最後のデルタ・ブルースマンジェイムズ・サン・トーマス 最後のデルタ・ブルースマンジェイムズ・サン・トーマス

最後のデルタ・ブルースマン
ジェイムズ・サン・トーマス

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週は知る人ぞ知る“最後の”デルタ・ブルースマン、ジェイムズ・サン・トーマス。エレキ・ギターを使ってはいるものの、デルタ・ブルースマンらしさが滲み出るアプローチにグッときます。いやぁ、このグルーヴは真似できない!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


デルタ流儀の「ストマン」はこうなるのだ!

毎週月曜にお贈りしている、「月曜朝のストマン」。なかなかのメンツが続いてきたが、この人はどうだ。ジェイムズ・サン・トーマス。相当にカントリー・ブルース好きじゃないと、首を傾げる名前だろう。

トーマスは、1926年生まれのミシシッピ・ブルースマン。墓堀人として働き、ミュージシャンとしてはアマチュアだったが、67年に南部文化研究家によって見出された。“最後の本物のデルタ・ブルースマン”と呼ばれ、10枚ほどのアルバムを残し、93年に亡くなった。

この「ストーミー・マンデイ」は82年にアメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバルの一員として渡欧した際にドイツで吹き込んだもの。

基本的に、エレキでも生でも、弾き語りでデルタ・ブルースを聴かせる人だけに、改めて同曲の浸透ぶりに驚かされるところ。しかも、この曲では、一緒にツアーしていたシカゴ勢のリズム隊をバックにし、トーマスはエレキで、意外とウェイン・ベネット風なフレーズも弾きながら、穏やかで渋い歌にレスポンス。とはいえ、ところどころで拍数が半端になるのが、弾き語りマンならでは。

年齢はB.B.キングより若いので、この曲やっているもおかしくないのだけど、流儀は明らかに違うのです。

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