文=福崎敬太
当時を体感したからこそ出せる、ブルース愛たっぷりのギター・サウンド!
腕利きブルース・ギタリスト=デューク・ロビラードの最新作。60年代からルームフル・オブ・ブルースのメンバーとして活躍し、ジミー・ヴォーンでおなじみのファビュラス・サンダースへの参加、ドクター・ジョンやボブ・ディランのバックなど、順調なキャリアを歩んできたデュークも2020年10月で72歳になった。
2019年作『イヤー・ウォームス』は50〜60年代の多様なオールディーズを楽しげにカバーしていたが、今作は自身がティーン・エイジャーの頃に影響を受けたであろうブルース/R&Bの色が濃い印象。そして、当時を知る彼だからこそ出せるサウンドやプレイが味わえる。
アイク・ターナーのカバー①「Do You Mean It」は、のっけからエッジィな音色に愛情を感じるし、ロイ・ミルトン③「What Can I Do」で聴ける同音異弦スライドから複弦チョーキングといった原曲をオマージュしたアプローチには、グッとくる人も多いはず。そこをちょっとジャジィにこなすのがデューク流なのだろう。
ヘレン・ヒュームスで知られる⑥「You Played On My Piano」ではオリジナルに即してギターのバッキングを諦めるなど、プロデューサー気質も感じる。その雰囲気に合わせてモコモコのフルアコ・サウンドで洗練されたソロを奏でるが、やっぱりメジャー・スケールの使い方がうまい!
シンプルなジャズ・ブルースやロックンロール、R&Bでメジャーを織り交ぜたキャッチーなソロを弾きたい人、ぜひ一度聴いてみてほしい。
作品データ
『ブルース・バッシュ』
デューク・ロビラード
BSMF/BSMF-2717/2020年11月27日リリース
―Track List―
01.Do You Mean It (featuring Chris Cote)
02.No Time
03.What Can I Do (featuring Chris Cote)
04.Everybody Ain’t Your Friend
05.Rock Alley
06.You Played On My Piano (featuring Michelle ‘Evil Gal’ Willson)
07.I Ain’t Gonna Do It
08.You Don’t Know What You’re Doin’ (featuring Chris Cote)
09.Give Me All The Love You Got
10.Just Chillin
―Guitarists―
デューク・ロビラード