitarists―
佐々木望、有賀教平、小林ファンキ風格、北川翔也