ミック・ハックネルによるボビー・ブランドへのリスペクト ミック・ハックネルによるボビー・ブランドへのリスペクト

ミック・ハックネルによる
ボビー・ブランドへのリスペクト

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今回は意外どころ、シンプリー・レッドのミック・ハックネルによるカバーをご紹介しましょう。ボビー・ブランドへ捧げた1枚に収録された「ストマン」は、なかなかおもしろいアレンジに仕上がっている。ギターを弾くのは当時シンプリー・レッドに在籍していた鈴木賢司だ。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


B.B.キング要素も感じるファンキー・アレンジ

イギリスの国民的バンド、シンプリー・レッドのミック・ハックネルが、バンド活動とは離れて発表した2008年のソロ・アルバム、『Tribute To Bobby』には驚かされた。タイプは全然違うが、実はボビー・ブランドがハックネルのフェイバリット・シンガーということから作られたトリビュート盤なのだった。

ブランドは、モダン・ブルースの最高のシンガーだが、楽器を弾かないことから、3大キングらに比べて、ロック・ファンからの注目度が圧倒的に低い。いや、さすがだね、ハックネル、目のつけどころが違う。

当然「ストーミー・マンデイ」も取り上げているが、作曲クレジットが、Tボーン・ウォーカーではなく、ビリー・エクスタインらになっているところまで、最初のボビー・ブランド盤の過ちを踏襲?

同曲カバーの中では珍しく、アレンジをガラッと変えた、16ビート・ナンバーで、9小節目に5度♯を入れるコード進行含め、B.B.キングの「スリル・イズ・ゴーン」を意識したか。打ち込みアレンジで、歌のコクがいまいちではあるが、ナイス・トライ。

メンフィスを訪れる様子を収めたボーナスDVDでは、御大ブランドと感激の対面。ファン丸出しの緊張ぶりが微笑ましかった。

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